【第一章】制作の前に絶対的に必要なこと:学生が作るフリーペーパーについてのノウハウ集 | ギブリー山川雄志の日記

【第一章】制作の前に絶対的に必要なこと:学生が作るフリーペーパーについてのノウハウ集


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学生が作るフリーペーパーについてのノウハウ集
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第一章:制作の前に絶対的に必要なこと
第二章:実際の営業、制作フェーズ
第三章:メンバー集めや、チーム編成について


■第一章■制作の前に絶対的に必要なこと。

制作に入る前に、下記についてはある程度明確にしておく必要があります。

①発行目的
②ターゲット
③配布について(マーケティング)
④営業戦略
⑤収支(収支予測、コスト削減)
⑥メンバー集め(組織作りと体制)


①発行目的
フリーペーパー制作、言うなれば企業の新規事業にも近いと思います。
何のために発行するのか。そもそもの部分ですね。
発行することで、何がどう変わるのか、広告主が広告を出す前と後で何が変わるのか、読者が読む前と読む後でどう変わるのか。誰に何のメリットがあるのか。
それは、フリーペーパーでないとだめなのか。
ということを、明確にする必要があります。(案外ここが明確じゃなく、営業の際に苦戦することもあります。)

一事業として考えるのであれば、当然ながら市場、読者ターゲット層、配布/設置エリア、広告主、広告代理店への入念なマーケティングリサーチが必要でしょう。
その上で効果測定をある程度できると尚よいです。
(無形商材でなおかつ効果測定も難しい媒体なので、広告枠の値段設定が難しいのがフリーペーパーの特徴です。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Ex:
【目的】
主要都市の駅周辺の飲食店の情報をクーポンと共に載せることで、
・広告主の飲食店の集客増加
・読者の飲食店を選ぶ際の効率アップ
を図る。


市場・・・競合のリサーチ、分析、飲食店の数、一店舗の現在使っている広告費の算出とかとか

読者ターゲット層・・・安めの飲食店にさらにクーポンを使って安く行きたい層(若年層中心)の人々は、果たして当該フリーペーパーを手に取り活用するだろうか。実際に定量・定性調査をしてみよう。とか。詳細は後述。

配布/設置エリア・・・配布/設置を検討しているエリアで、果たして当該フリーペーパーを配布/設置することが可能なのか。(道路交通法とかあります。)どういったところで、配布/設置ができるのか。駅中?駅前?近くの本屋?とか。詳細は後述。

広告主・・・広告主になり得る飲食店は、果たして当該フリーペーパーに出稿するだろうか。フリーペーパー以外への広告(WEBや交通広告)との一店舗の広告費の取り合いになる訳で、自社のフリーペーパーを選んでくれるかどうか。できれば一度テストマーケティングで無料で載せてあげよう。とかとか。営業戦略の詳細は後述。

広告代理店・・・広告代理店と提携する場合、代理店は当該フリーペーパーの魅力を感じるだろうか。(売れる商材と判断してくれるだろうか)実際に提携が決まった場合、これまでの取扱媒体や、他社媒体などの情報をもらおう。とかとか。


効果測定・・・テストマーケティングを行い(例えば創刊0号として広告費は徴収せずに、本号の3分の1くらいの量で)、実際にどのくらいの読者が活用し、広告主はどのくらいの売上が上がったかの測定。とか。(お金がないと厳しいですが。)

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そして、自社にどのくらいの売上があがるのかを想定。(収支予測の想定は後述)


②ターゲット
ターゲットをどこにするか。
フリーペーパーは、明確にターゲッティングができる特長を持つ媒体です。
性別、年齢、職業、年収、エリア、嗜好など。
WEBやマスメディアでは、ある特定の場所に住む特定の職業の特定の年齢の人間に対してのみ、効率的に広告を打つことは不可能です。
フリーペーパーであれば、それが可能です。唯一無二の強みと言っていいと思います。

逆にいえば、ターゲッティングを明確にしないフリーペーパーは営業の際に売りにくいです。

「世田谷区の主婦向け」とか「女子高生向け」とか「医者向け」とか「アキバ系向け」とか、そういう明確なターゲッティングができていれば、広告主の選定もしやすく、営業戦略も立てやすく、営業もしやすいでしょう。
読者のターゲッティングをすると同時に、広告主のターゲットもおのずと決まってきます。

