前回 は、履歴書の書き方について述べてみました。
今回は、面接の挑み方について、考えてみましょう!
面接。
そこでは、ものの数分間で、自分という人間が品定めされます。
会社に入社できるのは、その中のほんの一握りの選ばれし者だけ・・・・。
数分間でどれだけ自分を良く見せるか、というところに、心を砕く方がほとんどでしょう。
しかし、心理学な観点から見ると、それは必ずしも正しいとは言えません。
人間、出来もしないことを出来るフリをするというのは、後ろめたいものです。
それなのに、良くみせようと思うがあまり、緊張して実力を発揮できないことも多いからです。
そこで、就職面接に挑むときに心に留めておいて欲しいのは、
「ありのままの自分を受け入れてもらう努力をすること。」
この一言につきます。
ただ、努力もせず、「ありのままの自分を認めて」というのは、傲慢というもの。
それでは、企業側にとって、要らないものの押し売りにほかなりません。
ですから、こちら側からの歩み寄りの姿勢は不可欠です。
ただ、ここで勘違いしないで頂きたいのは、こちらから歩み寄るのと、相手側に都合よく良く見せようとするのは、まったく別のものということ。
例を挙げてもう少し分かりやすくいいますと、こういうことです。
ショールームの受付の仕事に応募した2人、AさんとBさんがいます。
Aさん、Bさんともに受付の仕事が、実ははじめてです。
どちらも内向的で人づきあいが苦手なタイプです。
AさんBさんの受付嬢に対する共通イメージは、「明るく朗らかで人好きのするタイプ」
Aさんは、面接官に気に入られたいと思うがあまり、リアルな自分とは違う自分で面接に挑みました。
Aさんは面接官にこうアピールしました。
「わたしは、人と接することが大好きです。
明るく朗らかで、誰とでもすぐに打ち解けることができます。
受付の仕事に向いているのではないかと思い、応募に至りました」
でも、実際のAさんは内向的で、人間関係がニガテ・・・・・・。
次に同じタイプのBさんは、素のままの自分で、面接官に受け入れてもらえるよう訴えました。
「わたしは、実は人と接することがあまり得意ではありません。
そのせいか、どちらかというと裏方の仕事ばかりをしてきて、受付の仕事もはじめてです。
そんな中、この仕事に応募しようと思ったきっかけは、自分らしさが業務に活かせるのではないかと考えたからです。
というのも、自分自身が、人の言葉に一喜一憂するようなところがあります。
だからこそ、受付にいらしたお客様には、失礼なことがないよう、そして気持ちのよい対応ができいるよう、細心の心配りができるのではないか、と考えました。」
さあ、Aさん、Bさん、どちらが採用になると思いますか?
面接官はきっと、最初のAさんには、違和感を感じるはずです。
Aさんは実際の自分とは違う自分を演出していますから。
となると、面接官は、「Aさんの言うことは、ちょっと信用できないな」と・・・。
Bさんはどうでしょうか。
実は人づきあいが苦手な自分をさらけ出しつつ、相手に受け入れてもらう努力を示したBさん。
二者択一であれば、軍配はBさんに上がると思いませんか。
面接官が受けたBさんの印象とBさんの話が一致していますし、仕事を成功させる意気込みも感じられますよね。
自分が考える短所、誰にでもあります。
短所をつつみ隠さず、さらけ出せることができたら、それは長所に代わります。
「私ってすごく自己中でわがままなの」
と言われても、実害がなければその自己チューさんから逃げる人はいませんよね。
むしろ、短所も隠さないオープンな人なのだな、と、人づきあいにおいては、プラスにとられるんです。
自分がいくら「犬」タイプであるといっても、相手から見て「猫」タイプに見えたら、交渉不成立です。
ですから、仕事上、犬に見えたほうが得だと思っても、猫である自分を隠してはいけません。
時には、自分は犬だと信じ込んでいても、周囲には猫だと思われている人もいます。
その場合、いや、自分は犬なのに、、、と、そこにこだわるのではなく、猫である自分の一面を受け入れることが肝要です。
誰から見ても自己一致していること。
自分は犬だと思うし、他の人から見ても犬である。
それがベストです。
ただ、他の人から見て猫な自分、自分も猫だと思うけど、自他ともに認める犬を目指すのはアリです(笑)。
でも・・・・、
理想はそうかもしれないけれど・・・・・。
ダメな自分のまま、受け入れてくれる企業なんてあるわけない。
そんな風に考える人もいます。
あれもできないし、これもできない。
それも持ってないし、どれも自分には足りない・・・・・。
そういう劣等感の元はなんでしょうか。
大半が自分自身の勝手な「思い込み」です。
だって、そうじゃないですか?
すごく自分は出来る!!なんでも任せて!といっている人に限って、口先ばかりで何もできなかったり・・・・。
わたしなんて何もできませんから!!と謙遜する人に限って、オールマイティだったり。
そう、劣等感など、ごく個人的な主観、偏った見方に過ぎないのです。
言うまでもなく、就活において妙なコンプレックスは圧倒的に損です。
あれもできません、これもダメです、それでもよかったら・・・・、なんて人は企業も採用したくないですから。
採用する側の身にたって考えればわかることです。
何にもできない自分ですけど、雇って欲しいと懇願されても、就活は慈善事業ではありませんから、先方も困ってしまうのです。
採用者の目線で考えると、入社してできなかった時の責任をさっそく押し付けられているような気すらしませんか。
こういうタイプの方は女性に多いです。
どうして特に女性に多いのかと言いますと、やはり日本の悪しき道徳教育のたまものではないかと私は考えます。
謙遜を美徳とし、男性より前に出ることを嫌う風潮の中で育てられた女性たち。
女の子なんだから、勉強なんかできなくていい。
女性なんだから男性より前に出てはいけない。
女なんだから黙ってろ。
そういう男尊女卑的な考え方を、全面的に否定する気は毛頭ありません。
(私自身、そういう親の元に育てられた失敗作です)
だけど!、やっぱり損なんですよ。
就活において、自分を実際より低く見せるクセが残っていたりすると。
昭和の時代なら、オレについて来い!という亭主関白男に見初められて、めでたしめでたしに終わるのかもしれませんが、終身雇用制度はとっくに崩壊し、女性も当たり前に仕事を持つ世の中ですから。
じゃあ、どうすればいいか。
先にも述べたように、自分の短所を隠さないこと。
自信がないことを必要以上に強調しないこと。
「やってみますが、できないかもしれません」
「やらせて欲しいけど失敗するかも」
では、誰もあなたに大事な仕事は任せられません。
「(できないかもしれませんが)やってみます!」
「(失敗するかもしれないけれど)やらせてください!」
こちらなら、まあ、やる気はあるみたいだし、頑張るみたいだから、失敗したときには、多少、お尻をぬぐってやってもいいかな、と上司も思いますよね。
こういう風に言えるためにも、応募する仕事は、なんでもいいじゃなくて、「やりたい仕事」、「やりがいのある仕事」であることも大切です。
それでも自信がない、、、という人は、友だちでも誰でもいいから、今の不安を聞いてもらいましょう。
頭の中が整理がつき、前に一歩踏み出す勇気が得られるはず
次は最終回、仕事の選び方について書きたいと思います。
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