今月のはじめに横山智佐結婚の報を知った。

報せてくれたのは妹で、なんとミクシィニュースに載っていたらしい。

それにしても、ミクシィやっている人のうちの何人が横山智佐に興味があるというのだろう。


横山智佐には一言ではいいつくせぬ思い出がある。

でもまあ一言で云ってしまえば横山智佐は私を声優ヲタにした原因を作ってくれた人なのだ。


以前にも少し書いたが、小五くらいにジャンプを読み始め、そのときの読者投稿ページがジャンプ放送局だった。

ジャンプ放送局といえば、桃鉄の生みの親さくまあきらさんが局長をつとめ、イラストは土居孝幸(桃鉄のイラスト担当)、レイアウトは榎本一夫(桃鉄の貧乏神のモデル)という具合に桃鉄メンバーが関っていた伝説の読者投稿ページだが、そのアシスタントをやっていたのが横山智佐だった。

私も当時のジャンプっ子と同様、この読者ページにすっかり魅了され、その延長線上で横山智佐も好きになった。

じっさい、ジャンプ放送局の単行本にはまだ可愛らしかった智佐の写真が多く掲載されていたりしたのだ。


それで、中三の頃にはすっかりファンになり、CDや関連ビデオを買い漁り、横山智佐が出ていたラジオも聴き始めた。

このラジオ番組というのが広井王子、千葉繁、豊口めぐみと共にやっていた「マルチ天国」(のち、マルチ天丼)だ。

広井王子は周知の通り、横山智佐が主人公を演じた『サクラ大戦』の総合プデューサーで、このラジオといい、横山とのからみがやたら多く、周囲からは「横山は広井王子の愛人」と噂された。

真相は知らないが、ラジオ番組内での仲睦まじさから察するにこの噂、それなりの説得力はあった。


このラジオ番組をきっかけとして、私は國府田マリ子、林原めぐみ、宮村優子、小森まなみ等、他のアニラジ番組を聴くようになった。

それで、アニラジグランプリを買ったのが、1999年の冬だったか。

これが、私が生まれて初めて買った声優関連雑誌になる。


そのあとは、坂を転げ落ちるように声ヲタになった。

まんだらけに行き、古い声優雑誌を買い漁ったのもこの時期だ。


横山智佐ファンになり、彼女がやっていた『サクラ大戦』や『天地無用』にも手を出したが、あまりにもオタク向けというか、世界観が理解できずこれらにハマることはなかった。

だいたい、広井王子やらあかほりさとるやらあの周辺の人物が創るものに私の好きなものは皆無だ。

ずっと後の話になるが、『北へ』も酷かった。


一方で、横山智佐のレコードはいまでも名曲が多いと思っている。

というのも、盤にもよるが、横山智佐に楽曲を提供した人の一人に藤原いくろう氏がいる。

彼の曲はどれも素晴らしかった。

のち、彼の師にあたる山本正之さんにハマったのも頷ける。


高校にあがり、心酔の対象は横山智佐から宮村優子に代わり、私の短い横山ブームは終わりを告げたが、はじめてアイドル的な存在に熱をあげたという意味でやはり思い出の人になる。

それにしても、声ヲタになる前はエヴァすら見たことがなく、宮村優子が好きになった時も友人に「アスカの人か!」といわれても「アスカってなんですか?」という風だった。

元々、声フェチだったこともあり、声ヲタになったことは必然とも云えるが、横山智佐が居なかったらいまのように声ヲタになっていたかどうか。

そういう意味では彼女を知ったことが幸か不幸かわからなくなるが、まぁ、声優好きであることはそれなりに楽しいのでやはり感謝するべきか。


横山智佐について、というよりほとんど自分の思い出話になってしまった。

横山智佐の人となりを一言でいうならば、勝気な下町娘といったところか。

2005年に口の悪いサラリーマンと喧嘩して新聞沙汰になったときも彼女のらしさが出たと思った。

(横山智佐に最初に因縁をつけてきたのはサラリーマンの方)


最近では、自身のブログで元ファンからみても痛いと思える自分撮り写め画像を日々掲載している彼女だが、このたびめでたく御成婚と相成った。

相手の男を知ってびっくり。

彼女よりも十一歳年下ということも驚いたが、随分とチャラい男と一緒になったものだ。

と、これは余計なお世話だろう。

素直に、おめでとうと言いたい。