「世田谷区の主婦向け」・・世田谷区の飲食店や、フィットネスやらの店舗情報

「女子高生向け」・・流行りのショップ、カラオケやゲーセンとかの店舗情報、予備校や大学らの受験生向けの情報。高校生or女子というターゲットが触れるものですね。

「医者向け」・・ベンツとかロレックスとかの高級商品(平均年収高いから)。結婚相談所(忙しくて彼女できない人もいそうだから)。(ま、あくまで僕の勝手な想定ですので・・決めつけてはないです、、)

「アキバ系向け」・・フィギュアが売ってる店とか、AKB48が現れるライブ会場の情報。最新ゲームや最新OA機器の情報。

とかとか。


③配布について
「ターゲットはどこにいるのか」というところを明確にする必要があります。

「世田谷区の主婦向け」・・世田谷区

「女子高生向け」・・高校、渋谷とか池袋とか若者が集まる街

「医者向け」・・病院

「アキバ系向け」・・秋葉原

まあ、上記は当たり前ですが
「じゃあ世田谷区の主婦は世田谷区の特にどこにいるのか。三茶?下北?千歳烏山?さらにそのどこ?」「女子高ってどこ駅にあるの?駅の何口から出るの?渋谷なら特にどこ?センター街?109?」とかもっと詳細を詰めることが大事です。


以下はリーチ方法です。

フリーペーパーをターゲット読者にリーチする方法は、二つに大別されます。
・プッシュ型
・プル型

プッシュ型・・いわゆる「配布」です。駅前にホットペッパーやクーポンランドのお姉さんが、よく配ってますがアレです。発行側が読者にプッシュする訳です。
他にも、宅配という方法もありますね。いっぱい来てうぜーって思ってる人も多いでしょう。

プル型・・いわゆる「設置」です。駅にR25や住宅情報のラックがあったりしますがアレです。読者が自分の意思で取りに行くわけです。

上記でそれぞれ何が違うの、というところがポイントな訳ですが、メリット・デメリットに大別して考えると


【プッシュ型のメリット】
●多くの人に配布できる。
●みんなの前で配るということ自体がプロモーションになる。(ホットペッパーはこれです。あんな重いフリーペーパー配って誰がもらうねん、って思った人も多いと思いますが、これは既存の広告主に対して「我々配ってますよちゃんと。」と見せる、ということと、新規の広告主候補に対して「お宅もうちの載せないと、人来ないかもですから、載せましょうよ」とプロモーションする、ということと、読者に対して常日頃からホットペッパーという存在を認知させ風化させないようにすることがひとつの目的です。考えられてますねえ。)


【プッシュ型のデメリット】
●時間と労力とお金(人件費)が必要
●ターゲットではない人間の手に渡ることもある
●適当に手渡すこともあるため、読まれずに捨てられる(広告効果が下がる)こともある。


【プル型のメリット】
●確実にターゲットにリーチできる(興味ない人はわざわざとりに来ませんよね)
●時間も労力もそこまでかからない(管理を設置してくれるスペースの管理者に任せられたらなおいいですね。コストはそうするとかかりますが。)


【プル型のデメリット】
●たくさんの数をはけることができない


上記のようなことが考えられます。(細かく言うともっとありますが、割愛。)
プッシュ型、プル型の両方をうまく使い、何部を配布で何部を設置するのか、というところを考えるのがマーケティング戦略ですよね。
もちろん、土日と平日という中でいつがいいのか、配布の時間がいつがいいのか(「世田谷区の主婦なら、平日昼間」「女子高生なら平日の下校時間に高校や最寄駅前で、土日の夕方に渋谷池袋で」)ということの検討も必要ですし、
天気によってもはける率は変わります。そういう意味でいうと、面倒な性質ですね。


ちなみに、ターゲットがフリーペーパー等広告に触れる場所のことを
電通ではコンタクトポイント(商標登録済)
博報堂ではタッチポイント
ADKでは体験接点
と呼ぶようです。ニッチメディアが登場して間もない頃に、各社一斉にこのニッチメディアのスタンダードを築こうとしたんでしょうね。


④営業戦略について

書いてて相当疲れてきました。

営業戦略についてですが、これは一般的な営業と同じです。
新規顧客と既存顧客に分けられますが、今回は新しく作る場合ということで
新規顧客の開拓についてのみ、触れたいと思います。

