今日は、一歩踏み込んで医療問題を語ってみます。
私は、エイズ薬害訴訟、C型肝炎薬害訴訟、B型肝炎予防接種訴訟を提訴した方々には、エイズ、C型肝炎、B型肝炎の発症を防ぐための啓蒙活動を行って頂きたいと思っています。
こうした薬害訴訟や肝炎訴訟を提訴する際には、病気の原因を「薬害や予防接種」に限定して訴訟するため、他の発病原因に言及しないことが肝炎感染予防の啓蒙に思わぬ悪影響を及ぼしているからです。
例えば、肝炎訴訟がテレビで報道される場合に、「肝炎は、薬害や予防接種で発病する」という報道と同時に「肝炎は、性感染症の一つである」ということを報道することは有り得ません。なぜなら、テレビ報道する場合、肝炎訴訟の原告にとって「肝炎が性交で感染する」ということは関係ない話ですし、「肝炎は予防接種で感染する」ということを強調したいからです。
はっきり申し上げて、最近では肝炎が薬害や児童期の予防接種で感染することは稀です。
薬害や予防接種による感染は、過去に起こったことなのです。
いま感染が拡がっている肝炎の大半は、薬害や予防接種以外の原因で感染したり、原因不明だったりすることが多いのですが、「薬害や予防接種で肝炎が発病した」というニュースばかりが大々的に報道されるため、肝炎の発病原因の啓蒙が不足してしまいます。
母子感染、性行為感染、覚醒剤の廻し打ち、医科や歯科での消毒不十分、ピアスの穴あけ、刺青の消毒不十分など、いま現実にある感染の危険性を啓蒙することが必要です。
にもかかわらず、肝炎訴訟の原告は、勝訴した後でも肝炎予防のための啓蒙活動は行いません。もちろん、国会議員になった後にでもです。自分が発症したのは薬害や予防接種であり、上記のような性行為感染などが原因ではないからです。
しかし、肝炎訴訟の原告にも「政治の不備を正す」だけでなく「同病者を出さない」という願いがあるはずです。
自分は完治して健常者となったにもかかわらず「完治したので自分は薬害肝炎の被害を被る事は無い」という事実を隠して立候補し当選した国会議員の方は、特に肝炎を撲滅し同病者を出さないための啓蒙活動を始めて欲しいと思います。
立候補した時の公約通り、肝炎患者を出さない議員活動をして欲しいのです。
B型肝炎と性感染
http://www.std-lab.jp/stddatabase/db014.php
（母子感染への対策が普及して発病者が減少してきているため、性行為感染の比率が高くなってきています。また、成人になってからの感染でも慢性化するウィルスが日本でも増えてきたため、注意が必要となってきています。）
C型肝炎と性感染
http://www.std-lab.jp/stddatabase/db015.php
このように、肝炎訴訟の原告が薬害や予防接種以外の感染原因について語りたがらないため、そして、マスコミが肝炎訴訟の報道の際に薬害や予防接種以外の感染原因について報道しないために、肝炎患者を減らす啓蒙が進んでおらず、社会に影を落としています。
私個人的には、B型肝炎訴訟には無理があると考えます。予防接種の廻し打ちで感染する確率は高くない（６～３０％）はずですし、性感染症などの他の原因を完全に否定することは困難でしょうから・・・、１００％国が悪いと憎むには無理があるように思います。
こういうことを続けていると「何でも国が悪い」という前例が積み重ねられていきます。国にしても「疑わしきは罰せず」であるはずです。選挙対策として如何なる訴訟に対しても十分な賠償をしていては国が滅びます。
一方、C型肝炎訴訟は、B型肝炎に較べて性行為感染の可能性は低いので、薬剤投与の記録が明確であれば訴訟は妥当でしょう。ただし、肝炎が完治し健常者となった事を公言せず薬害肝炎被害者を看板にして当選したことは褒められることではありません。
いま、C型肝炎は治療方法が改善されて治癒率が高まりました。いまこそ選挙時の汚名を返上するためにも、薬害肝炎で当選した国会議員は、その公約通りに「肝炎患者を出さない、肝炎患者を発見し治療を勧める」活動を始めるべきと考えます。
なぜC型肝炎の早期発見と治療の啓蒙活動に国会議員として邁進しないのでしょうか。
C型肝炎薬害患者救済を旗印にして当選したのに・・・薬害患者だけしか救済の手を差し伸べないのでしょうか。
政治家の真の目的は・・・、
行政を正すだけのか・・・、薬害だけなのか・・・、
患者を救うのか・・・、民を救うのか・・・。