【送料無料】あい [ 高田郁 ]

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価格:1,680円(税込、送料込)




角川春樹事務所

新刊情報で、角川春樹事務所、高田郁とあったので「みをつくし料理帖最新刊出るの!?」と本屋を探し回っておりましたが、別の長編読みきりでした。
文庫ではなく、ハードカバータイプです。

実在の人物、関 寛斎に嫁いだ「あい」の目線の一生の物語。
…関 寛斎すげぇといいたくなるぐらい、波乱万丈の一生です。
千葉で生まれ育ち医者になって、長崎留学して、徳島でご典医になって上級武士になったのに、官軍の奥羽出張病院長として、敵味方の別なく治療して、もとの農民身分に戻って北海道開拓に全財産つぎ込んで、子供12人奥さんとの間に作って、最後82歳で服毒自殺。

…この小説では、あいが亡くなるところでお話は終わっていますが、最後寛斎は自殺をしていたのですね。
調べてみると、息子と開拓方法について争ったなどとありましたが、ここまで自分を貫いて生きていた人物が、そこで自殺という道を選んでいたことにショックです。
やはりそれまでは、この物語のように「あい」が全てをうまく周囲と調和させ、また寛斎の心の支えになっていたのでしょう。

主人公あいの性格は、ひたすら前向き。何があっても明るいところ、いいところを探し、「大丈夫」と微笑んでくれている素敵な女性でした。
一方旦那は、すばらしいと尊敬すべき人ではあるのですが、父親や夫、とりあえず身内には絶対欲しくないなという人間。
本来でしたらその波乱万丈な二人の人生、苦労譚になってもよさそうなのですが、主人公がひたすらまっすぐで、夫を信じたたえるので苦労話にならないというすがすがしさ。

しかしながら、70歳頃にやっと大金持ちになって、落ち着いた生活を…という時に、夫が「わたしは北海道開拓に行く 全財産そっちにつかうから」と言い出すのは、他人でもちょっと待って…といいたくなる晩年です。
北海道開拓は、確かに士族もいましたが多くは廃藩置県で仕事がなくなった人だったり、一部はならず者と呼ばれていた人たちだったりで、70歳で行こうなんてのはそれこそ、普通だったらよほどの訳アリ人かと思われる所業です。

結局無理がたたって、あいは北海道へは行けたものの開拓に携わることなく死亡。

あくまであい視点なので、清々しい締めとなっていますが、これ他人から見たらもんのすごい艱難辛苦な人生です。
夫を主人公にした本も、色々出ているらしいので探してみます



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