※しかし、この場合“学生が”新たに媒体を作る際に必要な営業戦略という観点を中心に書きます。
引き合いとして、企業が営業をする場合も少し触れます。
というのも、一企業が営業をするのと、学生が営業するのでは全く訳が違うからです。

まず、企業が学生のフリーペーパーに広告出稿をする理由は何か。という最も根本のところですが、

1.単純に広告を出稿したいから(広告メリット)
2.学生の人材が欲しいから(採用メリット)
3.応援したいから(協賛・社会貢献)


上記の3点が挙げられます。特殊なのは3です。
企業が制作する場合は、1と2以外の売りはないです。というかほとんど1の広告メリットとしか考えていません。当たり前ですが。

ではここで、あなたの媒体は何が売りなのでしょうか。

ビジネスではDCCM戦略と言われる、事業において最も必要な要素といわれる4要素が存在します。

・「差別性=Differentiatiing」

・「優位性=Competitive」

・「説得性=Convincing」

・「市場性=Marketability」


●差別性とは、読んで字のごとく「他と何が違うのか」というところです。
例えば
・うちは他のフリーペーパーと違って、紙質がすごいいいです!とか
・うちは他のフリーペーパーと違って、毎回ガムや飴などのサンプリングを無料でやります!とか
・うちは他のフリーペーパーと違って、大学1年生のみに配布しています!とか
そういうものです。


●優位性とは、差別性とは違うもので「量や数として表れてくる他社よりも優位なところ」です。
例えば
・うちは他のフリーペーパーが1~3万部なのに対し、10万部出してます!とか
・うちは他のフリーペーパーが多くて50大学での配布なのに対し、全国1,000の大学で配布しています!とか
・うちは他のフリーペーパーが季刊号なのに対し、毎月出してます!とか
そういうものです。


●説得性とは、例えばブランドやマーケティングの方法などに表れてくるものです。
例えば
・全国の大学生のうちの半分が知っている学生団体が新たに発行する媒体!とか
・あの超有名フリーペーパー「●●」の編集長がバックにいる!とか
・今、旬な芸能人を表紙にします!とか
そういうものです。


●市場性とは、そもそも論ではありますが「ニーズがあるのか」ということです。
大体のビジネスの場合、顧客は2パターンあると言われていますが、フリーペーパーであればもちろん
「広告主」と「読者」ですよね。
そもそも学生のフリーペーパーに広告を出稿したい企業っているの?この不況の時代に?採用もしないようになってるんじゃ?
学生っていうところだけに特化して広告をうちたい企業ってそんなあるの?てかそもそも、いくらくらいの市場なの?
というところや・・・
そもそも学生が作るフリーペーパーって、読みたい学生っているの?いつ読むの?手に取ってくれるのかな?
というところなど。

そもそも、ニーズがなければ、ビジネスにはなりえません。
あなたが作ろうとしている媒体において、上記の中で「ここ足りないな」というところがあれば
修正することで、広告は取りやすくなるでしょう。(なかなか難しいですがね・・・)
上記の4点がないと、“ビジネスとしては”成功するのは難しいと言えるかもしれません。


ここまでが、1.単純に広告を出稿したいから(広告メリット)という部分です。

ただ

冒頭の通り、学生がフリーペーパーを作る場合は、少し訳が違います。


2.学生の人材が欲しいから(採用メリット)
こちらに触れてみます。


こちらは、フリーペーパーの広告に「求人広告」を載せるというものとは意味が違います。
求人広告に関しては、普通の広告と同じですのでこちらに関しては
1.単純に広告を出稿したいから(広告メリット)
というところの考え方と同じになります。

では、2.学生の人材が欲しいから(採用メリット)
これは一体どういうことか。

それば、「作っているあなた方と、あなた方周辺の人間の採用に興味がある」ということです。
例えば、広告出稿のみだけではなく

・セミナーを併せて開いてあげる

・色々な学生を紹介する

等の合わせ売りが可能な部分でもありますね。

「大学生の採用」という点に興味のある企業には、広告では通用しない時代だと個人的に思っています。
(大手の求人広告ですら、値下げしても売れない時代ですから)

そもそも、フリーペーパーに求人広告を載せて
何人がフリーペーパーを手に取り、
何人がフリーペーパーを読み、
何人がその広告を見て、
何人がその広告をよく見て、
何人がその広告に興味を持って、
何人が企業説明会とかに行こうと思い、
何人が実際企業説明会に行き、
何人がエントリーシートを出し、
何人が面接フェーズに入り、
何人が面接を通過し、
何人が内定を取り、
何人が実際に入社し、
そして、何人が長期的に会社いてくれるか
ということを考えると・・・ちょっと厳しいですよね。

