声優・植田佳奈「不適切発言」を謝罪もネットはさらに炎上!

http://www.cyzo.com/2008/12/post_1310.html


ミクシィニュースに植田佳奈の発言が取り上げられていた。

植田佳奈ってそんなにメジャーなのだろうか、と思ったがそれはさておき、

私は先だって、ネット上で以下のような書き込みを目にしていた。



514 名前:[名無し]さん(bin+cue).rar[] 投稿日:2008/12/11(木) 03:58:54 ID:jv0R8w5u0

一般人すら苛め始める植田佳奈さんと清水なんたら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5473015


電車に持ち込んだ飲み物のゴミを床に置いたのを注意されて逆ギレ
そしてその注意したおっさんを人間のクズ呼ばわり


(香里)普通にうちら話をしてたらいきなりなんか寄って来てさー
(佳奈)そう
(香里)あれは腹が立ったねー
(佳奈)うん。まー言えばよかった、お前こそ社会のゴミだーって
(香里)あはははは!!!
(佳奈)さすがにそれ言ったらヤベーな、なんか手ー出されたら怖いからさー、と思ったんだけどー
(香里)なんかカっとなったら手ー出しそうな顔してたんだよね
(佳奈)そうしてたの、それがまたねー
(香里)「うるせー!」とか言い出したからさ、佳奈ちゃん殴られるんじゃないかなーと
(佳奈)そうあたしも。でも殴ったら殴ったで、あ、これ傷害事件になるなと思ったの
(香里)ははは、かっこいい・・・
(佳奈)うん
(香里)あれは腹が立ったけど、すごい、ほんとに腹が立ったけど
(佳奈)うん
(香里)久しぶりに佳奈ちゃんが感情をこうワーっと出してるのを見たからー
(佳奈)でー、あたしはその後にものすごい考えたのよ
(香里)ふふふふ
(佳奈)このおやじを社会的に抹殺ってか、とにかく辱めて、あいつが悪いほうにさせるにはどうしたらいいのかって考えたわけ
(香里)うん、ふふ
(佳奈)まず。でね、結局たどりつたのが、そこで大声を上げる
(香里)うふふふ
(佳奈)最も、あたしの定評のある悲鳴を上げる
(香里)あは、あー!!!(林家パー子風)
(佳奈)ものすごい悲鳴を上げてー、取りあえず「誰かー、あの呼んで来て下さい」って言う、うん


これだけ読んだら、植田佳奈とはとんでもない女だと思う。
電車内のマナーを注意したおじさんに腹が立ったので、冤罪事件を仕立て上げ社会的に抹殺することを目論んだとんでもない女だ、と。
日刊サイゾーの記事の書き方もおよそそんな感じだ。
私も初めは「こんな声優は消えてしまえ」なんていう記事を書こうかなんて思った。


ところが、これ、実際の放送を聴いてみるとそうでもないことがわかる。
(右のサイトから聴ける→ http://anitama.com/marunage/index.html  )


まず、この二人(植田、清水)、電車内でのマナーはきちんとしていた。
男性から注意された直接の原因は足元にジュースの入っていたコップ(フタとストローがついたおそらく紙製のもの)を置いたことによる。
しかし、二人はゴミを放置するという意図はなく電車から降りる時、捨てようと思っていた。
その証拠に両足の間に置いたし、そもそも、床に置いたのはコップ内に氷が残っており、水滴がついていたためだ。


しばらく経ったあと、前に立っていた老年男性が突如「お前らそれ捨てろよ!」と言い出した。
普通に会話をしていた二人は突然怒鳴られたことに驚く。
続けて「ゴミを捨てる奴が多いからよー」「持って帰れよ」。
「持って帰れよ」に対して「最初からそのつもりですけど」と応じると男性は怒涛の如く怒りだし、それに対しても植田は「決めつけで言われるとカチンときます」などと応戦した。
以下、(男)「それはヘリクツだ」(植田)「だったらあなたはヘンクツですね」と口喧嘩が続く。


