さっき、
いつも小冊子をポストに入れてくれる
エホバのＴさんが来て、
年に一度、開かれる、
ウォッチタワーの大集会に来ないか、
と 誘われた。
集会は行きたくないので、
ごにょごにょ誤魔化したが、
俺はＴさんに聞きたいことがあったので、
玄関先で長話をしてしまった。
俺が聞きたかったことの一つ。
ウオッチタワーが発行している
「新世界訳聖書」 は どこで買えるのかということ。
俺は世界の宗教の宗派（新興宗教も含めて）が
何をどう解釈しているのか、
ということに とても興味がある。
例えば
「神」
と一口に言っても、宗教・宗派によって、
捉え方は様々である。
なので、聖書買いたい、と言うと、
「くれる」 という。
大体２０００円ぐらいまでだったら
出してもいいかな、と思っていたので、
ラッキー ！と思った。
それに加え、
ダニエル書とエゼキエル書も
今度ポストに入れといてくれる、という。
両書とも
「ウォッチタワー」 の解釈が知りたかったので、
これまたラッキー。
しかし、喜んでいたのは俺ではなく、
Ｔさんのほうであった。
「私ダニエル書好きなんですよ
」
Ｔさんは妙齢のご婦人である。
まるで、
「東方神起とビッグ・バン、どっちが好き 
」的な、
もうギャルトークであった。
「ゴトーさんは寛容な方なんですね」
とか言われたので、
「いや、そーじゃなくて、
それぞれの宗派の言い分を知りたいだけだ」
と説明したのだが、
もう、俺のことを理解者だと思い込んでしまったので、
目をキラキラさせながらの
「キリスト・ギャル（オバサンだけど）トーク」
は止まらなかった。
そんなに明るい人柄なんだから、
もう信仰いらねーんじゃねーか ？
とは、さすがにいえなかったけどな、苦笑。
それと、もう一つ俺にとっては大事なこと。
「マイケル・ジャクソンがなくなったとき、
何故ウォッチタワーは
何の声明もださなかったのか」
と尋ねたら、
「えー、やっぱりそーだったんですか
噂には聞いてたけどぉぉ
」
しらねーのかよ！
じゃあ、何のためにマイケルは、
ツアーの合間をぬって、
変装までして、
エホバの冊子を住宅街で配り歩いていたんだよ ！
都合の悪いことは信者にはおせーねーんだな。
不愉快になったし、泣きたくなった。
マイケルの信仰はどーなるんだよ ！
仕方がないので、
いろいろなことを説明してあげた。
Ｔさんは、
「キリストは死ぬと【無】になるって言っているんですよ
」
と 無邪気に言っていたが、
あんなに誠心誠意、
エホバに尽くしたマイケルが【無】になんのかよ ！
冗談じゃねーぜ ！
俺はＴさんに、
「マイケルは、ＮＹの、あの立派な建物の本部に
相当寄付していたと思いますよ」
と、少々嫌味を込めて言った。
そしたら、Ｔさん、
「アメリカ行ったことがあるんですか
いいなぁ
」
ダメだ、こりゃ。
幹部どもに告ぐ！
「恥を知れ！」
俺は死にたくなった。
俺も【無】になりたくなったよ、Ｔさん。
で、Ｔさんにもらった聖書
ご丁寧にガイドブック付き
別にいらねーよ。
ガイドブックがこれ。
「教会に一度きてくださいね」
と 誘われだが、
どーしよーか。
「マイケルの落とし前」
をつけに乗り込んでいって、
皆、泣かせてやろーか。
でも、言ってもわかんねーんだろーな。
なので やっぱり止めとく。
俺は、マイケルも熱心に読んだであろー、
「ウォッチタワーの言い分」
をまとめた、無料聖書を
布団でゴロゴロしながら読むことにする。