学生が営業をすると、人事に通されることも多くあります。
そういう場合、求人広告を売るのはなかなか厳しいでしょう。
ですので、セミナー開催などを合わせて売ると少し効果があがるかもしれないです。
ひとつの“クロスメディア戦略”とも言えるかもしれません。

こういう状況になったとき、セミナーやイベント運営に強い学生団体と協力して営業したり
そういう横のつながりを活用した営業戦略も大事かもしれないですね。


では、最後の
3.応援したいから(協賛・社会貢献)
これに触れます。


実は、これが結構大事だったりします。企業ではありえない売り方ですので、
おそらくこういう部分のマニュアルなんて、今までなかったのではないでしょうか。

例えば、あなたがあなたの母校の高校の後輩からこう言われたとします。
「先輩、すみません。受験の際に大学の選び方が分かりません、お忙しいと思うんですが
ちょっとだけ時間をもらえませんか。是非相談にのって頂きたいんです。」
こんな風に頼まれたら、時間作ってあげようと思ったりしませんか?
そんで、喫茶店やらに行くんだったらおごってあげたりしませんか?

これと似てます。何か知らないけど後輩や年下の若い奴が、頑張って何かやってるなら
応援してやろうか、って思ってる人がいれば“広告出稿”というより“協賛”という形で
広告を出してくれることもあるかもしれません。


ただし、これは狙ってとれるものではなく、
本質的にあなたに魅力がないと、出してもらえません。無駄なお金はないですから。

いわゆるこの協賛営業ですが、大事なものは何か、それは
「やりたいっす!」っていう気持ちが“リアルかどうか”これに限ります。
しかも、ただ「なんかやりてー」っていうレベルではなく
「これやらなかったら俺の人生意味ないっす!」くらいのレベルでないと厳しいでしょう。

あなたがそう思えないのなら、この営業は避けるべきです。企業側にも失礼になりますから。

そのくらい本気か、ということを自分に何度も問いかけてください。

媒体のデザインに自信がある、マーケティングに自信がある
ということではなく

「自分という人間が、フリーペーパーを制作し発行することに、ものすごい社会的意義がある」

という部分に強い自信がないと厳しいでしょう。


一般的な企業にもある話ですが、営業って結構属人的です。
つまり、「この人だからだそう」って思わせられるかが勝負になります。
まあ、前提として想いが大事なのは言うまでもないですね。

後は伝え方です。これは第二章で。


さてさて、前提となる3点を確認したところで
「実際の営業方法」について触れてみます。
営業とは、下記の流れになっています。


●フェーズ1
1.営業先リスト選定
   ↓
2.営業先リストアップ
   ↓
3.アプローチ(テレアポや飛び込み、コネ周りなど)
   ↓
●フェーズ2(※第二章にて触れます。)
4.ヒアリング
   ↓
5.プレゼンテーション
   ↓
6.クロージング

7.特別編(営業資料の作り方)(※第二章にて触れます。)


最も、クロージング完了後の広告制作(記事広告であれば企画の実行)、
印刷会社とのやりとりや、できた広告の校正、チェック、入稿
まで流れがあることを忘れずに。こちらに関しては後述の第二章で触れます。

では、フェーズ1から(書いててかなり疲れてきたよ笑)
フェーズ1は、実際に営業に行く前の部分です。


1.営業先リスト選定 及び、2.営業先リストアップ

まず、こちらはDCCMの市場性という部分にもつながりますが
「どんな企業にニーズがあるのか」を考え、広告主になり得る企業の選定になります。

学生向けのフリーペーパーの場合

・学生向けに商品/サービスを作っている企業
(ダブルスクール、自動車免許、就職活動やインターンの情報配信企業、留学・旅行、カラオケや映画館などのエンタメ系、文房具などなど)
※ワンポイントアドバイスとして、一度生協に行ってみるといいと思います。
生協にある商品は少なくとも学生にニーズがあるから売っているので。
ある意味、人がマーケティングリサーチしたものをまるまる頂ける貴重なデータでもあるわけです。


