最終回 永年のご愛読ありがとうございました

テーマ:
清明(せいめい)。
玄鳥至(つばめきたり)、生命(いのち)輝く季節到来。

さて本ブログは今回が最終回。
永年、長文、駄文におつきあい、ご愛読いただき、ありがとうございました。



オープニングは「地上の星」
ひとりひとりが地上の星
風の中のすばる
砂の中の銀河

エンディングは「ヘッドライト・テールライト」
ヘッドライト・・
テールライト・・・





(No.262最終回 2015.3.29)

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STS(チオ硫酸銀錯塩)の登場は衝撃的。
老化の主役エチレンの作用を抑える銀を、
切り花が吸いあげやすくしたのがSTS。
Silver Thio Sulfate complexの頭文字でSTS。

STSを吸わせたカーネーション、
すなわち銀を吸わせたカーネーション、
日持ちが2倍、3倍にのびた。
まさに夢の不老長寿薬。

画像 STSは人類が夢見た不老長寿薬
花産業はビギナーズラックで手に入れた


STSを作ったのはオランダのVeen(フェーン)
1978年に論文発表
山中教授のiPS細胞に匹敵する論文
ノーベル賞に農学賞があれば候補に挙がる発見

Veen先生は論文発表後すぐにお亡くなりになり
STSには特許がない
それで世界に急速に普及


画像 花産業に革命をもたらしたVeenのSTS論文(1978年)

STSの登場により
「前処理(まえしょり)」と「後処理(あとしょり)」の概念が生まれた
前処理とは
生産者が出荷前に、短時間処理をすると
花店、消費者は水道水につけるだけで
切り花の日持ちがのびる処理のこと
前処理のための薬剤が「前処理剤」
その代表がSTS剤

後処理とは
花店や消費者が
花びんの水に加えることで
切り花の日持ちをのばす処理のこと
後処理のための薬剤が「後処理剤」
クリザールや美咲、華の精など多くの市販品


表 前処理と後処理のちがい

STSの功績はきわめて大きいが
誤解および反省点もある

①STSですべての花の老化を抑え日持ちが劇的にのびるとの誤解
→エチレンで老化がすすむのは特定の花
→STSが効く花も限定的

②日持ちは前処理だけで、のばすことができるとの誤解
→STSの効果が衝撃的であったため、前処理を過大視
→日持ちが短いのは不適切な前処理との誤解
→日持ちが長い花を作るという農業の基本を軽視

③エチレン以外の老化促進物質がかんたんに見つかるだろうとの誤解
→わたしたちははじめて買った宝くじを当ててしまった
→ビギナーズラックで本命を引き当て、STSという手段まで手に入れてしまった
→その後30年、エチレンやSTSに匹敵する物質を見つけていない

幸運といえば幸運
日本にはそれまで体系だった日持ちをのばす技術はなかった
STSでその体系化ができた

最初につかんだ情報がSTS
はじめて買った馬券が万馬券
ビギナーズラック
お定まりのその後のはずれ馬券の山
苦悩

いまなにが必要か?
基本に戻る
生産者の使命、DNAは
水あげがよく、日持ちが長い花をつくる
つまり日常のいい花をつくる努力
永遠の課題
日々の地道な作業

切り花の寿命(日持ち)をのばすには
まず健全な身体・植物体

人ならば
バランスのとれた食事
適度な運動
適度な睡眠
ストレスのない生活

それができないからサプリ?


画像 長寿は健全な身体・植物体から

夢の不老長寿薬を求めるより
日々の健全な生活
地味な活動の積みかさね

(No.261 2015.3.22)

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花の寿命をのばすことは、
人の長寿社会実現と同じ、
ということを長々とお話しをしてきました。

①老化
②病気
③栄養
④環境
⑤事故

以上の5つを改善することで、
人も花も寿命をのばすことができます。

人の老化は一本道の一方通行
後戻りはできません
その歩みが速いか遅いか、
遠くまで歩けるか短い距離で終わるかだけです
つまり歩くスピードと距離で一生が決まる
象も鼠も犬も同じ

