言葉の奥にある四十万。 | [ARA-MASA kun の妄想ネバーランド]

言葉の奥にある四十万。

言葉は無数にあるように見えて、恐ろしいほどに有限だ。

ただ一言、好意を伝えたいときにも

ごく限られた言葉を選び、紡ぐしかないのだ。

それゆえに、言葉を発する時分、

極度の緊張と震えを押さえる為に僕の唇は

軽重に目の前の加工食品への悪言を垂れるのである。


しかし、その単語の少なさゆえに人の愛の深みもわかるというものか。

久しく「愛している」という言葉を使ってはいない。

だからこそ、こんな自問自答を繰り広げてしまうのである。

女人の涙をふき取りながら

やさしく広がる言葉の四十万にて、

世界は美しくも儚い夜の静寂とともに、

更なる人生の一歩を踏みしめることを夢見て。