・ちょうど学生や若者向けにプロモーションをしたいと考えている企業
(これは時期によって色々あります。ニュースをチェックしたり情報を収集するために高いアンテナをはっておきましょう。)
(広告とセットで、サンプリングなんてのもアリですよね。)

・学生を採用したい企業(求人広告および、採用をしたいと思っている企業)
(アルバイト、インターン、派遣、新卒など色々ありますね。)
先程の通り、セミナーの合わせ売りとかもアリでしょう。


・配布する場所付近のお店

そして、協賛営業に関しては
「これまで、他の学生フリーペーパーや学生イベントに協賛したことがある企業」
をリサーチすることが大事です。
一体その企業が何故に、他の学生にお金を出したのかは分かりませんが
少なくとも出したことがある、という実績はあるわけです。


上記のような方法により、ターゲットを選定し、ひとつひとつニーズや条件により分けてリストアップをします。

続いて


3.アプローチ(テレアポや飛び込み、コネ周りなど)

実際にアプローチをする部分に入ります。
営業には色々な方法があります。
・テレアポ
・ダイレクトメール
・飛び込み
・コネ周り
などがありますが、手法は何だっていいわけです。
目的は「アポを取ること」です。

よくスタンダードに、テレアポばっかり頑張る人もいますが
学生の場合、もっと色々クリエイティブに考えてアプローチしてもいいんじゃないかと思います。
営業はクリエイティブです。

テレアポの手法として、よくテレアポマニュアルみたいな本が売っていますが、
学生がそんな企業の人と同じようなテレアポしてもしゃあないんじゃないかなあ、とも思ってます。

学生というのは特権なので、その特権を活用するべきだと思います。

例えば、
「大学のサークルで、企業研究をしていまして、
ぜひ一度広報の方にお会いしてインタビューをしたいのですが」
なんていう切り口でもいいでしょう。
要は会えればいいわけですから、なんでもいいと思います。

逆にストレートに

「我々フリーペーパーを作ろうとしていまして、メンバー20人で協議をした結果、
是非御社にご協賛をして頂きたく、5分でいいのでお時間をもらえないかと思い
お電話致しました。なんとかお会いできないですか、なんとかお願いします」
なんて感じのお願いでもいいと思います。


社会人にはできないテレアポを、学生はできるわけです。
どうやったら会ってくれるだろうか、どんな学生なら相手は会いたいだろうか、
とか色々想定するとRPGみたいで楽しくないですか?
この辺がクリエイティブでもありますよね。


「いつもお世話になっております。●●大学●年の■■と申します。
実は、この度私どもの団体で、フリーペーパーを制作することになりまして、
是非一度御社に広告出稿のご提案をさせて頂けないかと思い、お電話致しました。」

とか、そればっかじゃつまらないと思います。楽しく行きましょう。相手も人です。


ただし、いきなり
「私どもは最近の学生の生活にこうこうこういった問題意識がありまして、
そういうのってすごいよくないと思うんです。学生はもっともっとこうあるべきで、
我々はそういう人たちを、●●と例えていまして、実際にこういうフリーペーパーがあれば
●●になるんじゃないかと思っています、しかし・・・」
とか急に長々しゃべりはじめる人もいるんですが、
こういうことはないようにしましょう。

テレアポのポイントとしては、

・何のために電話しているのかを明確に

・できるだけ手短に用件を話す

ということなどに気をつけましょう。目的はアポを取ることです。
ここで、クロージングするのは愚の骨頂!
もっと細かいところはありますが、
こういうごく一般的な「テレアポの基本」は本とかWEBでも色々あるので、そちらをご覧ください。
(すみません、、適当で。。)


ダイレクトメールは、コストもかかりますのであんまり学生ではやらないですね。
なので割愛。

飛び込みですが、こちらは結構やってみる価値はあります。
いきなり朝っぱらから、突然学生がアポなしでやってきた、
なんて、営業される側も楽しいかもしれません。あくまで“かも”です。

続いてコネ周りですが、これは結構重要です。
コネなんてないわーということもあると思いますが、
いろんな学生向けイベントに行ってみて、名刺交換をしまくっておくと
いざ、営業をするときにものすごい役立ちます。
例え、名刺交換をした人が広告を出稿してくれることはないにしても、
その人が誰かを紹介してくれるかもしれません。
大学では、OBOGが集まる場所もありますし、
学外では、企業が集まる様々なイベントがあります。
学生団体が主催しているものだけではなく、一般的な社会人向けセミナーに潜入するのも
それはそれで「へ~君学生なんだ!」ってなります。

