TED 「インターネットが (いつの日か) 政治を変える」 | クラスタ民主主義システム研究室

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クレイ・シャーキー「インターネットが (いつの日か) 政治を変える」

TEDの中でインターネットを利用した新しい民主主義の可能性について語られていました。




以下、転載
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オープンソースの世界では、ホスティングサービスのGitHubを活用し、時に対立する新しいアイデアの洪水に対処する方法を学んでいます。政府にはなぜそうできないのでしょう? この心躍る講演でクレイ・シャーキーは、透明性だけでなく、あらゆる市民の知恵を生かせるようにするため、民主主義がインターネットから学べる教訓について語っています。
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民主主義の基盤は対話と議論です。これまで世界中で行われてきた大衆による議論や対話は、泡のように消えてしまい蓄積されたり検討されたりすることはありませんでした。技術的に多くの人々が同時に議論することは無理でしたから、民主主義は間接民主主義へと傾斜し、代議員制度が民主主義の中心となっているわけです。

代議員制度による民主主義の行き詰りをインターネットを活用して打開するために、クレイ・シャーキーは、LINUXを共同で管理・進化させていくために開発された「git」システムを民主主義に使うことを提案しています。

これは、みんなが参加して憲法や法律を改正してしまおう…という試みです。

Git(ギット)はプログラムなどのソースコード管理を行う分散型バージョン管理システム。動作速度に重点が置かれています。Linuxカーネルのソースコード管理を目的として、リーナス・トーバルズによって開発されました。

Linuxのようにコラボレーション(共同作業)で新しいアイデアと叡智が創られていくわけです。次のようなサイトも日本国内に出来ていますから、これから加速度的に普及していくことでしょう。

サルでもわかるGit入門

みんなが同時進行でプログラムや文章を加筆修正していくことができる…

議論は、論拠を示しながら立論し、既にある立論に対して反論していく作業を繰り返すことになります。論拠の正誤が問われますから、論拠を追加して立論の正当性を証明する作業も追加していくことも必要です。

こうした作業を視覚的に判り易く集約していけば、誰しもが参加できる機会を保証しつつ、熟議して議論の質を高め、人々の頭脳を融合して叡智を結集していくことが可能となります。

つまり、TPPや原発に対する賛否を意見集約していくインターネット上のツールを創り、民主主義や政治に活かしていくアイデアと技術的なノウハウは、充実してきています。

Gitバージョン管理システムを使用したソフトウェア開発プロジェクトを支援する共有ウェブサービスを提供するGitHub(ギットハブ)という企業も生まれています。

日本にもプロジェクト管理ツールとリアルタイムコラボレーションを支援するためのASP型システムを提供する株式会社「ヌーラボ(nulab)」という企業があります。

議論を集積していく作業は、肯定側と否定側に分かれて論理を網羅していくディベートと同じ作業です。参加者が肯定側と否定側の双方の立論に精通していれば、是否について感情的に対立することも減りますから、ソフトウェア的に論理を樹木のように構造化し、さらに出来上がった論理の樹木を集めて、論理の森を構築していくシステムの稼動が今は必要とされています。

もう、自己中心的な観点から脱することが出来ない大衆の衆愚も代議員の衆愚も終わりにしましょう…。お互いの非難に終始するしか能が無い右派と左派の対立から決別し、世界規模で『話せば判るサイレントマジョリティ』が立ち上がる時が来ていると思います。



ウサギ