新潮文庫
副題が慶次郎縁側日記
短編連作集なのですが、しょっぱなから重い
娘が結婚寸前で、しかも好きな相手とだからうきうきしていたところで男に乱暴されて、好きな相手にこんな自分を知られたくないと自殺
相手を探して殺そうとしたけれど、相手の娘や自分を案じてくれる手下などにやめろと言われて哀しい気分になりながらも復讐諦め、家を継がせる為に娘の結婚予定だった相手を養子に
しかし養子も嫁を貰わなくてはいけないので、娘の位牌の前でそれは辛いと家を出る…というのが1話目

なんじゃこりゃめっちゃ暗い…とか思ったのですが、2話以降はその嫁さんも養子もいい人で、周囲もいい人
犯罪もあるけれど、そんなに嫌な終わり方はしないという雰囲気でした
1話目があまりに重すぎたのでちょっと読み進めるのを迷いましたが、シリーズ何冊も出ているのが納得です
(むしろ、なんで1話目のみ主人公にそんな重さを背負わせたのか、一冊目だけでは謎でしょうがない)


ラストの証拠が出てくる場面のみ、ちょっと超がつくほどご都合主義な点だけ、気になりますが、面白かったです。