いちばん最初に断っておくんだけど、
音楽に限らず解釈は公式と自己解釈がいちばんなので、
何度も言うけど解釈違いは黙ってスルーで頼みます。
自己解釈いちばんとか言っても噛みつかれると心が折れちゃうからね…。
僕は僕のドラマストアを愛し、君は君のドラマストアを愛してくれ。



【Dancing Dead】

初めて聴いたのが1月11日のワンマン。
本編半ばに、新曲!ってぶち込まれたのがこの曲。
おお!?珍しいタイプの曲来た!ってなって、
めちゃくちゃタイプだな!って爆上がりをした。
普段のドラマストアの音楽は“好み”という観点から言うと、
ど真ん中からはちょっと外れていて、
それ故に愛の深さを知るって話ではあるんだけど、
こういう曲来るとピンポイントで狙い撃ちされた気分になるくらい、好きです。

という第一印象だった、Dancing Dead
音源になるのすごく楽しみにしてたんだよね。
事前にライブで聞いてる分、期待値がいちばん高かったかもしれない。
同じくらい、イミテーション・ミュージックショーがそうだったんだけど、
ライブと音源のギャップに出会ったらどうしようかって心配もしてた。
いや、イミテーションはあれはあれで興味深くていいのよ、
ライブ版が圧倒的に好きって言うだけで。

だから、再生ボタンを押す時めちゃくちゃどきどきしてたしわくわくしてた。
一音目から、ほら好き!やっぱり好き!ってなったのでしあわせだよね。
っていうか金管の音なんて入ってたっけ…!?っていう。
ブラスバンド部でアレンジして演奏して欲しいなこれ…って思ったので、
顧問の先生に売り込んだらいいと思うよ中高生…!
曲だけ聞いてても絶対楽しいアレ。
できればファイナルワンマンでは生ブラスでお願いしたい。
あと最初の英語は誰が言ってくれるんですか!かずやさんですか!(うるさい)

初めて聴いた時も思ったんだけど、ベースラインが好いんだよね。
完全に耳を持ってかれるやつだし、ゆーまさんはこういう音が似合うなぁ。

聞き飽きたと思うんだけど何度でも言います。
僕はゆーまさんの音を単純な好みの話でいけばすごく好きな部類だと思ってるのね、
でも、単純な好みの話だけではやっていけないのがバンドへの想いで、
言ってしまえば、ゆーまさんの音はポップバンドの中にあってだいぶ強い。
だいきさんの音は珍しいくらいにやわらかかったから真逆と言ってもいいくらい。
僕はそれが受け付けなくて随分足踏みを繰り返してしまったのだけれど、
だいきさんの音が体に残っている曲はともかく、
ゆーまさんの音、を現メンバになってからの曲たちではちゃんと聞いてきたつもりだ。
だから最近は随分とフラットな気持ちで聴けるようになったし、
こういうゆーまさんの音がその強さ故にしっかり映える曲が好きだなぁって思う。
好きだ、っていう感情だけで、好きだ、って言えるのはすごくしあわせだって思う。

新曲!って持ってきた曲がこんなにも心を華やがせて、
ベースラインも好きだって思えてうれしすぎてならない~って言うのが初聴の時で、
こんなにベースにきゃっきゃきゃっきゃしてたのに最後の最後に心を持ってったのは、
かずやさんのドラムのアウトロ締めで、そういうところ、ってなったことを覚えてる。
音源とはちょっと違ったかな、たぶん、最早覚えてないけど。
音源の締めもかっこいいけど、音源は最後までベースかっこいいが圧勝です。

薫流さんは元来ベースマニアだったな、ってことを思い出したところで、
歌詞の話をしたいんですがその前に海さんの声の話をしますか?しましょうか!

