軽減税率、お持ち帰りは損か得か
出前・持ち帰り8% 飲食店困惑/コンビニ安堵軽減税率の線引きを巡り、「店内飲食」は10%、「出前や持ち帰り」は8%と異なる税率が適用されることになり、飲食店などからは戸惑いや、混乱を懸念する声が上がった。 多くの飲食店が軒を連ねる武蔵小山商店街(東京都品川区)。ラーメン店「大勝軒」を経営する鈴木清隆さん(53)は「8%と10%をきちんと分けて計算することができるだろうか。お客には、値段の違いを説明しないといけない」と顔をしかめた。出前が売り上げの約半分を占め、残りが店内と持ち帰りだ。混乱を避けるため、出前と店内飲食で価格が変わることを説明するチラシづくりなどを検討するという。 同商店街の30代の和食店店主も困惑気味だ。持ち帰り用天ぷらを販売しているが、「店内の価格と異なることを説明するのが面倒。いっそのこと線引きがなかったほうがよかった」と話す。 一方、コンビニエンスストアは、持ち帰り可能な弁当や総菜について店内の飲食(イートイン)でも軽減税率が適用される。業界では「コンビニにとって重要なのは分かりやすさ。持ち帰っても店内で食べても税率は同じで、お客が混乱する事態を避けられた」(コンビニ大手)と安堵の声が出ている。 これに対し、「コンビニがイートインを増やせば昼食の客を奪われる」と危惧するのがファストフード業界だ。ファストフードも持ち帰りについては軽減対象となるが、「店内で食べるつもりが間違えて持ち帰りを選んでしまったり、持ち帰りのつもりで注文したが、外が暑かったりして店内飲食に切り替えたりするお客さんが現実にいる」(業界関係者)と混乱を懸念する声が出ている。牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスの小川賢太郎会長兼社長は「どこで線引きしようと不公平なことになる」と指摘した。 実際にコンビニ店内でコーヒーを飲んでいた女性会社員(33)は「線引きが分かりにくいが、コンビニを選ぶことが増える」と語った。同じコーヒーでもコンビニ店内では8%で、ファストフード店では10%のためだ。品川区内の吉野家で牛丼を持ち帰った無職女性(36)は「2%の税率の違いも積み重なれば大きい。牛丼もハンバーガーも店内で食べず、持ち帰ることが増えるでしょう」と話すなど、今回の線引きは消費者の行動に影響を与えそうだ。【山口知、岡大介】毎日新聞 2015年12月16日 東京朝刊消費税が10%に引き上げられることに伴い、軽減税率の導入が決まった。対象品目が外食以外の食料品・加工品となったことで、出前やお持ち帰り、店内飲食の線引きが議論となった。それで、結論としては出前とお持ち帰りは軽減税率対象、店内飲食は外食扱いで軽減税率対象外となったようだ。私はそもそも、消費税自体を廃止すべしという考えなので、軽減税率の是非について、ここでは論じない。そういったことは、休眠中の「あび卯月☆ぶろぐ」でやるべき事柄だ。(たぶん、あっちでもやらないけど)この記事を読んでちょっと疑問に思ったのは、最後に登場する無職女性(36)の言葉。「2%の税率の違いも積み重なれば大きい。牛丼もハンバーガーも店内で食べず、持ち帰ることが増えるでしょう」うん、趣旨はわかる。2%の税率の違いも積み重なれば大きい。わかる。ちりつもだ。ただ、お持ち帰りの食事について、例えば、1,000円分買ったとしても、8%と10%の差額は20円。この20円の差額をどう考えるかだ。お持ち帰りして20円浮かすことが損か得か。結論からいうと、私は20円多く払っても店内飲食した方が得だと思う。理由は下記の如し。まづ、店内で食べると、水くらいは無料で飲めるだろう。つまり、水代が浮く。さらに水を入れたコップを洗うための水代と洗剤代も浮く。紙コップで飲んだ場合だと、その紙コップ代が浮くことになる。食事をするときに水は全く飲みませんというなら話は別だが。そして、冬や夏場であれば、自宅で食事する場合、暖房、ヒーター、炬燵もしくは冷房を使用することになるのではないか。とすれば、店内で食事をすればその分の電気代が浮く。また、持ち帰るまでに食品が冷めてしまった場合は、電子レンジを使用するかもしれない。そうすれば、その分の電気代も浮く。もっといえば、電子レンジを使用してもしなくても、一度冷めてしまったら店で食べるより味は落ちる。無論、店から家までの移動時間がどれくらいかにもよるが。他にもある。持ち帰った食品の容器は当然、廃棄することになるが、ゴミ処理は無料ではない。ゴミ袋は多くの自治体で有料なはずだ。つまり、ごみ処理費も自分持ちになる。さらに細かいことを云えば、持ち帰るときの労力が必要になる。他に買い物をしているならば、お持ち帰りの食品はそこそこ持ち運びが煩わしい。電車で移動する場合などは、食品によっては匂いの問題も出てくるかもしれない。・・・以上、思いつく範囲でも、お持ち帰りにはこれだけの費用と労力が必要になってくる。これらの費用が20円を超えるかどうか、場合によって異なるだろうが、感覚的には店で食べた方が安上がり以前にラクなので、20円多く払う価値は十分にあるように思える。しかも、この20円という額はあくまで1,000円分の買い物をした場合であって、500円ならば、差額は10円になる。10円ならば、確実に店内で食事をした方が得だと思う。なにやら、節約主婦みたいなことを書いてしまったが、損か得かは総合的に判断しないと分からぬということである。(久々に更新した記事の内容がこんなだとは・・・)