堂山物語 第57話 | エラー|Ameba(アメーバーブログ)

堂山物語 第57話

※今回のお話も性的表現があります。苦手な方はご注意下さい。



堂山で僕を何回か指名したヤギさんというお客様がいる。

このヤギさんも他のお客様と少し変わった嗜好があり印象深い。



年齢は40歳前後で有名な会社の係長さんか何かだった。

外見も見るからに会社勤めの係長さんくらいのスーツスタイルだった。


ヤギさんには決まってショート(2時間)で連れ出される。

普通の会社勤めの係長さんで家庭も奥さんも子供もいるのだ。


とてもじゃないけど、ウリセン遊びに使うお金なんて滅多にない。

3ヶ月に一度くらいに昼食代を浮かして貯めた、お小遣いの範囲で遊びに来られるのだ。



僕も人間なんで、お金持ちのお客様にロングで連れ出されて

美味しい食事をご馳走になり、ちょっとしたモノでも買ってもらった方がウレシイ。


ちなみに僕の最初の携帯電話であるドコモのSO206(だったかな?)は

堂山のお客様に買ってもらったモノでそれ以来番号も変わっていない…


ヤギさんは、そういうお客様とは違うタイプのお客様だ。

会社では営業という仕事柄か決して僕らボーイに対しても横柄な態度は取らない。


だからヤギさんに対して僕はお金をバンバン遣ってくる、お客様よりも

何処か安心感や親近感が沸いていたような記憶がある。

初めてショートで出た日に安いホテルに入ると


ヤギ 「今日は、ありがとうね。僕みたいなモノに付き合ってくれて」


堂山 「イエイエ!とんでもない。お礼を言わなアカンのは、コッチですよ!」


ヤギ 「キミ、やさしいね。実は…ちょっとお願いがあるんだけど」



そう言って、ヤギさんがカバンから何かを取り出そうとしている。




嫌な予感…( ̄_ ̄ i)



ヤギ 「コレを一緒に見て欲しいんだ!」



とヤギさんがカバンから取り出したのはAVだった。



堂山 「ヤギさん?コレを一緒に見るって普通のAVですよ」


僕が単純に疑問に感じて質問をしたのだ。元ビデオボーイとして…


そう、そのAVはゲイ出演AVでは無く、桜樹ルイのAVだったのだ。

ヤギ 「だーかーらーぁ。コレを見てぇ… 

    キミはオナニーして欲しいの!それで僕も一緒にするから見て欲しいの!」



そう来たか…

とようやくヤギさんが興奮するフローチャートがアタマに描けた。



AVを見る → 僕が興奮する → 僕がオナニーをする  それを見てヤギさんも興奮  

  ↓     相乗効果  僕がオナニーをしながらヤギさんを見る ヤギさんがオナニーをする 

 ノンケの子のオナニーを見る興奮と見られている興奮がヤギさんを絶頂に導く!


(※ノンケとはゲイでない男の子の事をこう言う)



堂山 「わかりました!頑張らせてもらいます!」


ヤギ 「ありがとう!それじゃあね、お願いだけど、僕がイクまでイッたらダメだよ!」



コレがヤギさんとのプレイで最大の難関だった。

女性とのセックスとかは、ある程度の射精コントロールは出来るもんだ。


しかし、オナニーに関して射精コントロールは難しい。


イカないようにするには、どうしても手の動きが止まってしまう。

そうすれば、ヤギさんから見て僕がオナニーをしていない

そう捉えられるのでヤギさんは興奮しない…


そう僕は手の動きを止めるわけには、いかない。コレが意外と大変なのだ!



しかし、堂山の神は僕を見捨ててはいない…


ヤギさんの持ってくるAVは、ちょっとマニア系の嗜好が強く少し古い。

初日の桜樹ルイの作品も、アクロバティックな体位など当時の僕がそそられるものではない。

そのようなAVで僕も えっ と思うシーンがあったりするので長持ちすることができた。



そのようにヤギさんは、何処で入手するのか分からないが変なAVばかりを持って来るのだ。


それらは勿論、全てが無修正だ。



僕も高校生の頃から大国町の裏ビデオ屋さんと付き合いが

あったので大概のタイトルは入手可能だった。

けどヤギさんのAVは、そこですら見たことがないのだ。


ヤギさんには、いろんな嗜好のAVを見せられたが、

そんな中で実は、もう一度見てみたいタイトルがある。



それは…



「コート・イン・ザ・ミドリ」 (多分こんなタイトル)



いわゆる洋モノのAVだった。



洋モノなのだが特殊な点がひとつだけある。



どんなAVも再生してから、すぐにセックスシーンという作品は少ない。

大概は女優と男優による三流の芝居、いわゆる あそび があるものだ。

その あそび がある構成内容は国内モノ、洋モノ問わずAVなら大概あるモノなのだ。



その「コート・イン・ザ・ミドリ」も あそび があった。


男優  『It is angry today in a company』


女優 『Oh, is it all right?  I cheer it up』


という感じで あそび が始まるのだが


このAVの凄い所は画面の端にひとりのオッサンが立っていて


オッサン 「今日は会社で怒られたよ」


オッサン 「あら、大丈夫?私が慰めてあげるわよ」


そのオッサンが同時通訳を始めるのだ!


男優 『Are you ashamed?』


オッサン 「恥ずかしいかい?」


女優 『I am unpleasant…Darken the light…』


オッサン 「やだ…灯りを暗くして…」


コレには、さすがに僕も驚いた…全然、興奮なんてしない!


しかし、集中して僕はオナニーに専念していると

「コート・イン・ザ・ミドリ」も結構、進んでいる事に気付き

画面を冷静に見て僕は愕然としてしまった…








女優 『Oh』


オッサン 『あんっ…』


女優 『I 'm coming!』


オッサン 「あっイクぅ~!」


あえぎ声まで同時通訳…(iДi)


あれから10年…

ヤギさんは何処でAVを入手していたかたは今なお謎のままである…


続く