どうて・・・え?童貞・・・? | 魔法石の庭ver.2

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スピリチュアル界と、ちょっとパワーストーンブログになっています。

 コメントで、シロガネさんが「メローネさんにガイドが拉致られた」と言っていたので、すぐにスピリット界に飛んで、「てめえこらメローネ!どこにいやがるんだ!」と館中を探して歩きます。メローネも、叱られるのを知っているのか、どこかに隠れているようです。

 すれ違った精霊たちが、「かみな様怒ってるね」「ねー」と言いますが、そんなの気にしていられません。
 すると、ドアを開けた赤毛が出てきて、ちょっと今メローネは……」と言うので、赤毛を突き飛ばして赤毛の部屋に入ります。

「いやがったな!何人様のガイド拉致監禁して、さらにその場で寝ることを強要してやがるんだ!あんたホントあれだぞ!?殺すぞ!?」と私が詰め寄ると、「待て。あれはその……社会勉強だ」と言います。
「社会勉強って、何の勉強だよ!?」と声を荒げると、「それは……」と、言葉を濁します。そして、「俺は、その……男女間のそういった行為はしたことないからな」と衝撃的な発言をしてくれやがりました。

「……は?メローネ、あんた童貞!?」と聞くと、「スピリット界に来てから、過去世でのことは忘れているからな。その、そういうことは初めてだ」と言ってきました。

「……で、シロガネさんたちにコツを聞こうとしたと?」と、力が一気に抜けた私が聞くと、「神妙に聞いていたつもりなんだが」と言うので、「あんたの神妙ってどんなのよ!無理矢理杏樹さん拉致って、それを餌にシロガネさん釣って、目の前で実演してもらおうとしてたって!?馬鹿じゃないの!?馬鹿じゃないの!?」
 と、「馬鹿」を10回くらい言って、私ははーっと深いため息をつきました。

「……無駄に力のある童貞って、こんなに厄介なんだなあ。しかも軍人バカだし。本当、笑えないよ……」と、私が言うと、「じゃあ、お前は知識はあるのか?」と聞いてきます。
「馬鹿言うんじゃないよ。私がどれだけAVのサンプル観てきたと思ってるんだよ」「いや、サンプルだと話の流れがわからないのでは……?」「まあ、ともかく、することはわかる。だいたいの流れもわかる。しかし、こんな『ふたりエッチ』状態になるとは……」
 私は、再びため息をつきました。「両方とも初めてなんて、笑えないんだけど」「だから、実演させて鑑賞しようと……」「シロガネさんはハウ・トゥ・セックスの本じゃない!」と、私は思いっきりメローネの頭をひっぱたきました。

「でも、キスとか、キスマークの付け方とか、あんた手慣れてたじゃん」と言うと、「あれもまあ、知識だ」と。ムードがないとか、いちいちキスの仕方が強引だとは思っていましたが、まさか童貞だから加減がわからなかっただけとは……。アホすぎる。私たち、アホすぎる。

「それともう一つ。私と約束したよね!?威嚇射撃は真横を狙うんじゃなくて、上に向かって撃てって!ホントにもう、一回で覚えなさいよね!」と、これも叱っておきます。
「ともかく、杏樹さんに一緒に謝りに行くからね!ああ、まだクッキーあったっけ……?」

 と、私はキッチンに走って、棚をあさり、ようやくハロウィンの時のラッピングされたクッキーを見つけます。
 そして、すぐにメローネの手を取って、『杏樹さんの所にテレポートします』とアファメーションをすると、ぐるりと景色が変わり、場所は外に。そして、チェアに座って読書をしている杏樹さんを発見しました。

「杏樹さん!」と呼びかけると、杏樹さんはメローネの顔を見ると嫌そうにしました。そりゃそうでしょうよ……。
 そのまま視線を本に落とすと、「何だ?シロガネはまだ仕事中だぞ」と素っ気なく言ってくるので、「今回のことは本当に申し訳ありませんでした!私の監督の至らないところでした。ほら、メローネも頭下げる!」と、ユーフェミアさんの時にしたように、後頭部を掴んで無理矢理頭を下げさせます。
「本当にすみませんでした!これ、お詫びの品です」と、ラッピングされたクッキーをいくつか渡します。というか、強制的に渡しました。

「……かみな、といったか。お前も大変だな。あっちに謝りこっちに謝りするとは……まったく良いガイドを持ったものだ」と皮肉を交えて杏樹さんが言うと、私は「ははあ……本当に申し訳ございません!」と何度も頭を下げます。
「それもこれも、メローネが童貞なもので……」と言ったところで「おい」とメローネに口をふさがれます。杏樹さんはようやく顔を上げたと思うと、「はっ、お前童貞か。なるほどな。おおかた、シロガネと俺の関係に嫉妬したんだろう」と煽っていくスタイルをしてきました。
「シロガネはいい女だぞ。まあ、お前にはやらんがな」と、再び本に目を落として、杏樹さんは言います。

「ともかく、今回はすみませんでした。シロガネさんにもよろしくお伝えください」と、これ以上空気が悪くなる前に、私は帰ることにしました。「メローネ、帰るよ」と言って手を取ると、後ろから杏樹さんが「童貞のメローネ。せいぜい暴走しないで初めては大事に抱いてやるんだな」と最後の煽りをしてきました。私は女なのでよくわかりませんが、男にとって童貞というのは、かなりかっこわるいものらしいですね。

 館に帰ると、私に疲労感がずーんとのしかかってきます。
「ユーフェミアさんに謝って、シロガネさんに謝って……私、何回頭下げれば済むんだろう?それもこれも全部あんたのせいなんだけど、メローネ!?」と私はメローネを睨み付けました。「……俺が悪いのか?」と、やはりわかってない様子なので、「当たり前でしょ!なんで私、『万引き癖のある旦那を引き取りに行く』みたいなことになってるんだよ!もしくは『ガキ大将の親が謝りに行く』みたいな!?私はあんたのママじゃない!いい!?あんたが方々で迷惑かけると、謝るのは主である私なんだからね!」と、一気にまくしたてます。

 ぜえ、ぜえと息をつくと、「それにしても、あんたが童貞ねえ……。てっきり隣の美人なお姉さんとかに手ほどきされてるかと思ったわ」と言います。メローネは少しむっとした表情で、「そんな漫画のようなことは起きない」と返してきます。

 シロガネさん、本当にすみませんでした!全てはメローネが童貞だから悪いんです!こいつ、頭悪いんです!暴走させてしまってすみませんでした!
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