海さんはね、ハイトーンを推されてるところをちらほら見るし、
僕もあのハイトーンを美しいなとは思っているんだけれど、
同じくらい海さんのロートーンが好きなんですよ…!!!
メロ部分のぐっと抑えた低音好きすぎる…、ってなるし、
サビ入りの高音が効きまくってサビの最後落とすのが最高すぎる…ってなるんだよ!
これが!僕の好きな!長谷川海というボーカリスト!!!ってなる。
耳がしあわせとはこのことですか、があふれている。

ふぅ、興奮しました。落ち着きます。
こっから歌詞の話ですね。

これは何度もしてる話なんだけれど、
海さんはね、ずっと選択の話をしてるんだよね。
出会った時からずっと、選ぶ、話をしてるの。
滝のように押し寄せる情報の中で、何を選び、何を選ばないのか。
どす黒い赤が最奥にあって、犯行声明の系譜なんじゃないのかなこれは。

流されていくのも処世術で、それだって悪くはない。
ただ、どの流れに君は乗るつもりでいるの、って問われてるんだろうな。
どうせ流されていくならこの手を取ったらいいじゃない、
この悪夢の中で夢を見せてあげよう、って自信たっぷりなの好きしかない。

楽になりたい、の意味は二重に取ることができて、
周囲の雑音なんてを振り払って単純で鮮明な心の声に従って楽になれよ、
って言う、思いっきり背中を押す叱咤激励の意味と、
決められないならこの声を信じてみろよ想定外の向こうへ連れてってやる、
って言う、どこまでも頼もしく扇動的な意味と、
殻に閉じこもって1人であるうちには成さないことだって、
“ここ”でなら変容するんじゃないのかって思わせてくれる彼らなんだよね。

ドラマストアはさ、まぁちょっと過激なアンチがいたりしたじゃないですか。
今もいるのかな、私はその辺耳を塞いでるので知らんけど。
ただ、あの頃のことを思い出すような曲だなって思うんだよね。
がまん、って言いながら、がまんしきれなかった海さんを僕は愛しいって思ってるし、
その時の経験がプラスにもマイナスにも取れる歌詞を形成したのかなって、
皮肉と愛がうまい具合に混ざってマーブル模様を描いてるのがこの曲だと思ってる。
自分のメンタル状態や人間関係の変化で一気に意味が反転しそうなこの感じ、
めちゃくちゃ好きだよばかめ!!!ってなってしまう、楽しい。



【可愛い子にはトゲがある?】

せっかくMVがあるのでまずはリンク貼っときますね。
https://youtu.be/8mpNj0O5_dM

第一印象は、ほしのげん…?だったんだよね。
いや、あの、悪い意味じゃなくて。
ポップに振り切った、っていうか、あの界隈が好きそう、って言うか。
僕にとってはDancing Deadよりこっちの方が意外だった。
ドラマストアはポップミュージックを標榜してはいるけど、
この手の曲が生き生きとしてきたのは鳥山さんになってからだよね。
好きって言う人も増えたんだからそれはすごくいいことなんだろうけど、
私はまだまだびっくりしちゃうんだな、このタイプの曲。
ってめちゃくちゃ冷静にメンタル分析しました。

可愛い曲なんだよね、キラキラしてて、キャンディみたいだって思う。
こう、キューブ上の二段組みの、わかるかな。
キュービィドロップで画像検索してもらっていい?した?
この曲のイメージって、視覚化するとあれなんですよね。
全面に可愛さを押し出してくるの、そのあざとさまで含めて可愛すぎないか、って話です。

私を中心に世界は回ってる、って感じ好きだし、
その中で出会うヤキモチって傍から見てる分には可愛いんだよな。
向けられるとうんざりするけどな。笑
曲調はまったく違うんだけど鴉の舞台裏を思い出してふふってなりました。
ボーカリストはさぁ、負けず嫌いだよね!
俺だけ観てろ!っていうボーカリスト好きだよ、大丈夫。笑

それから、Stand Up! の時のMCを思い出すんだ。
俺らにとっては正解も間違いもぜんぜんあって、
勝ち負けも当たり前にある、って言葉。
何言われたって勝ちに行く、って宣言されたようで胸がぎゅっとした。

あとねぇ、これはもうねぇ、一曲ずつ感想書くかってなって、
あらためて順を追って歌詞を拾って音を拾ってってしてるからこそ、
してやられた!って感じがあるんだけど、
「どっちがいいのとか白黒つけたがるなら
 どっちでもいいからキミに選んでもらいましょ」
って、Dancing Deadの歌詞から考えるとめちゃくちゃ皮肉効いてて好きってなるやつでした。
キミに流されて飛び出した世界が煌めいているなんて道理じゃん、
って笑いたくなってしまって、はぁ好きだなぁ、ってなったよ私。