学生という立場は特権です。行けるところは全部行ってもいいくらいでしょう。
(怪しい会社があることもあるので、その辺は注意。)
安全な会社かどうかを知りたいときは、そういう企業のことを色々しっている
他のサークルや学生団体の、営業担当の人に聞いてみるのがいいと思います。

ちなみに、社会人が言う悪い企業と、学生が言う悪い企業は全く違うので、
こういう場合は、他の学生に聞いて回る方が、リアルな情報が届くことが多いです。
社会人からの評価は悪くはないですが、実際に裏では
学生をモノのように扱い、あげくに金まで巻き上げる、なんてことをしているなんて
わるーい会社もありますから。

なので、大事なのは情報ですね。
ネットやらで、情報収集は簡単にできます。
ただ、情報を収集することだけではなく、その情報の信憑性を分析できる
情報分析能力が大事だと思います。
情報収集能力がないのは論外です。


そして、一度行った営業先、また一度出稿してくれたクライアントには、
誠心誠意の対応をすること、これができない学生が結構、いや、やたら多い。

お金出してくれたら、はいオッケー、あざーした!
みたいなノリの学生が最近多いので、企業もお金を出しにくいところがあります。

当たり前ですが、納品が終わってもお礼のあいさつに行くとか、
先方には逐一進捗を報告するとか、
先方からの連絡は絶対すぐ返すとか、
当たり前のことを当たり前にやれないと、信用は落ちるばかり。

こういうことは、学生は苦手です。電話しても折り返さない、
メール返すのは2日後とかが当たり前、
そういうのはNGですね。
当たり前なのに、こういうことができる学生は“優秀だ”と言われることが多いですね。


さて、話はそれましたがつまり、
リアルなネットワークこそ、実は一番大事だったりするということ。
自分の媒体づくりだけではなく、いろんなところに出向くことは大事です。
営業が、プロモーションにもなりますから。

さて、営業に関して続いては、実際の営業に入るわけですが、
ここは第二章で触れます。


⑤収支


さて、続いて収支についてです。
当たり前ですが、初めて媒体を出すときには実績がなく、DCCMの説得性がないことが多いです。
では、そういう場合どうするか。


1.協賛営業をする

2.テストマーケティング&創刊0号を自腹を切って発刊して、説得性をつける。


大きく2点があります。


1はそのままです。先程の④の協賛営業についてを読んでください。
2についてですが、これは自腹を切ってでもやりたい、という想いが伝わりますし、
効果はあがると思います。企業では基本的な戦法ですね。
お金に余裕のある方、もしくは本気でって方はバイトなりでお金ためてやってみてもいいのでは。


続いて収支予測ですが、簡単にいえば
売上とコストがどのくらいになるかを予測するということです。

学生がやる場合、大抵人件費はかからないと思いますので、
原価と、デザインや配布など少し他の学生にバイト的にお願いするときのお金(全部自分たちでやればいらない)、
営業のときの交通費くらいがかかることになるでしょう。

原価でいえば、紙代・印刷費のみです。

印刷会社って実は世の中にものすごいたくさんあって、料金も様々です。
この辺は、事情によりちょっと割愛します。ごめんなさい。


コストがどのくらいなのか、それぞれを計算し、
次回の媒体発行にすこしプールできるように、ちょっと多めに広告料金の設定をする方がいいと思います。


売上に関してですが、これは広告料金の設定により変動してきます。
たまに、それはないっしょ!くらいの高額な設定をしている学生がいますが、
売れずに結局値引きするくらいなら、最初から適正な値段に設定すべきです。

