みなさん、こんばんは。
日本維新の会 衆議院議員 うえにし小百合です。

臨時国会は短期間でしたから、
三回しか質問台に立つことができませんでしたので、
臨時国会終了後に、国土交通省・公正取引委員会の
然るべき担当者と急遽ヒアリングの機会を設けました。
ここにご報告を申し上げます。
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臨時国会中、党幹部の諸先輩方のご配慮で、
私が本来所属をしていない国土交通委員会で、
メンバーチェンジをして頂いてまで、
“自公民提出のタクシー運送法の特別措置法案”の
審議に加えていただき、提案者に様々質問を行ったことは
以前皆様にもFACEBOOK等でお知らせをした通りです。

小泉構造改革の中でタクシー事業の
大幅な規制緩和が行われました。
しかし、従前からの大手業者(業界・団体)は
「規制緩和により新規参入者が増え過ぎ、
街のタクシー数と乗客のバランスが崩れ、
タクシードライバーは働けど働けど
生活苦から解放されない」との思い込みが強く、
「各社の保有タクシーを強制的に減車させ、
運送料金を高値固定化することがその解決策だ」として
規制緩和を元に戻す特別措置法を成立させていましたが、
それではまだ不十分だとして自公民が臨時国会中に
更に規制を強化する法律を制定してしまったのです。

東京では殆ど見られませんが、
大阪では“ワンコインタクシー”と呼ばれる
格安タクシーが人気で街の中を随分走っています。
大阪市内の通常のタクシーの多くは660円ですが、
そのエリアごとの事情を勘案して
「何%までは基本料金を下げても構わない」
という公定差と呼ばれる価格帯があり、
それを関係団体からなる“地域協議会”で
決めることになっています。

今迄、その幅はそれなりに柔軟に適用され、
それ故に初乗り540円や580円の運送も合法でした。
しかし、今回の自公民の規制強化により、
その幅が大幅に圧縮され数%しか認められない
懸念が業界に広まっています。

因みに“地域協議会”のメンバーは
国土交通省のOB(天下り)や
値下げ阻止に尽力する大手の経営者等からなり、
消費者の利便性を追求するために努力をし、
格安運行をしている中小企業の業者は
委員にさえ選ばれないという状態だそうです。

“公共交通”の概念を何処かへ置き去り、
一種のカルテルが形成されえていると
述べても過言ではありません。

もっとも改正法では、
今回の規制強化で生まれる価格及び価格帯には
“独占禁止法の適用を除外する”という明文規定まで
挿入されて明らかな大手業界の保護がなされています。
私はこの事に関して、いくら関係省庁から
説明を受けても納得がいきませんでした。
格安運行をするため営業努力をしている業者方々は尚更です。

以前にも申し上げていますが、
安倍内閣総理大臣も所信表明演説(一部抜粋)では、
「あらゆる分野において、フロンティアに挑む企業には、
新たな規制緩和によりチャンスを広げます。」とご発言ですので、
何故タクシー業界の規制強化するのか私には理解できません。
自民党が国民の皆様に政権公約でお約束された
「大胆な規制緩和」とはなんだったのでしょうか、
とさえ思わずにはいられません。

そこで閉会中ではありましたが、
先日国土交通省・公正取引委員会の然るべき担当者と
格安運行業者の皆さんにお集まりをいただき、
急遽ヒアリングをさせていただきました。

私が会社員時代を過ごした美理容業界等もそうですが、
一生懸命企業努力をして、価格を下げることで
お客様にサービスをしようとする方々を、
謂わば“権利の上にアグラをかいている”ような者達が
営業を妨げるような風潮(既得権益)は
並大抵のことでは崩れないものです。
しかし、だからといって、
既成政党が組んでいる業界・団体に服従しているだけでは、
日本は何も変わりませんし、益々何も産み出せません。


安全ならば安いタクシーに乗りたいという
当たり前のユーザーの立場からも、
企業努力で乗客サービスに努める格安運行業者にとっても
私は“規制緩和が有益である”と確信をしているので、
今後も法の運用方法に関して、
業界・団体・既成政党の抵抗や批判を恐れず、
国民・消費者の皆様の為の改革に邁進していく覚悟です。

※併せて、以前私がこの事
に関して掲載しております
記事もご参照頂ければ幸いです。
(平成25年10月25日・平成25年11月10日)

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【タクシー事業適正化・活性化特別措置法改正案への質問】
*平成25年 11月8日(金)国土交通委員会質問
http://uenishi-sayuri.com/pdf/h251108001.pdf
*平成25年 6月 6日(木) 総務委員会質問
http://uenishi-sayuri.com/pdf/h250606001.pdf
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また、2013年12月11日の読売新聞にて
「消えるワンコイン・タクシー…来年1月、法改正」
という記事が掲載されていましたので一部ご紹介します。

【以下抜粋】
大阪・JR京橋駅周辺の繁華街。
深夜、500円タクシーを探していた
会社員男性(47)は「タクシーは日常の足なので
低運賃がなくなるのは痛い」とこぼす。

「ワンコインタクシー協会」(大阪府八尾市、10社)の
町野勝康・代表理事は「自由競争の時代に、
お上が運賃を決めるなんておかしい。
消費者不在の悪法だ」と憤る。
協会では09年以降も、初乗り1キロ・メートル320円で
認可を得るなど、低運賃にこだわってきた。
町野代表理事は「このままではタクシーは客に見放される。
一時的には運賃を引き上げざるをえないが、
その後は何らかの法的措置を取って対抗したい」と話す。