はじまってまだ間もないのに、いきなり結構な事件が起きるので、「え、ここでそんな事件を起こしていいの?」とか思ったら短編集だったでござる
タイトルからして、妖怪の物語と思いきや全然違いました

時代小説を読む人にはおなじみの、甲斐の守・鳥居耀蔵こと妖怪さんが失脚後~牢から出て死ぬまでのお話が1話目
短編集だけど、連作かと思っていたので正直「ここで死ぬ!?」と事件に驚いたのと同じぐらい驚いたのですが、それぞれが独立した短編でした。

その中の一つに、阿呆剣というのがあるのですが
とある押し込み強盗もどきがきて退治→そいつをやっつけた登場人物Aが10年後事故で死亡→その事件の1年後やっつけた登場人物の妹出産
の流れだったのに、生まれてきた息子が「Aさんについては記憶に焼きついている…」みたいな台詞を言うので、5回ほどこのお話読み直しました。
なんで??死んで1年後に生まれたのに、なんでAさんの事知ってるの???
体内の記憶とかにしても、1年じゃ胎内にもいないよね??

6回目ぐらいの読み直しの結果、「あ、ここの事件というのは最初の押し込みの方か」とやっと納得

時系列としては押し込み→一年後出産→出産の9年後に死亡だったのですねあーすっきり
文章としては「(A死亡について触れた後で)この事件の1年後」だったので、事件はA死亡についてかと思って読んでいたからと納得
…いやでもこれ、校正の人指摘してあげようよ…
A死亡は事故だけど、普通の病死だとかじゃないんだから、事件としてもカウントできるよ…

…ここを何度も読み返し、どうして死んでる叔父さんを記憶してられるんだーわからん~となっていたので他の感想はあまり残りませんでしたすみません(笑)
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アルファポリス

以前からタイトルは知っていたんですが、てっきりおっさん系が書いた、納得いかない居酒屋さんについてまとめたエッセイ集か何科かと思っていました
「店で買える酒と家で作れる程度の料理で金をもらうのは全部ぼったくりだ」というシチュエーションでの経営という事で、実際は安くてうまい居酒屋美人姉妹経営中という短編連作物語
お酒方面はまったく興味がないのですが、それでも美味しそうというのは解るチョイスが色々
イラストがちょっと漫画っぽいのが気になりますが(徹底的に漫画っぽいならそういう雰囲気かと納得なのですが、年配の方が実際にいそうなリアリティある造詣なのに、若い世代だと一律美形漫画でギャップを感じる)

料理そのものは、自分で簡単に作れそうなものばかりなのですが、ちょっとしたコツ
(ゆで卵のゆでる何分かというのは、グラグラに煮立ったお湯で、とか皮付き鳥をパリパリに焼くコツとかちょっとした一言が普段意識していない点なので、なるほどと納得させてくれます)
お店は「その店名じゃ常連さんしか相手しなさそうな敷居高いお店」というイメージが遠くもないという、よくいえば地域密着型
トラブルというほどのトラブルではなく、日常的な物語でおいしそうな描写という点では、エッセイに近い雰囲気かもしれません

3巻辺りから恋愛要素が強まってきて、5巻では主人公の女将(といっても20代前半)と店じまいギリギリにいつも訪れる男性とのやり取りが目立つようになり、5巻で一応告白有り
その後自分は結婚しても仕事を続けるだとか、家族のお墓の話になるのでここで終了なのかなーと思っていたら、すでに6巻が出ていまして、まだ続く模様
美味しそうなメニューではありますが、ベーシックなものが多いのでレシピにはあまり役立ちません。
ただそれでも、気軽に飲める居酒屋の雰囲気を楽しむとしては、読みやすいシリーズです。


一昔前は、飲みというと男性の場所的な物語が中心でしたが、最近はこのお話やワカコ酒のように女性が「飲むこと」を楽しむお話が色々と増えてきていますね
私自身は飲めないのですが、上機嫌にほろ酔いの女性は、見ていてなんとなく微笑ましくなります
母の日に、お母さんに日頃の感謝をこめて梅酒セットのプレゼントなんていかがでしょうか

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光文社

…久しぶりに途中(ほぼ終了近くまで来てたけど)読むのをよめてしまった本です
シリーズもので、「めずらしい輸入系野菜などを利用して、料理を作る時代小説」がコンセプトだから、和風ファンタジーと思って読んでいるほうが、心が平和に読めるかも
なんというか、突っ込みたいなあという箇所満載で、時代考証がーこの時代にそんなものはーという人には向かないシリーズです

