性暴力ゲーム規制強化へ、与党が流通歯止め検討チーム


 少女らをレイプして妊娠・中絶させる過程を疑似体験する日本製パソコンゲームソフトに、国際人権団体などが抗議を行っている問題で、自民党は29日、同種のゲームが多量に流通している状況に歯止めをかける方策を検討するチームを発足させた。


 公明党も今月中旬に検討チームを作っており、与党内で規制強化をめぐる議論が本格化しそうだ。

 自民党で29日に発足したのは「性暴力ゲームの規制に関する勉強会」。先進国のなかでも性暴力関係のゲームや児童ポルノへの規制が緩いと指摘されていることを踏まえ、関係省庁からヒアリングを実施。今後も会合を重ね、規制強化の必要性を検討していくことになった。

 出席した野田消費者相は「子どもを守るバリアが日本ではきわめてルーズだ」と指摘。座長の山谷えり子参院議員も「日本のコンテンツ産業をさらに発展させていくにも、こうしたゲームで信頼を損ねてはいけない」と話した。

 公明党も性暴力ゲームの問題を考える合同プロジェクトチームを今月中旬に発足。太田代表や国会議員らで秋葉原のゲームショップの視察を行い、有識者のヒアリングも行った。

 また、自民党の会合に出席した経済産業省幹部は、パソコンソフト業界の自主審査機関によるこれまでの対応として、〈1〉問題の性暴力ゲームの販売中止を流通関係企業へ要請し、国内で購買はほぼ不可能になった〈2〉「陵辱系」と呼ばれる性暴力もののゲームソフトは製造・販売を禁止する検討を行っている――と説明した。


(2009年5月29日23時20分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090529-OYT1T01068.htm



何回、これに関する記事を書けばいいんだろう。
このような、ゲーム規制の論議はたびたび遡上にあがる。
早い話、こういう凌辱系ゲームやもっと広くエロゲー等を規制すれば子供や女性の人権が守れる、もっといえば強姦が減るということだろう。


なるほど、じゃあ二十年も三十年前、エロゲーどころかPCゲームすらなかった昔はさぞかし強姦が少なかったのだろう。
エロゲーが隆盛を極める昨今は、その頃に比べて強姦が激増しているのだろう。


ところが、統計では近年では戦前戦後を通じて最低の強姦件数となっている。




未成年の強姦犯検挙人数と少年人口(10~19歳)10万人当りの比率
エロゲー他(ガス抜き)がない時代とある時代の比較(件/10万人)


・エロゲー他(ガス抜き)がない時代
 1959年 強姦[22.96] 団塊世代 10~12歳
 1961年 強姦[20.65] 団塊世代 12~14歳
 1963年 強姦[19.18] 団塊世代 14~16歳
 1965年 強姦[21.77] 団塊世代 16~18歳


・エロゲー他(ガス抜き)がある時代
 2006年 強姦[ 0.91]



これをグラフにしたものが以下の図。


あび卯月日記-グラフ

詳しくは以下のサイトを参照。

http://kangaeru.s59.xrea.com/G-Rape.htm



グラフをみれば昭和四十年代が未成年による強姦事件のピークだったことがわかる。
このデータによって前回の記事で大学生はみな強姦魔であるかのような私の言説が誤りであることも一目瞭然だ。(当時の大学進学率は今よりもずっと低い)
「暴論」と断わった所以である。


それでは、二次元ポルノの規制が厳しい国との比較はどうか。




国別の強姦件数
ガス抜きができない国とできる国の比較(件/10万人)1999年~2000年

 カナダ  78.08件  単純所持禁止   二次元禁止
 アメリカ 32.05件  単純所持禁止   二次元禁止(ただし違憲で無効)
 イギリス 16.23件  単純所持禁止
 フランス 14.36件  単純所持禁止
 ドイツ  9.12件 単純所持禁止
 ロシア   4.78件
 日本    1.78件





さて、これでもエロゲー等を規制した方がいいのだろうか。
規制したあかつきに日本の強姦件数が昭和四十年代並にあるいはカナダやアメリカ並になったら笑ってしまう。
いやいや、女性にとっては決して笑える事態ではない。


今回、規制推進の中心にいるのは自民党の野田聖子だ。


野田聖子といえば、夫婦別姓を主張したり、マルチ商法を持ち上げたり、ヨン様の微笑みは徴兵制によるものだから日本にも徴兵制を導入すべしと言ったり(註)とちょっとトホホな人。
また、蒟蒻ゼリーを悪者にして、潰しにかかったのもこの人だ。


念のために書いておくが、徴兵制のある韓国の強姦発生率は日本の約七倍(2000年の統計)で蒟蒻ゼリーを喉詰まらせて死亡する率はもちや御飯、パン、あめに比べ平均二十から三十分の一程度。


早い話、野田聖子はよほど統計とかデータとかを無視する人らしい。
知っていて言っているなら、よほど頭の悪い人か、利権とかなにか裏の理由があるのか。
そういえば、蒟蒻ゼリーを潰しにかったのは自身の選挙区にある製菓会社(浪速製菓)のためなんて話しもあるが、信じてみたくなる。


記事によると、「太田代表や国会議員らで秋葉原のゲームショップの視察を行い、有識者のヒアリングも行った」とある。
代表じきじき、ゲームを視察なんて何やっているんだ。
もっと他にやる事があるだろう。



なお、私のエロゲー等に対する態度は以前書いたので繰り返さない。
(以下の記事を参照)


「エロゲーは危険な社会を作り出す凶器?」
http://blog.goo.ne.jp/tuneari/e/783478ddf8d53b5caa2ea663102c37fc


*********
註:発言の前後関係は以下の通り。


11月30日に自民党で開かれた「e-Japan重点計画特命委員会デジタル・アーカイブ小委員会」の中での、委員長を務める野田聖子衆議院議員の発言。

野田議員「ヨン様はあまりに礼儀正しく素晴らしい紳士であり、その背景には韓国の徴兵制がある。一方、日本の青年達は親を殺すようになった。日本の青年にヨン様のようになってもらうために、日本に軍隊を作って男の子達を徴兵制で鍛えなおしてもらったらどうか。」
真鍋議員「あの和やかな顔は軍隊によるものではないのでは」
平井議員「そういう影響よりむしろ儒教精神が背景にあるのでは」
野田議員「しかしそのように発想してしまうのが現実だ」