きずな [ 杉本章子 ]

きずな [ 杉本章子 ]
価格:679円(税込、送料込)



短めなので二冊まとめて感想
文春文庫

信太郎人情始末帖シリーズ、4冊目をマズ読んで、次に5冊目を読んで、やっと1冊目に到達しました(笑)
4冊目では副題のメイン人物信太郎なる人が、許婚を袖にして年上子持ち後家さんとくっついたせいで、もともとの許婚が強盗に強姦されて自殺したという筋立てがあり、その許婚の名前がおすずさん
流れを知っているだけに、どれだけどろどろのお話かと覚悟を決めて手にしたのですが、お話はもういきなり信太郎が家を出ているところからはじまっており、惚れただの許婚の涙だの、わかれだのひどいわ信さんとか責めるだのといった箇所はスルーとなっておりました。

この本は読んだ時点ではあっさり読んでいたのですが、最後の解説の方のポイント説明が秀逸でもう一度読み直したくなったという珍しい本でした。

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その日 杉本章子 感想
文春文庫
信太郎人情始末帖シリーズ6冊目。
内容が読みやすく、結構人気がありそうなシリーズだと思うのですが、間延びするエピソードをほとんど要れず、物事がリアルタイムで進行するように展開が速いので読み応えがありますね。
この本ではおぬいさんの息子が義理の兄のところへ丁稚奉公に行ったり、その義理の兄の子供が他家へやはり奉公に行ったり、独立した暖簾分けのお店が不義理をしたので、暖簾取り消しにしたりと色々あり、最後には大地震でした。
地震部分は、通常の小説と異なりドキュメンタリー風という珍しい文章です。

ところで暖簾分けしたお店の、暖簾取り消しとかあるのですね。
多くの時代小説読んでいるつもりでしたが、知りませんでした。
今回は地震をきっかけに、姑が折れてというまとめ。
ありがちですがそのありがちが、日本人として嬉しい展開です。