池尾 和人(@kazikeo)の出口なき量的緩和 | rxtypeのブログ since 2012

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日本経済の一番の問題はデフレ予想です。

 
 こんなことを言われてしまいました。どうしましょう。






 この人は、自分が論理レベルが高いと思っているようです。(そう言い切っていないところがまた卑怯ですが)まあ私もレベルが高いとは思いませんが、おそらく彼よりはマシですね。
 この人が正しい論理、議論が分かっているとは到底思えません。正しい議論の「型」の一つがトゥールミンモデルです。(→トゥールミンモデル
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 ということで、「池尾 和人(@kazikeo)の出口なき量的緩和」にツッコミを入れます。
まず、彼の主張が何かを結論から探ってみましょう。
まだ出口がある(ベースマネーの増加は一時的)とみなされているのか、出口はなくなりつつある(ベースマネーの増加は恒久的)とみなされているのか。そうした期待の変化で、政策の効果はこれから大きくスウィングする可能性がある
出口なき量的緩和:Permanent QE : アゴラ - ライブドアブログ


 出口があるのか無いのか結論が全くハッキリしません。そして、「可能性がある」などという、誰でも言えることを言っています。
「可能性がある」など、例えば、隕石が衝突して地球が滅亡することだって、「可能性がある」と言えてしまいます。全く主張になっていないので、本当にダメダメです。本当に大学の教授なのでしょうか?日本の大学教授のレベルはこんなものなの?それともこの人のいる学部がこの程度ということなのでしょうか。
 ということで、この時点で「終わり」ですが、更にツッコミを入れていきましょう。


「流動性の罠」的な状況にあるので、ベースマネー需要量はきわめて弾力的に増加し、著増しているベースマネー供給量と釣り合いを保っている。
出口なき量的緩和:Permanent QE : アゴラ - ライブドアブログ


もし何らかの理由で、インフレ予想が本格的に高まることがあれば、ベースマネーを保有する魅力は激減することになるので、他の条件が一定であれば、ベースマネー需要は大幅に減少するとみられる。このときに、なおかつベースマネー供給量の削減が行われないとすれば、ベースマネー需要を増加させるように何らかの条件が変化しなければならない。

最もあり得ると思われるのは、資産インフレあるいは円安が生じることである。個々の主体はベースマネー保有量を減らそうとして、何らかの資産(国内資産あるいは外貨建て資産)を購入する(買いだめの効きにくい財・サービスではなく、まずは資産に向かうと考えられる)。資産を売却した者も代金として受け取ったベースマネーを手元に置いておこうとはせず、別の資産を購入しようとする。・・・といったプロセスが続くことになり、ベースマネーの回転速度が急上昇することになる。

こうしたプロセスの結果としての資産インフレ(あるいは対象資産が外貨建てのものであった場合には円安の急激な進行)を放置しておけるならば、ベースマネー供給量を削減しなくても済む。しかし、放置しておけないということになれば、日銀はバランスシートを圧縮する操作を行うか、準備預金への付利水準を引き上げて、ベースマネーを保有する魅力を高めることを余儀なくされることにならざるを得ない
出口なき量的緩和:Permanent QE : アゴラ - ライブドアブログ


 お気づきだと思いますが、感情が入りまくった大げさな表現満載の記事です。
→こちらの記事をご参照ください。「オーバーな表現を使いすぎると、誰も話を真剣に聞いてくれなくなる。 | 知的な話し方をする30の方法 | HappyLifeStyle

 大げさな表現を使えば使うほど説得力をなくしますよということです。
慶応大学の教授でもこの程度ですから、皆さんも気をつけましょう。


 主張がハッキリしないのでツッコむ以前のレベルなのですが、このままだと中身が全くないので一応、論理的にどうなのかにもツッコミを入れておきましょう。

トゥルーミンロジックの要素は次の論理で成り立っています。
  • D論理 データ
  • W論理 ワラント(論拠)
  • C論理 クレーム(主張)
  • B論理 バッキング(ワラントが正しいことを指示する証拠・統計などの情報)
  • Q論理 クゥオリフィアー(クレームの相対的強度の表現:possibly,probably,usually,certainly,absolutely または、90%などの定量的表現)
  • R論理 リザベーション(クレームに対する例外)

  • とりあえず、軽くQ論理 (クゥオリフィアー:Qualifier)に突っ込みを入れてあげましょうか。
    彼は「ベースマネーの回転速度が急上昇する」「ベースマネー需要量はきわめて弾力的に増加」などと書いていますが、それがどの程度なのか全く書いてません。したがって、Q論理が全くなっていません。0点です。(笑)

     しかし、大学教授のはずの彼が、なぜこのようなお粗末な記事を書けるのでしょうか。おそらく、彼らの周りに彼を批判してくれる人が皆無なのでしょう。周りがイエスマンばかりだと研究の質も上がらないはずです。アメリカの大学などでは活発な議論がなされているから論理が揉まれて、ノーベル賞クラスのハイレベルな結果が出るのかもしれませんね。日本人にノーベル経済学賞が1つもない理由がこのあたりにありそうです。根深い問題です。
     日本の大学教授がこのような人だけじゃないと思いたいですね。

     そういえば、こんな言葉を私に向けた人がいました。

     私がリフレ派かどうかには異論がある人もたくさんいると思いますが、この言葉、そっくりそのままお返しします。デフレ不況村の住人は普段村人同士で非論理的に盛り上がっているだけだから、たまに論理的な議論になると簡単に窮してしまうんですよ。

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