講談社文庫

二階堂蘭子シリーズは、長編だと蘭子の性格が同性として好きになれないので(あえてそういう設定にしてるのでしょうが)ちょっと辛辣な見方をしてしまうのですが、短編集だと性格描写が少ないためか、サバサバした女ホームズ的な快刀乱麻の推理絵解きは結構好きです

お話の設定は、戦後まもなくと金田一耕介シリーズとそう変らない時代っぽいのに、世界観があまりに違いすぎてどうもピンとこない(笑)
金田一が戦争の傷跡残る、ドロドロした因襲と血筋や縁戚関係みたいな印象に対し、こちらはほぼ今の生活と変らず…ただし携帯だとかPCが存在してないよというだけで、主人公たちの性格も考え方もほぼ現代 
なので、感情移入しやすく読みやすいと思います


ちょっとこの作者さんで苦手だなあと思うのは、惨劇を表現するところだけ急に表現が大仰になるところ
それこそ現代的にソファーに座ってコーヒーを飲んでる中に、いきなりくしゃくしゃ和服の金田一先生が乗り込んできたような文章になって、どうも違和感が出てしまう

短編6作で、蘭子がアームチェアデテクティブとしてお話を聞いただけでサクサク解決していくのを、爽快と思うか無理矢理に合理的にこじつけてるとよむかで印象が随分変るでしょうが…ここは普通にミステリ好きとしては蘭子の謎解きを称えたい
そんな一冊です

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