■(1/2) 税、年金、健康保険の一体化について | ◎ 浮輪浮遊録 ◎

◎ 浮輪浮遊録 ◎

★「では、どうするか」が、視点のブログです。/ ★ 更新:【 第2 水曜 】、他・随時更新。(2010年9月15日 開設)



税と年金の改革について論議されております。
その中で私が違和感を感ずるのは、年金の支払と受取りの損得が計られることです。
一定の公平を求めることは間違いではありませんが、税、年金、健康保険のような“互助制度”においては公平の追及には限度があります。


税はその収入財産により支払と受益の“損益分岐点”が存在します。
健康保険も、健康に恵まれ使用しなければ掛け捨てとなりますが、これを“損”と言えるでしょうか。
年金は受給開始直後に死亡すれば、大幅な“損”になります。
だからといって完全な平等システムによる税、年金、健康保険というのは現実的ではありません。
例えば、それぞれを一律の会費方式にしたとしましょう。
そして年金の場合、若年死亡の場合は一定割合を還付します。
また、健康保険は使用しなかった場合は、大幅な還付をします。
「支払いと受け取り」という点では「公平」に近づいたとしても、相対的な受益は激しく減ずることになるでしょう。


ここで、年金に絞って公平ということをあらためて考えてみます。
「金額による公平」、

「所得に対する納付額を基準とした公平」、

「生涯総納付額を年齢層別にみた場合での公平」などが考えられます。
そのいずれをとったとしても、「生活できない年金」では意味がありません。
年金とは、生存中の者が生きる糧としての金銭を受け取ることです。
したがって、それで生活できなければ、それ自体に欠陥があると言えます。
そして、生活困窮者が生活保護を適用される例がありますが、国庫として見た場合に生活保護の業務を運用する分だけ「人と金の重複」による無駄と言えます。
このように税、年金、健康保険は国庫として考えた場合、より密接に関連してきます。


したがって税、年金、健康保険は、支払った対価を求めるというより、個人と社会の安心と安全を国家のシステムとして末長く維持することがより重要なことなのです。


では、どうすればよいのでしょうか。
税であれ、年金であれ、健康保険であれ、生涯に渡って「公的サービス」を受けるわけです。
このため、税と健康保険は毎年各人の所得に応じた金額を支払うことになります。
年金は受給資格年数を経過後も一定の年数を賭け金の支払いに充てますが、その後は受給者として死亡するまで年金を受け取ります。
一見当然に思われるこの体系に、疑問を覚えるのです。


税、年金、健康保険はいずれも国民の生活において必須のものです。
そうであれば年金の掛け金も、税や健康保険のように生涯に渡って支払うべきだと考えます。
要するに、国民全体から薄く広く集める、言うなれば薄額広集方式です。
年金の掛け金を支払う現役世代と、年金を受給する引退世代という考え方は、人口が常に増加してゆく場合は許されるものの、少子高齢化による人口減少社会においては、必ずしも適した考え方とは言えません。
そして現役と引退の両世代間の不毛な論争の回避にも繋がると思います。


年金の受給資格はすべての国民がこれを有し、税を納め続ける限り受給開始年齢に達すれば年金支給となるようにします。
ただし、悪質な労働回避等で税を納付しなかった場合に備えて、年金の欠格条件も決めておく必要があります。
現在の税と年金の体系の中では、支払よりも受取が多いことをあえて“選択”することも可能とは言えます。
それを幸せな選択とは言えないものの、その選択を進んで行う者が少なからず存在します。
だからこそ、一般的な納税者が割を食わないように、年金の欠格条件を設けた上、年金欠格者等が生活保護の不正受給等を行った場合は、社会制度への妨害そのものと言えますので厳罰をもって処さねばなりません。


◆ ( 2 / 2 ) へ 続きます。


・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


当ブログは ブログランキングに参加しております。
・ にほんブログ村ランキング ~ 政治・社会問題部門
・ 人気ブログランキング   ~ 政治部門
【下記のバナー】をクリックしていただきますと 幸いに存じます。
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


本日は 誠にありがとうございます。
またのご来訪をお待ちしております。