今日は、ご法事に行く日でした。
浄土真宗のお寺で法要に出ていると、偶然、目の前の柱にかけられたカレンダーに次の言葉がありました。
人間とは
その知恵がゆえに
まことに
深い闇を生きている
人間は変な知恵が付いたために、上手に生きることができません。
野性のトラや小さなアリは無心で生きています。
野性の生き様こそが無我なんでしょうね。。。
知恵がない無意識のレベル…、無我なら闇が消えるのでしょう。
そのお寺の欄間には、沢山の蓮の花が掘り込まれいました。
仏教では、蓮の花は泥水の中に育つことから、辛く苦しい人生の先に見つける悟りの象徴(シンボル)となっていますね。だから、仏教関係の様々な場所に蓮の花が描かれています。
映画「ライフオブパイ」でも蓮の花が出てきました。
パイが悟りに達した状況でヴィシュヌ神の島が現れて、その樹から蓮の花に似た花が咲くのです。そして、その花の中には「人間の歯」がありました…
ヒンズー教では「ヴィシュヌ派の創世神話によると、宇宙が出来る前にヴィシュヌは竜王アナンタの上に横になっており、ヴィシュヌのへそから、蓮の花が伸びて行きそこに創造神ブラフマーが生まれ、ブラフマーの額から破壊神シヴァが生まれたとされている。」そうです。そして、ブラフマーがその目が開くたびに一つの世界が生まれ、その目を閉じるたびに世界が滅びるとされています。
この宇宙原理であるブラフマー(創造者)と、人の自己の中心であるアートマンは同一(等価)であるとされ、梵我一如 に通じています。
へそから伸びたツルの先に花が咲き、その花の中に「芯」がある…、それが繰り返し繰り返し輪廻し、世の中に沢山生まれてくる…。宇宙原理のブラフマンと我のアートマンは同じ…
この話を読んで思い出すのはへその緒と赤ちゃんですよね。へその先から生まれ、出産を経て成人し、そして滅んでいく…。そんな現実を神話化したのでしょう。
昔は、人々は自分で狩猟し、とった獲物を解体していました。そんな沢山の狩りの中には、解体する獲物のウサギが妊娠していたこともあったでしょう。獲ったウサギのお腹を捌くと、へその緒で繋がった小さな芽のような赤ちゃんがいて、それは怪我をした人間も同じ構造だったことを日常的に知っていたはずです。
では、現代の科学では、どう考えたら良いのでしょう。
現代の科学と言えば、iPS細胞ですよね。
現代のクローン技術では、クローン羊やクローン牛は実際に作られています。理論的には、iPS細胞を使えば私たちの皮膚細胞の一個から、再び自分を生み出すことも可能です。
つまり、私たちの体自体に創造の元がある…
宇宙の創造原理ブラフマンが、私たちの自我(アートマン)の中にも存在する…
私たちは私たち自身の成り立ちすら知りませんし、私たちの中に無限と永遠と創造が存在しています。
もう暫く、続きます。