じゃあ、どうやって設定するの、というところですが

これは大変難しいところですね。

もし、あなたが利益をそこまで出さなくていいのであれば、
コスト+コストの0~0.3倍くらいの利幅で設定するのが良いと思います。

30万コストがかかるのであれば、総額39万円ですね。


純広告で言うと、用語として広告枠のことを
表2、表3、表4、目次対向、中1、中1/2なんて言い方をします。


表1というのが表紙で、
表2は表紙の裏
表3は裏表紙の裏
表4は裏表紙

のことです。

目次対向は、目次のページの反対側のページ
中1は、中のページの1ページ分
中1/2は、中のページの1/2ページ分

という感じです。


大体の料金の相場として、
表4>表2>表3>目次対向>中1・・・という感じで料金が高いです。


表4と表2が同じこともありますが、

裏表紙は常に目に入るので、表4が若干高いことの方が多いです。


表4:15万
表2:13万
表3:10万
目次対向:8万
中1:6万
中1/2:3万


といったイメージです。あくまでイメージです。

できれば、なぜ、表4が15万に対し中1が6万なのか、
っていう相関関係をロジックを通して説明できるのがベストです。

例えば、うちのフリーぺーパーはものすごい人気があるので、
手にとった人の多くが中を読みます。
なので、表4に対して、中1がそこまで比率として安くないんです。

とか。


しかし、そのロジックが本当かどうかは、
リサーチによりしか証明できません。

読者300人にリサーチしたところ、
手にとったら、中も見るという人が9割でした。
なんていうことをリサーチすることも重要です。

読者及びターゲットへの事前リサーチは結構営業の際に効果的になるのですが、
(というかかなり重要なのですが)
詳細は第二章で触れます。


大体の料金設定が決まったら、次は「どんくらい売れるのか」ということ。
事実、広告を企業が出しにくくなっている現在で、
また、協賛営業になればかなーり、想定は難しいところですが、

まずは、ミニマムとマックスの設定。

ミニマムはイコール、コストと同じ額
マックスはイコール、すべての枠が売れた場合

ですので、ミニマムとマックスの平均のミドル値をラインとして考えましょう。
さっきの例だと、34.5万円ですね。

そして、売り方としては表4や表2など、
売りにくいけど、でっかいところをどーんと売って楽になるのもアリだし、
中1/2など、売りやすいところをちょこちょこ確実に売るのもアリです。


まあ、ここはお任せですね。リーダーの営業戦略によります。
営業のチームで、ふたつのパターンにチームを分けるのも戦略の一つになりますね。
協賛営業を中心に回るのであれば、前者がオススメかもです。


そして、次に大事なのはキャッシュフロー。
企業は一般的に、納品後の月末締めの翌月末払いだとか、
月末締めの翌月10日払いだとか、月末締めの翌々月末払いだとか、
色々あります。
しかし、印刷会社への入金はそれより前だったりしますので、
キャッシュフロー的に回らなくなることがあります。
(企業でいう、今話題の黒字倒産みたいな状況です。)


融通を聞いてくれる企業の場合、必要な時期に支払ってくれとお願いして
OKしてくれる場合もありますが、大きな会社になればなるほど難しいでしょう。
例え、創刊であるとしても、ある程度のキャッシュを持っていた方が賢明です。

そんなキャッシュフローを含めたとても簡単なP/Lを作ってみましょう。
B/Sは、まあ無くてもよいかと。販管費はほとんどないですから。

P/LやB/Sとかの詳細はネットで調べるか、本読むか、お父さんに聞いてください笑


収支を考える際、最悪のことを考えるのが基本です。
売上0だったらどうするのか。
お金を人からもらって作るわけですから、こういうことを想定するのは当たり前ですね。

営業開始して、総額30万必要だ。なんとかA社に表4枠15万を買ってもらえた。
が、その後売れなくなって、結局作るの辞めた。
なんて、絶対にナシです。


最悪自腹を切るなど、そこまで考えるべきですね。リーダーは特に。
そこまでしてできないわーというのであれば、メディアは作らない方がいいと思います。


さあ!第一章最後になりますが
⑥メンバー集め(組織作りと体制)
に入ります。

疲れた。。第二章書けるのか・・・俺。。。


メンバー集めですが、これは学生の団体やサークルが作る上でめちゃくちゃ肝になります。
大抵の団体、サークルがこのメンバーを集めたり、メンバーをモチベートしたり、
引き継ぎができずに消滅します。



てか、考えたらこれはすごい大事なので、別途書くことにします。
第二章までにしようかと思いましたが、別途第三章を作ることにしますわ。
ごめんなさい。


では、第一章はここまで~ありがとうございました。


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平成20年11月14日(金)AM3時46分

有限会社ミレニアム 代表取締役社長
山川雄志

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・上記に関する質問、快くご回答します!
・会いに来て頂ければ、いつでも時間作ります!
・第二章の完成は、11月末日を想定。
・予告なく編集することもあります。
・セミナーとか、快く引き受けます!知り合いのプロも連れていけます!
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あとがき。
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まじ疲れた。12957字て。