二人の話によると、植田の方が冷静に対応していたようで、車内に居たサラリーマンたちも植田に同情的で男性の方を笑いながら見ていたとのこと。
謝罪文には「男は酔っていた」「卑猥な言葉も浴びせられた」との新情報も追加されている。


もう一つ注意したいのは二人は冤罪をでっちあげようとしたわけではないということだ。
上の書き起こし文だけをみると、書き起こしが途中で切られているため悲鳴を挙げる云々で痴漢の冤罪をでっち上げようとしていたようにも読める。
しかし、放送を聞いてみれば明らかなように、植田は名誉毀損で訴えればよかったと語っており、仮定の話として、もし暴力を振るわれていたら傷害事件としても訴えることができたというものだ。
悲鳴を上げて鉄道警察を呼ぶというのも、このままでは身に危険が及ぶ可能性もあったことを想定してのことだと解釈するのが自然だと思う。

念のため、会話の続きを掲載しておく。(書き起こし、あび卯月)



植田:ものすごい悲鳴を上げてー、取りあえず「誰かー、あの呼んで来て下さい」って言う、うん。
清水:「鉄道警察呼ぶ」って言ってた。
植田:そう、言ってた。まずそこで、「駅員さん呼んで来て」ってだれか呼んで来てもらって。

で、みんなに「すみませんケータイで警察に電話させてください」って電話して、

いま何処何処の何輛目に乗ってるんだけど、なんかすごい絡まれて大変なんで次の駅に警察待たせといてくださいっていう。

そこまできたらアイツ絶対焦るからー。
清水:焦るね(笑)
植田:うん。そこで手ぇ出されたらこっちのもんなのよ。
清水:そうだね、向こうが悪いもんね。
植田:で、名誉毀損で訴えますじゃん?名誉毀損が、プラス傷害事件になるかな?って感じじゃない。


繰り返すが、植田は痴漢をでっち上げようとしたわけではない。
ところが、ネット上ではさも痴漢冤罪事件を起こそうとしたかのように言われ、驚くべきことに「日刊サイゾー」までもそのように類推させる書き方をしている。
もとより、最初に言いがかりをつけられたのは植田側だとの解説もない。
これではあまりにも不公平というものだろう。


念のために書いておくが、私は植田佳奈にも問題がなかったとは思わない。
いくら腹が立ったとはいえ、ラジオで「このおやじを社会的に抹殺」などと言うべきではなかったし、普通に聴けば悲鳴を挙げるのくだりで痴漢の冤罪をでっちあげようとしていたように聴こえる。
ラジオは録音でもしない限りあとから聴き返すことが出来ない為、勘違いさせやすい言動は文章以上に謹むべきだ。
もっと言えば、私は植田側の証言しか聴き得ないため、おじさんが激怒した理由には植田の態度にも問題があった可能性もある。
警察を呼ぶこと自体がやりすぎとの意見もあろうし、名誉毀損で訴えることも実際にはちょっと無理がある。


とはいえ、植田佳奈があたかも痴漢冤罪をでっち上げようとした極悪女と呼ばれるのはしのびなく思い、擁護に回らせてもらった。
マスコミは信用できないというのはもはや常套句だが、かといってインターネットの情報が信用できるかといえばそういうこともなく、ネット言論も既存のメディアと同じく情報の一部だけを切り取り意図的に印象なり情報を操作することしばしばである。
かくいう私もその罠に嵌りかけたわけで、改めて一次情報の重要性を認識させられた次第である。


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蛇足:

本当に蛇足だけど、私は特に植田佳奈のファンではない。
どんな役やっているのかすらよく知らないくらいだ。
ただ、顔は声優雑誌などで以前からよく知っていて「キツネっぽいなぁ」と(笑)

(キツネ好きですけどね)
それにしても、いち声優の発言がちょっとした騒動になるなんて時代も変わったものだ。
これも、ネット時代の弊害だと私は思っている。