今回の御相談者は30代の既婚女性Aさん。
結婚して4年経ちますが、夫との関係に疑問を感じているということでした。
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「夫とは職場で知り合い、恋愛結婚しました。
付き合っていた頃は、ふつうにデートしたりドライブしたりして
楽しく過ごしていました。
結婚して半年くらい経つと、休日はごろごろ寝てばかり。
出かけようといっても文句や言い訳ばかりで、布団から出てきません。
共働きですが、家事の分担はすべて私ということもあり、精神的に疲れてきました。
そんな中、職場の同僚の男性に、メールで相談に乗ってもらうようになりました。
メールでやりとりしたり、たまにランチを一緒にするくらいの仲でしたが、夫がそれを知って激怒。
離婚すると騒ぎ立て、義両親や私の実家の両親を呼びつけ、みんなの前で私をなじりました。
同僚と何か関係があったわけでもありませんが、私も気が緩んでいたところがあったかもしれないと、その時は泣いて詫びました。
まだ結婚半年ということもあり、両親の仲裁もあり、とりあえず離婚は免れました。
問題はここからです。
その後も夫には謝ったのですが、半年以上も「お前とは離婚だ!」と、何かにつけて、その時のことを夫は蒸し返、わたしをし罵倒し続けました。
わたしが悪かったということもあり、それだけは許して欲しいと謝り続けましたが、もう自分の精神も限界に近づいていたので、離婚に応じることにしたのです。
わたしとしては、悩みに悩んで出した結論でした。
もう夫を自由にしてあげよう、と。
その決意を夫に伝えたところ、どうでしょうか。
「これからやり直そう」と、180度、今までと違うことを言い始めたのです。
夫いわく、お前を愛しているから、同僚とのやりとりがどうしても許せなかった。
でも、オレにはおまえしかいない。
愛するがゆえの嫉妬だったのだから、別れるなんて言わないで欲しい、と。
わたしも夫のその言葉によって離婚を撤回し、それから1年以上が過ぎます。
しかし、愛しているとか、お前しかいないというわりには、二人でどこかに出かけようとはしませんし、
共働きなのに家事の100%、わたしの分担です。
そのことについて文句を言うと、その場限りでしぶしぶ手伝いはしますが、続きません。
仕事帰りにギャンブルをして帰ってくることも日常茶飯事で、夫婦の会話もありません。
この夫との将来に夢が抱けなくなりつつあるのですが、夫がこうなってしまったのはわたしのせいだとも思うと、踏ん切りがつかないのです。
ギャンブルは目をつぶっていますが、気持ちがとても冷めている自分がいます。
夫をこんな男にしたのは自分なので、自分の身勝手とは思いますが、わたしはどうしたらよいでしょうか。」
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Aさんが夫と別れられない理由のひとつに、
「自分を愛してくれているから、あんなに怒るんだ」とか、
「自分がいたらないから、優しかった夫を怒らせてしまったのだ」
「自分さえ良い妻になれれば、きっとまたやり直せる」
そんな考えが見え隠れしているようです。
これを心理学的には「共依存」といいます。
Aさんはダメ男である夫に「お前だけだ」と、
依存されていることに、自分の存在意義を見出してしまうのでしょう。
「こんなに愛してくれるのはこの人だけ」
「この人はわたしがいないとダメ」って。
DV(この場合は精神的なDVですが)を繰り返す男性というのは、
そういうパートナーを見つけるのがとても上手です。
共依存してくれそうな相手を見つけては、
自分に都合のよいよう、心理的に操作してきます。
身の周りの世話をやいてくれる女性がいれば、そりゃあ楽ですからね。
こういう男性は基本、ダメ男ですから。
子どもも欲しがります。
妻が逃げられないようにするために、です。
子どもの世話をする気はさらさらなくても。
だいたい、妻の職場の同僚とのメールのやりとりくらいで
実家を呼びつけて大げさに怒ったり、
離婚だ離婚だとを騒ぎたてる時点で、何かおかしいと思いませんか。
結婚早々、自分のダメ夫ぶりを棚に上げ、妻の弱みを握りにかかったのかも。
もっと歪んだ見方をするなら、メールのやりとりだって、心理的に妻を孤立させて、わざとそうなるよう夫が仕向けたワナかもしれないとすら思えてしまいます。
結婚するまでは、デートもすれば、彼女を労うふつうの男性を演じ、
結婚したとたんに本性を現し、
妻の弱みを握り、心理的に上下関係をきっちり作った上で、
夫婦間の優位に立ちたかったに違いありません。
(妻として態度の悪いお前が、オレからすべてのやる気を奪った。
すべてはお前のせいだ。お前が圧倒的に悪いのだから、言いなりになるしかないのだ)と。
Aさんが離婚を切り出したとたん、言い分がコロっと変わってしまうのも、子どもを強く欲しがるのも、おそらくそういう理由です。
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Aさんはこう言いました。
「自分が悪いとばかり思っていました。
自分が至らないから、夫が変わってしまったのだ、と。
だから、わたしがきちんとしていれば、きっと付き合っていた頃の夫に戻ってくれると信じていました。
でも違ったのですね。
離婚を騒いだのも、自分が自分がしたいこと意外、
何もしない、家事も手伝わない言い訳にしたかっただけ・・・。
そう考えると怖いほど合点がいきます。
頭では、私ががんばればきっと・・・・、という思いがありましたが、
結婚以来、ずっとわたしの心は悲鳴をあげていました。
4年間、ずっと家政婦のような扱いをされてきて、
子どもが欲しいとも思えなくなってしまっていましたから。」
Aさんが夫の思惑に気づいた以上、
別れるにしても、やり直すにしても、Aさんと夫との関係は変わるはずです。
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