LXU-OT2は片電源仕様ですが、オペ・アンプの性能を最大限発揮出来る様、オペ・アンプ回路部を±15V正負電源仕様に変更、据置型とポータブル型の二機種を仕上げてみました。

尚、ポータブル型は省電力化の為、S/PDIF出力非搭載。


LXU-OT2ポータブル
☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-LXU-OT2ポータブル表面02


LXU-OT2据置(内部写真)
☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-LXU-OT1 1号機 最終版01


USBラインの+5V単一電源から正負電源を生成するのに、当初、チャージポンプ方式による負電源生成やレールスプリッタによる仮想グランド方式による正負電源生成を試してみました。

LXU-OT2の基板上に正負電源回路を配置する大前提があったので、IC一発で回路構成で構想。


チャージポンプ式は電圧降下が大きく、レールスプリッタ方式はノイズの問題があり、芳しい結果が出ませんでした。


仕方がないので、既存のDC-DCコンバータ・モジュールの採用を検討。

お試しと言うことで低価格品で探したところ、MINMAX社製DC-DCコンバータMCW03-05D15を発見。

入力電圧+5Vに対し、出力は±15V±100mAと言う仕様。


結果で言えば、このDC-DCコンバータであらゆる問題を一発で解決。


「無負荷時電圧が跳ね上がります」と注意事項がありますが、無負荷でも、オペ・アンプ回路を接続しても、実測±15.1Vと優れた安定性。

気になるスイッチング周波数は300KHzと、ワンちゃん、ニャンちゃん、コウモリさんでもスイッチング・ノイズが聴こえない高周波な周波数。


秋葉原の秋月電子で、¥650で購入出来ます。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-04266/


尚、ひとランク下のMAU109は¥370とお手頃価格。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-04135/


MAU109の出力電流が±34mAと少ないけど、LXU-OT2のオペ・アンプ回路では何とか足りるとは思います。

しかし、様々なオーディオ製作記事のホームページを拝見すると、実測による無負荷時の電圧の安定性は劣るようです。


MAU109に対してMCW03-05D15は、二次側にチョーク・コイルとコンデンサが内蔵されているので外付け部品が少なくて済みます。

価格差も外付けチョーク・コイルとコンデンサ分で相殺されるので、決して高くないと判断の上、採用しました。


+12V電源回路を削除したLXU-OT2の空きパターンを利用、実装しました。

発熱も低いので、これといった放熱処理はしていません。


DC-DCコンバータ本体を銅箔で巻き付けシールドする浮遊ノイズ処理は、DC-DCコンバータを線材で延ばしてオペ・アンプの真上に持ってきてもノイズを確認出来なかったので、放熱上やめておきました。


気になる点を強いてあげれば、「無負荷時1次側消費電流:約70mA」という点だけ。



LXU-OT2ポータブル(内部写真)
☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-LXU-OT2ポータブル内部


ポータブル型のケースはタカチGC-60BとCR-20

http://www.marutsu.co.jp/shohin_14742/

http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=EEHD-0K5L

http://www.marutsu.co.jp/shohin_14738/


据置型は月並みだけどタカチYM-100

http://www.marutsu.co.jp/shohin_4659/

http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=236K-3NL6


LXU-OT2据置(基板表面)
☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-LXU-OT2(据置)基板表面


LXU-OT2据置(基板裏面)
☆★ 桐ヶ谷工房 ★☆-LXU-OT2(据置)基板裏面


オペ・アンプの性能を最大限発揮、また、高級オーディオ用電解コンデンサとうたいながらも確実に音質を変えてしまうカップリング用電解コンデンサの削減こそが、「とっことん音にこだわった高音質ヘッドフォンアンプ」と言い切れます。