この本の中では「オランダ三つ葉」と呼ばれているセロリで、江戸時代にセロリがあったの!?と驚かせるのを狙っているのかもしれませんが、清正ニンジンという呼び方で、中国種系セロリも出回っていたらしいので、そっちの情報も欲しかったかな

あ、なんで途中で読むのをやめたかというと、役者に貢いで金がなくなり、子供を育てられないからと捨てた美人。
貢いだ相手が、「私は金をくれなんて言った覚えはないよ」とひどいこといったので、気のいい主人公たち仲間が仕返しするよ!
→役者の気がふれて、舞台上で関係ない他人たちを皆殺し
→「あいつらだって役者の仲間だ!構うもんか!めでたいな!!」

…え
役者は確かに悪人だけど、貢いだ女も頭よくないよね??
無理やり強姦とか、脅されてとかじゃなくて自主的に金を渡してて、まあ捨てられて仕返ししたいという気持ちはわからなくもないけれど、他人殺させるような真似して、やーいやーいって…
女が捨てられたこととは、まったく関係ない他人ころさせて「あいつらだって仲間だし!気にすんなって!」→本文中にそんなエピソードなかったよね!?
ここでどうしても納得できず、読むのをよめました
まあ物語りだしいいんじゃないという人ならいいかもです
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まことの華姫 畠中恵 感想

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角川

表紙とタイトルから、一見美人で完璧な姫様が実はやんちゃないたずらっ子で、でもその行為もすべてお華のように愛らしい
…という話を想像しておりましたが、実際は華姫様は木偶人形でした

真実を映すといわれていた井戸から、出てきた玉を瞳として象嵌された華姫人形
これを腹話術であやつり、謎を解き明かす…という設定で、連想したのは『人形探偵・鞠小路鞠夫シリーズ 我孫子武丸』でした。
鞠夫がほぼ二重人格設定なので、言いたいことをべらべら喋り、でちょっと言動が好きになれないなーでも子供だしというキャラクターだったのに対し、華姫はちょっとツンがあっても気持ちよいキャラクター

基本謎がおき、華姫様が推理する…というような形なのですが、まことを話すその本来の話し手、人形遣いも謎をもっているらしい含みで話は進みます

最後に含みがあった操り手の過去話が暴露(別に悪いことをしていた訳じゃないから暴露というより周囲の浸透とでもいうべきか)されて、それなりの日常にもどりましたという流れ

手軽な読書をしたい時に、頭を使わず読めていいかもですね
でも1500円以上はちょっと高値なので、文庫待ちおすすめ


表紙をめくると、幾つものおいしそうな駅弁がカラー写真で掲載されています
仙台のホッキメシとかえんがわずしとかいいなあ…(今は発売されていないものも多いようです)
とにかく食べるためだけの移動で、駅弁を駅でたったりしたまま食べちゃうと言うのが素敵
それだけ詰め込みの旅なのに、途中で思わずカキフライを食べちゃうのも素敵

タイトルの立ち食いソバは、立ち食い蕎麦屋の各メニューを食べてしまおうと言う偉業に挑戦する作者さんのお話です。
しかし私としては主張したいのは、全メニュー制覇で『○○そば』を食べてそのメニュークリアはどうでしょうかというものです(笑)
うどん派としては、キツネうどんとキツネそば、両方を食べてそのメニューはクリアではないでしょうかと主張したい!

ニンニク注射というのはこの本を読むまで知りませんでした。
実際にニンニクは成分に入っていないのですが、匂いがニンニクっぽいのでニンニク注射だそうです。
いまもやってる人いるのかなと、ネットで調べてみたら、行っているお医者さんなど幾つか見つかりました。
もう今は聞かなくなったなあという、当時のニュースとして残るほどではないけれど、あったあったという話題を思い出すのにもいい本ですね



ここ最近連続して、この作者さんの本が好みだったので、「あ、これ読んでない!」と中身も確認せず手にしたのですが…失敗でした
なんだこれというのが、正直な感想です
作者名の横に絵の担当の方の名前があるのは珍しいなと思ったら、なんか絵本っぽい構成と文字数な本
亀が池の中のいろいろなトラブルを解決する…いやしてないな、お裁きを色々と考えるといった物語ですが、絵本風にしては話が生臭く(シモネタも多い)、大人向けにしてはいまいち何が伝えたいのか解らない本

亀好きな人に亀を布教したいというのではなく、亀をつかった風刺物語ですね 
登場人物が石亀慎太郎に亀野千鶴子というわかりやすい、パロディにはなっています

古本屋でみかけても…中身をまずパラ読みしてから購入検討がおすすめです

だいこん 山本一力 感想

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光文社

この作者さんの初めて読んだ本が、あらすじにするとすごい単調なのに面白い!
…で二冊目は複雑な人物関係がややこしいせいで、爽快感があまり感じられなくて残念
さてこの三冊目は…というところなのですが、爽快感はあるけれど、読んでいて世界観にハマれませんでした

