軍師官兵衛:第46回 家康動く 第3幕 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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◆◆◆一触即発◆◆◆
具足姿で家康の屋敷に集まる加藤清正福島正則は、
三成らの徳川家への襲撃に備え、家康に加勢する事を約束、
「三成など蹴散らしてくれまする!」と息巻く。



同時刻、天満の黒田屋敷では、戦仕度を終えた長政が、
家康警護の為にと伏見に向かおうとしていた。

世を割る大乱を欲している家康。ここで動いては、
黒田は使い捨ての道具として利用されるだけだと説く官兵衛
見ているだけでは「義」は立たぬ。黒田家の当主は自分、
信じてほしいと訴える長政

出発する長政の後を追う又兵衛に、
長政の軽挙妄動をおさえよと命じる官兵衛

数日後、大坂の前田屋敷を訪れた石田三成は、
今回の件を豊臣家の乗っ取りを画策する家康の陰謀だと前田利家に説く。
三成の隣には利家の嫡男・利長もおり、三成の話を聞いていた。
そこへ、黒田如水細川忠興の来訪が告げられる。



徳川に肩入れしているはずの珍客を不思議がる利家
その利家に対し、如水はいきなり、
「貴方は天下人にはなれない」と断じる。

ここで四大老が合力して伏見を攻めれば、
あるいは家康を討ち、筆頭大老は前田氏となるやもしれないが、
重い病の為、御自分の命が長くないことは御存知のはずと説く。

カッとなり「無礼なっ!」と叫ぶ利長をたしなめる利家
前田&徳川がいなくなれば、間違いなく世は乱れる。
ここは早々に和睦をするのが「天下万民の為」と告げる官兵衛

◆◆◆天下人は誰?◆◆◆
改めて五大老は誓紙を交わし、徳川と前田が和解したことで、
今回の騒動は落着する。
大坂城・西の丸にて、官兵衛の手際の良さを褒めるマグダレナ



しかし戦の芽を摘んだかに見えてはいても、
このままで済むとは思えない官兵衛
戦の無い世を作ろうと秀吉を支え続けて来た北政所は、
豊臣の天下は秀吉一代限りと思っていると言い放つ。

>御方様・・・。(マグダレナ)
>秀頼は、まだ七つ。天下を治める力を備えるには、
>いささか、時が足りませぬ。(おね)

>・・・・。(官兵衛)

>この日本国に泰平の世が続くなら、徳川殿でも前田殿でも誰でもよい、
>最も相応しき方が、天下人となればよい。(おね)

>・・・・。(官兵衛)

【戦の芽】
なるほど、今回の事件をおさめたのも黒田如水の力。
「何でもかんでも官兵衛の手柄かよ!」という解釈も出来ますが、
この「北政所との会見シーン」が物語の転機&ポイントでした。

台本の中の官兵衛は、北政所に対し、
・豊臣家は公家になってもらい、徳川様が政(まつりごと)をされるのがよい。
・しかしそれでは、三成らの一党は得心しないだろう。
~と説いていますが、大胆にもこれを全部カット。続いて、

>乱世を生き抜いた強者が皆、幼子に素直に従い、
>天下をゆだねるなどありえぬこと。
>豊臣の天下は、秀吉の一代限りと私は思っています。(おね)


ここで官兵衛の脳裏に、一瞬、秀吉の死に際の言葉、
「おことほどの男が、なぜ天下を狙わん?」がよぎり・・・。
>徳川殿か、三成か・・・。戦にならぬことを願うばかりじゃ。(おね)

憂い顔の北政所。この不安げな台詞で場面終了。
ここでのオチは無く、その後の官兵衛の『動機』も、
秀吉の最期の言葉に触発された野望説を採用しているみたいです。
一方、本編の彼女の台詞は、かな~り意味深。



>この日本国に泰平の世が続くなら、
>徳川殿でも前田殿でも
(~勿論、黒田如水殿でも~)誰でもよい、
>最も相応しき方が、天下人となればよい。
(貴方でも・・)(おね)

この後、北政所が微笑みながら、
官兵衛の顔と彼女の顔が切り替わる点もポイントでした。
当初、二人して戦の芽を摘む話しをしながらも、
ちゃっかり、戦の種を蒔いている北政所が可愛いですね。w

利家に対し「天下万民の為」と説く官兵衛。
「天下泰平の世」を夢見て秀吉を支えた竹中半兵衛と北政所。
そして、世が平和になるのなら天下人は誰でもいいという言葉。

その後の官兵衛の『動機』が見えてきたシーンでした。

◆◆◆黒田三武将◆◆◆
大坂の黒田屋敷にて。縁側にたたずむ官兵衛。
部屋の中で酒を酌み交わしている黒田三武将。

>此度は大殿のお力で戦は避けられたが、
>いずれは戦が起こる・・・。(九郎右衛門)

>さような戦なら、むしろありがたい。(太兵衛)

>太兵衛・・・。(善助)

>誰が天下泰平の世を作るのか、
>我が大殿こそが天下人に最も相応しいではござらんか。(太兵衛)

>大殿、、、。(善助)
>いかがお考えで?(九郎右衛門)



ここで官兵衛の脳裏に、秀吉の死に際の言葉がよぎる。
「おことほどの男が、なぜ天下を狙わん?」
黙ったまま何も語らず、思案顔の官兵衛・・・。

・元々台本には無かったこのシーンを差し込む事によって、
 とても分かりやすい、もはやダメ押しとも言える流れですね。
 北政所ではなく、太兵衛の言葉を受け、
 台本にあった「秀吉の死に際の言葉」を思い出す・・・。

・前回の秀吉の別れのシーン。おぬしの望む様な天下人になれず、
 すまなかったと、秀吉が詫びるシーンがありますが、
 結局、官兵衛の望む天下人とは、官兵衛にしか成し得ない。
 それが、自立への道というものでしょう。
 そういう官兵衛の心の変化が見えてきた気がします。

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