文藝春秋
三島屋変調百物語、シリーズ三冊目です。

1冊目が暗めのお話で、2冊目が随分明るい話になったなあと思ったら、3冊目は不思議と雰囲気は明るいけれど、集められた不思議話はちょっと暗いといった雰囲気です。
特に「まぐる」は三毛別羆事件を思い出して、怖かったです。(三毛別羆事件はよろしければhttp://ameblo.jp/tukiroman/day-20091116.html参考ください)
タイトルにもなっている泣き童子のお話は、よく怪談としても利用される夏目漱石の「夢十夜」のお話を連想しました。

ちょっと気に入った会話は「お汁粉は好きだけど小豆を茹でてる時の匂いは嫌い 鮨は鮨メシを作るときの匂いが嫌い」というもの。確かに天ぷらは好きだけど、天ぷら作るときは匂いでまいっちゃうから、あまり好きじゃないかもと、目からウロコでした(笑)

ヤキモチすぎて、二人でお参りすると仲を裂かれるという神様に、カップル二人で思わず出向いてしまう愚挙など、読んでいると「バカだよね」と思うけれど、当事者だったらやっちゃうかもなあ…と思わせてくれるのが、宮部先生の筆力ですね
短編最後の、謎の死人の顔を映す仲介屋が、シリーズのキーワードになるようです。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村←読んだよ♪かわりにクリックくださると嬉しいです

【送料無料】夢十夜 [ 夏目漱石 ]

【送料無料】夢十夜 [ 夏目漱石 ]
価格:525円(税込、送料込)