一膳飯屋を営む若くて美人女性が主人公
↑普通ならこの条件だけで、色々商売は大変だろうと思うのですが
主人公が炊くと、普通のお米もすばらしい味に!!
周囲が絶賛、「食べ放題のお店をやるの」それも絶賛、「弁当もやろうと思うの」それも絶賛
人を今まで使ったことないけれど、近所の人は遠慮が出るからダメと、商売始める前から知ってるし、頑固親父も主人公の作るご飯を食べると
「アンタは信用できる!」

…なんだこの主人公無双
料理系の本を読むときは、主人公の料理がうまいというのは普通にあることなので、「どうして美味しいのか」が知りたいところ
たとえば米を炊く際に、冷たい水で何度も洗うだとか、少し酒を加えてみるだとか、新米しか使わないだとか隠れた工夫があって、美味しい米がたけるというなら納得なのですが…
この本では主人公が炊いたら、とにかく平凡な米でも旨いとしかないので、作者さん料理をしない人なのかなあとしか思えませんでした
これ作者さんが女性だったらメアリー・スーとか呼ばれる小説扱いされていたんじゃないかなあ

とにかく主人公は心優しくて美人だから、周囲が無条件で応援してくれるよ
料理美味しいけど、特にその料理に関する工夫の文章はあまり伝わってこないよというのが気にならなければ、若い女性のはつらつ物語として楽しめるかもです



世界文化社

名前は知っていたけれど、由来は単に似てるからかなあと思っていたら、そうでなかったり、よくある外人が聞き間違えて
現地の言葉でわからないといったのがその動物名になったみたいな、あまり知ることのないコネタが多く、情報量は少なめでも楽しめました
タツノオトシゴの他にタツノイトコとか、タツノハトコとか…
植物も幾つか載っていますが圧倒的に、動物の変なネーミングの方が面白いですね

自分でその生き物を調べ、興味をもついい一歩になりそうな本でした
お子様でも、楽しめるんじゃないでしょうか

希望荘 宮部みゆき 感想

テーマ:


シリーズの何冊目か
主人公そのものの特徴は薄いのですが、「大金持ちのお嬢様(愛人の娘だった)と結婚しちゃった一般人」が動くシリーズと聞けばああ、それかと読んだことある人ならわかるかも
このシリーズは展開が重いので、今回はドツボで終わった主人公がどうなったのかと気になって手にしました
(なんかいきなり大事にしていた妻が、ほとんど理由などないような状態で離婚したいとか言ってきた)

一人になった主人公が始めたのは、探偵。
短編集の形式で、主人公の回想に娘は出てきても元妻は存在感なし
妻との関係については何の進展もない、普通に短編ミステリとして終了でした
奥さんの浮気についてが、どうしても前作でよくわからなかったので、解明する謎とかを期待していたのですが、それはなかったです
(多分一般的には、もう浮気は浮気として終了なのかな)
毒の少ない本でしたので、軽めの宮部作品が好きな方にはいいかもです

重いあの前作の続きは?として読むとちょっと物足りないというところでした
主人公が彼でなくていいかなーという短編ミステリです
今回は感想ではありませんが、本屋で驚いたので
グイン・サーガが続いていてびっくりしたよ




栗本薫先生の死去で、個人が書いた最長ファンタジーは途中で終わってしまいました
(ちなみにギネス申請したけど、1冊にまとめられた作品ではないという理由で却下された)

100巻で終わらないまま130巻まで出て未完に終わったのか…と長年思っていたのですが…
先日、まだ本屋で新刊が出ているのを見かけてびっくり!

別の作家さんが続きを書いていたのですね
しかも一人じゃなくて、連作?
グインは初期の頃で断念してしまったので、今読んでも内容はまったく和からなそうですが、最終巻でグインの仮面の謎とかが解けるならそこだけは読みたいなあ
30巻ぐらいまでは、楽しんで読んでおりました

余談ですが、栗本先生初期の頃の作品は、時代を感じさせる作風でも好きでした

……後半は……あえてお口にチャック…
栗本先生は自キャラ萌えがはじまると、そのキャラのお姫様化カマ口調になってくんだよね…
ご本人の出された同人誌は、本編のイメージを崩したくなかったら読まない方がおすすめです
(普通ご本家が出された本って、ファンにとって至高の宝なんですが)