油が高い
低温
生産者の悲鳴が聞こえてきます

1月、2月には
暖房の油代より
花の売り上げが多い生産者はいません
3月彼岸に
高品質の花を、1本でも多く切るために
歯をくいしばっての暖房です

油の使用量を減らすためには
徹底した省エネ対策が必要です
ポリなどによる2重、3重の内張りもそのひとつです

それが徹底しすぎての弊害が多くなっています
昼間まで密閉して保温され、換気が不足しています
ぎりぎりの夜の暖房温度を
昼間の保温で代替えさせようとの気持ちが強くなっているからです

$宇田明のウダウダ言います
写真1 昼間の密閉保温は多湿の害

換気不足の結果、
みかけのボリューム、外観はかわりませんが
葉が弱くなっています
植物は葉の気孔(きこう)で呼吸をしています
昼間は炭酸ガスを吸い、
酸素をだす光合成
夜は動物の呼吸と同じように酸素を吸い、
炭酸ガスを放出
これと同時に体内の水分調節、しおれを防いでいます
気孔を閉じたり、開いたりして
体内の水分を調節しています

植物が元気なら活発に気孔の開閉をくりかえします
生け花した花がしおれるのは
気孔が開きっぱなしなって
体内の水分がどんどん逃げていったためです
人間の死は心臓がとまったとき
(脳死という判定もありますが)
生け花の死は
気孔が開きっぱなしで、閉じなくなったとき

換気不足で湿度が高いハウスで育った花は
気孔の開閉能力が衰えています
その結果
寒い冬にもかかわらず
葉がしおれやすい
水がさがりやすい
冬には発生しないはずの病気が発生

$宇田明のウダウダ言います
写真2 換気不足で多湿環境で育った花は、気孔の開閉能力が衰え、葉がしおれやすい

ではどうするか?
夜の暖房不足を
昼間の高温で補うことはできません
昼間も内張りカーテンを閉めっぱなしでは
多湿の害が大きい

少なくとも
光があたりはじめる朝には換気が必要
湿度を逃がし、炭酸ガスを補給する
朝の換気による一時的な低温で
しまった花になります