軍師官兵衛:第41回 男たちの覚悟 第2幕 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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◆◆◆利休の諫言◆◆◆
大坂城・金の茶室にて。利休と官兵衛のもとにやってくる秀吉
官兵衛の小言にうんざりしている秀吉だったが、
その小言以前に、利休の差し出した茶碗を見て激怒する。

小田原の北条氏に仕えていた利休の弟子・山上宗二は、
利休の取りなしで、一夜城で秀吉との目通りがかなった。
しかし、宗二の茶碗(態度)が気に入らなかった秀吉は、
彼の耳と鼻をそぎ、死罪にしてしまう。



宗二の事を「蒸し返す気か?」と問う秀吉。
そうではなく、「諫める気だ」と答える利休。
先だっての朝鮮の使者の件、道案内などするはずがない、
官兵衛が制止するのを聞かずに、次々と諫言の言葉を口にする利休



彼の言葉に耐えられなくなり、部屋をあとにした秀吉
そのイライラしているところに、
三成があれこれ、利休に関する「善からぬ事」を報告。

官兵衛の言いたかった事を言ってしまう利休。
  中々、面白い創作だと感じました。
  また、秀吉の感じていることを、別の角度から煽る三成。
  こういう人(=煽動者)が身近にいると、はなはだ危険ですねぇ。

>1591年(天正19年)1月22日、秀吉を支え続けてきた弟、
>秀長がこの世を去った。
>秀吉を諫める人物が、また一人、いなくなった。(ナレーション)




利休に対し、堺の屋敷にて蟄居せよという、
秀吉の命令を伝える三成
これまでの傲慢さを改め、秀吉に詫びるなら取り次ぐと、
三成は言うが、その三成に利休が問う



>石田様、貴方は何の為に働いていらっしゃる?(利休)
>むろん、殿下のため、豊臣家の天下のためにござる。(三成)
>豊臣家のために天下があるにあらず、天下のために豊臣家がある。(利休)

これまた良い台詞を用意しましたね。
  また、伊武さんの語り口も良かった。

◆◆◆利休切腹◆◆◆
堺・利休の屋敷にて。訪ねて来た官兵衛の身を案じる利休。
北政所の使者として来たことを伝える官兵衛。
彼女は、自分が仲立ちに入るから秀吉に頭を下げる様に求めるが、
その官兵衛に、茶の道の根本を教えるという利休。

「ここで頭を下げては茶人としての意地がたち申さぬ。
  それがしも齢七十。この世にやり残した(以下、略)」
  台本にあったこの台詞はカット。後々の秀吉の台詞に関連しますが、
  「意地で切腹したわけじゃない」と改編したのは正解。

利休の心の中に、詫びるつもりがない事を悟る官兵衛
齢七十、やり残した事はない。この先、明や朝鮮に出兵するとなると、
役に立たない自分ではなく、官兵衛の力が無くてはならない。
あとの事を頼むと、官兵衛に頭を下げる利休

秀吉には屈しないけど、官兵衛には頭を下げる利休。
  前回の、天下を「私」してはならぬという官兵衛の言葉。
  そして今回の、天下の為に豊臣家がある~という利休の言葉。

  これまで、道薫のことに始まり、何かと官兵衛に世話を焼いてきた利休。
  官兵衛と自分に相通じるものがあると感じていたのか?
  中々、面白い創作&設定だと感じました。

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>2月28日、利休は切腹を命じられた。
>享年、七十であった。(ナレーション)


鶴松を相手に「お馬さんゴッコ」にはしゃぐ秀吉
そこへ利休が切腹したことを報告する三成が登場。
素直に謝れば許したものを、意地を通したかと納得する秀吉。



切腹を伝えに行った使者に茶を振舞った事を快く思わず、
さらし首を命じた秀吉は、また鶴松との遊びに興じる。
立ち去る三成に、目でもって礼を送る。(あやしい二人・・w)

【真理の探求者・利休】
ノベライズ本の発売が遅かったので、前回、前々回は、
台本との比較ができず大変残念だったのですが、(笑)

今回、文中にも書いた通り、利休の以下の台詞、
>ここで頭を下げては茶人としての意地がたち申さぬ。
この部分をカットした意味は大きかったと思います。

素直に謝れば許してやったものを・・と言う俗物の秀吉
しかし、本当に謝らなければいけないのは、その秀吉の方。
利休の諫言は、利休自身の言葉ではなく、
いつの世にも通じる『絶対的真理』でしょう。

その利休が謝らない理由を「意地を通す」にしてしまっては、
秀吉と同等の「俗物」になってしまいますし、

この場面の直前、亡き竹中半兵衛を登場させ、
「その為、嫌われ、命を落とすことがあっても・・」
~と語らせている意味が無くなってしまう
ここはカットして正解。いや、絶対にカットでしょう!w

そしてドラマ中盤、この利休とは対極的なスタンスを持つ、
自分の保身の為には上司に虚偽報告をする小西行長が登場。
(そうせざるを得ない環境下にある行長も不幸なんですけどね・・)

この両者、利休と行長の比較も、中々、興味深かったですし、
次回、現場監督の立場にある官兵衛自身が、
あえて虚偽報告する、苦渋の決断を迫られることに。

およそ、上司に対して部下が嘘の報告書を提出する組織は、
組織として終焉が近い。これは現代でも言えることですね。

▼軍師官兵衛:第41回 男たちの覚悟 第3幕