7月、小学4年生に読んだ本はこちら。わたしにとっても、はじめて読む本です。
いわたくんちのおばあちゃん/主婦の友社

『いわたくんちのおばあちゃん』天野夏美 作 はまのゆか 絵
おはなしタイムの15分間では全文読むには短いので(読めなくはないけれど…)最初と、合間に解説のようなものを入れつつ、いわたくんちのおばあちゃんがヒロシマで体験したことを中心に読みました。

hoshi*わたしが子どもたちに話したことばは太字で、本の文章の引用は緑字で書いています。

台本として作ってみたのは─
7月は毎年「戦争」に関する本を読んでいます。今年はこれです。『いたたくんちのおばあちゃん』。ちょっと長いおはなしなので、いわたくんちのおばあちゃんが体験したことを読みますね。

このおはなしに登場するのは、小学4年生のぼく、仲良しの友だちで6年生のいわたくん、いわたくんのおばあちゃんと、いわたくんのおかあさんです。
(カバーそでの絵を見せながら)。

運動会の日、いわたくんのおばあちゃんも学校に観に来ますが、記念写真を撮ろうとすると「いやーよ」と言って断ります。いわたくんのおばあちゃんは、絶対に家族と一緒に写真を撮らないんだそうです。その理由を゛ぼくは知っている、といいます。どうして知ったかというと─ここから読みます。

それは
この前の「平和学習」の時間─


「広島には平和学習っていう時間があるんだね」と言いつつ。

原爆が落ちて、ちづこさん(いわたくんちのおばあちゃん)が見た惨状は、ことばでは表現されていますが、絵はすべてを描写するのではなく、一部分のみを、黒よりもむしろ紙の色の「白」を活かし、ぼかして描いています。

いわたくんのおかあさんが体験談を話した後に、「この写真(8月のはじめに撮った家族写真)のことを話しとかんといかんね」と、ちづこさんが写真館のおじさんと再会し、写真を受け取ったことがわかります。

「家族みんなで 写真をとった あの日。
 でも、写真を 見ることが できたのは
  ちづこさん ただひとり だったのです」


しーんと教室は静まり返りました。

「また運動会の場面に戻ります」と言いつつ、いわたくんちのおばあちゃんが家族といっしょに写真を撮らない理由をぼくが説明する部分をを読みました。

「いわたくんの友だちのぼくは、こんなふうに決心します。」と、
ぼく、戦争せんけえね。からはじまる、ぼくの決意を読み…(「せんけえね」っていうのは広島のことばで「しないからね」って意味だね、と解説)

そして、最後。
「この写真を見てください。これは、作ったおはなしではなくて本当にあったことなんです」と、あとがきに添えられた家族写真を見せると、「はっ」と息をのむ音が聞こえました。
「わたしも、これを知ってほんとうにびっくりしました。いわたくんのおかあさんは、原爆の話を伝える時、こんなふうに結ぶんだそうです」

「『戦争なんてずっとむかしの話』なんて思わんでね。
ひょっとしたら『未来』の話になるかもしれんのよ。
『未来』、それは、君たちみんながつくっていくものだからね」


「はい、ぼくは「戦争せんけえね」と決心しました。みなさんは、どう考えますか?」
本の表紙を見せて
「『いわたくんちのおばあちゃん』、本当にあったおはなしでした。」

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もし次回、このおはなしを読むことがあったら、最初にこんなふうに聞いてみてもいいかな、と思いました。

「みんな、家族で写真を撮ることはありますか?」あるならば
「写真を撮るのは好きかな?」
そこから「いわたくんちのおばあちゃんは家族で写真を撮ろうというと「いやーよ」と言うそうです」と始めてみる方法もあるな、と。

毎年、戦争に関する本を子どもたちに読んでいますが、わたし自身も読み続けていきたいと思っています。


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