3月8日に前の週に契約しておいた恋月姫さんのコンセプトドールを受け取りに「マリアの心臓」に行ったところ、オーナーであり「人形屋佐吉」の店主でもある片岡佐吉さんがお話しをしたいとのことで、「マリアの心臓」の喫茶コーナーで1時間以上お話しをさせていただきました。

片岡佐吉さんは、個展や作品集などで恋月姫さんを世に送り出した人で、恋月姫さんのドールの作品集やドール雑誌の写真は大抵佐吉さんが撮られたもののようです。


佐吉さんのお話によると、恋月姫さんは札幌の「人形屋佐吉」の番頭を20年間されていたそうで、番頭をしながら人形作りを始めたのだそうです。その作品が素晴らしかったので、全面的にバックアップしたとのこと。


私が恋月姫さんのドールは初めての購入であることを知ると、良い人形とは何かについて話してくれました。


良い人形の条件とは、次の五つとのこと。

(1)可愛いこと。

(2)美しいこと。

(3)存在感があること。

(4)品格があること。

(5)確固たる宗教観(宇宙観)があること。


(1)から(3)までについては、特にこまかい説明はありませんでしたが、(4)の品格については名前は伏せますが一部の政治家は品格がないということと、この品格とは作家がその血の中に持っているものだとのことでした。


(5)の宗教観が最も重要で、ここでいう宗教観とは仏教とかキリスト教とかの一般の宗教ではなく、もっと本源的な宗教観、言い換えれば宇宙観のこととのこと。

そういえば、優れた作品はその作品周辺がその作品独特の世界・空間になっているなあと思ってしまいました。


人形の買い付けに海外などに行った際に、良い人形かどうかを一瞬で判断しないと他の買い付け人に勝てないとのことで、一千万円を超える人形を数秒で判断して買い付けて直後に他の買い付け人が5・6人集まってきた話などをしてくれました。


恋月姫さんも番頭として買い付けに海外に同行したり、一人で一千万円を持って買い付けに行ったりしていたそうで、良い人形についての感性が磨かれていったとのことでした。良い人形を沢山見ることで感性が磨かれると語られていました。


また、「マリアの心臓」の展示品を見ながら色々解説していただき、同じ粘土(石塑)ドールでも表面加工の違いやビスクドールの肌の表面の感触などを、本来手を触れないで下さいと注意されるような恋月姫さんや他の作家さんのドールに「触ってもよいから」とのことで、いくつも肌の表面加工の違いを確認させていただきました。

これは非常に貴重な体験で、解説付きで文字通り身をもって肌で感じて学ばせていただきました。


天野可淡さんの話もしてくれまして、天野さんは恋月姫さんと同時期の生まれだが、天野さんは四谷シモンさんと同じで恋月姫さんの前の世代の作家に属し、36歳で亡くなっている事など話していただきました。


この二人は日本の昔の人形作りの名人が持っていて失われたものを持っているという話をされました。


二人の作風の違いは、天野可淡さんが見るものに押し出してくるのに対して、恋月姫さんは見るもののほうが引き込まれてしまうという説明をされていました。たしかこのブログにコメントをいただいたことのあるリリーさんが恋月姫さんのドールは引き込まれるということを何かに書かれていたように思ったので佐吉さんにお話ししたところ、その通りだと感心されていました。


秋山まほこさんや中川多理さんのドールも見ながら解説していただき、恋月姫さんの次の世代がこの作家達とのことでした。


佐吉さんとのお話しで1時間以上経ってしまったので、お支払いを済ませて恋月姫さんのコンセプトドールを受け取って帰宅しました。


ちなみに、喫茶コーナーの近くに天野可淡さんの小さな粘土のドールが4体ほど背中合わせに自然に置かれているのですが、発売当時は12万円だったそうですが今では1体200万円になっているとのこと。利用されるかたは、くれぐれも人形をひっかけないようご注意ください。


購入した恋月姫さんのドールを飾る為のアンティーク調の子供用の椅子が届きましたので、改めて写真を撮りましたのでアップしました。


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