先日、NHKのテレビでミニミニ映像大賞を見ました
30秒の映像でテーマを表現
2014年のテーマは「時」

http://www.nhk.or.jp/minimini/


画像 2014年NHKミニミニ映像大賞グランプリ
「一生ネズミ20匹、犬5頭」

グランプリは
「一生ネズミ20匹、犬5頭」

上の画像は動画では見ていただけませんが
ネズミと犬と人とが歩きはじめる
人は赤ん坊がハイハイ、幼児で立ち上がり、少年、青年、壮年と歩き続け
老人になり腰が曲がり、杖をつく
そしてばったり倒れ、骨になる・・
それが人の一生

その間
ネズミは生まれ、歩き、倒れ、骨になる・・
そのくりかえしが20回、20匹
犬は5回、5頭
長い、短いはあるが、それぞれの一生
天寿
天寿を全うした

花も同じ
輪ギクの寿命は長く、ダリアは短い
長いものは長いなりに
短いものは短いなりに・・
それぞれが天寿を全うする

(日本人の自然観、人生観はこうでした
しかし、わたしたちが取り扱っているのは
お客さまにお金を出して買っていただく「商品」
商品にはそれに見合う価値が必要
現時点では重要な価値が「日持ち」
「短いなら短いなりに」は
もう少し成熟した社会になってからのおはなし)

以上のはなしはわかりやすいですが
実は切り花の一生は人とおなじではありません
人と花とは、特に切り花とは
その一生が根本的にちがいます

人やネズミや犬は一本道を歩き続けます
切り花はハウスや畑で育っていたときは一本道で
そのままなら人やネズミや犬とおなじ

ちがいは
切り花は植物体から切りとられて「切り花」になる
切り花は切り花として生まれたときには
「生」を終えている

「おまえはもう死んでる!」

悲しいことですが
切り花になることは生の終了宣告
ハウス、畑で育っていたときの「勢い」で生命を保てているだけ
残された時間
精一杯のパフォーマンス
だから美しい
いとおしい



画像 ケンシロウ「おまえはもう死んでる」


画像 切り花は切りとられて切り花になる
切り花は死の告知
それだからこそ精一杯のパフォーマンス

切り花は人に例えるよりも
「セミ」に似ている
土の中で7年を過ごし
時がくると
土中からはいだし
姿をセミに変え
大空に飛び立つ
セミになるということは
一生が終わること
生の終わりの一瞬の姿がセミ
7日間で最後の大仕事
7日間のための土の中の7年


画像 一生の最終章、一瞬の姿が「セミ」

土の中で栄養を貯え
大きく育った幼虫は
大きく強いセミになり
力一杯大きな声で鳴き
配偶者を呼び寄せ
子孫を残す確率が高い
セミになってからの努力?
食事では時すでに遅い


画像 一生の最後をセミとして力一杯大声で鳴き
大仕事を成しとげ、天寿を全う
セミにとって7日間は短いとはいえない

切り花もおなじ
ハウス、畑で良く育ち
栄養を貯えた切り花は寿命が長い
切り花になってからの努力?は無駄ではないが
切り花になってからの取り扱いに
過度に期待してはならない

生産に係わったことがない人がおちいる過ち
等階級が同じなら日持ちも同じ
(この前提で日持ち保証がある)
切り花は工業製品ではない
外観は同じに見えても中身は千差万別

収穫後(ポストハーベスト)より収穫前(プレハーベスト)が大事
大声で鳴くセミより、人の目にふれない土中の幼虫

日本の花産業の弱点

科学技術とおなじように細分化、専門化
花の生産、流通、販売に細分化、専門化

それぞれの分野にはにはスペシャリスト
その分野の最適技術を選択
その分野だけの正解
生産から消費まで全体を見渡し、考えるスペシャリストがいない
細切れ、分断技術
チェーンが必要
チェーンをみわたせる人材が必要
コールドチェーン
防かびチェーン
日持ち延長チェーン

(No.260 2015.3.15)

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