バレないように、からのメロディラインと歌い方がはちゃめちゃに好きだなって思っていて、
可愛いは正義、ってほんとその通りだよって思っていて、
可愛いで売ってる、って笑ってた海さんを思い出して笑ったりなどしました。笑

ずっと前にさ、海さんが言ったんだよね。
あなたの音楽なしじゃ生きていけない、なんて、
そこまで想ってもらえるのは最高にしあわせだよ、って。
そういう今までの言動を思い返すだに、
海さんの事みたいだなって思って、そういう意味でこの曲は愛しいなって思う。

君が回す世界に巻き込まれて、
いつも笑ってるわけじゃない、太陽って言われるのがしんどいこともある、って、
そう言ってた海さんが笑うなら僕も一緒に笑うから、
夜の先の朝で何度でも振り向かせてくれよ、って思っちゃうんだなぁ。



【ラブソングはいらない】

この曲の話はもういいか、散々備忘録に書いたしな。
え?だめ?だめか。じゃあちょっとだけ。

ひとまずMVは初見の感想を置いておきますね。
https://fusetter.com/tw/Uw5FX#all
真面目にジェンダー論の話をしてるので、
もうちょっと物語に寄った感想を書きたい気がしないでもないけど、
思ったまま終わってますね。笑
映像分析は専門じゃないので気ままに語ります。
URLに飛ばない人もいると思うのでハイライトを置いておこう。

『"女性らしい"を壊そうとしておいてプロポーズの時の服装はどこまでも女性らしさにこだわるの?なんで?ってなりましたが、この呪いのような世界に生きているとドレスコードはワンピースって刷り込みがある部分もあるので、ああ、彼女は呪いの中で生きていて、その世界で彼女がプロポーズすることに意味があるんだろうなぁ』

“らしさ”の呪いって言うものは実際にある。
それを壊そうとしたはずの映像で、象徴表現に動揺してしまうくらいには、
だいぶ安定したと思ってたのにまだまだだめだなぁ、と思う。
ましてや海さんは、女の子だからこの色、とかそういうの気持ち悪いって話をした時に、
俺もそう思うよ、って言ってくれた人だから尚更かな。
ジェンダーフリーの闇だなって思ったし、その中で彼も藻掻いてるんだなって。
海さんのジェンダーがどうとかっていう話ではなくて、
そういう話を真摯に受け止めて考えてくれている、と言う意味で。
たくさんの物語を吸収して、たくさんの物語に色を与える。
秘密のMVの感想を書いた時にも書いたと思うんだけれど、
そういう語り部の部分を感じる度にドラマストアのドラマストアたる所以を思う訳です。
秘密に関するなっがい感想はこっちをどうぞ。↓
https://ameblo.jp/tukasa-sora/entry-12387104534.html

話が逸れたけど曲の話ね。
何度も何度も書いてるから伝わってると思うんだけど、
かずやさんのこの手の優しい音がめちゃくちゃ好きなんだよね。
かずやさんの音は元々あまり角がなくて、面で触れる、印象が強い音だ。
叩き方の話じゃなくて、音そのものの話ね。
僕は別に音楽詳しくないし鳴ってるのがどの音かを判別できるわけじゃないけど、
印象として、高音帯が少ないからかもしれない。
好きだよねぇ、この手の音。
逆にきつく締めた高音(スネアが顕著かな)ドラマーは苦手。

保護者なのかな…?ってくらいに優しい音をしてて、
この音の上に海さんの陽だまり色の声が乗るの最高じゃないですか、って話なんですよ。
ちなみに海さんは黄色い人だなって思うんですけど、
蒲公英や向日葵の時にオレンジを孕む黄色ではなくて、
菜の花とかミモザとかの、けぶるように光を吸って放つ黄色なんですよね。
幸福の色そのもなんじゃないかって思う陽だまり色の声をした海さんの色が、
僕にとっての幸福の色である黄色であるってすごいな、しあわせだな、って思う。
(余談だけど、黄色い人、なのは出会った頃の髪色を引きずってくるのかもしれなくて、
 今の重めの色の髪も大好きだけど、金髪の海さんは安心します)

音の話に戻るんだけど、この曲のベースを聴いた時、
あ、ゆーまさん、めちゃくちゃ引いたな、って思ったんですよね。
前述したようにゆーまさんの音は、強い。
主張もそうだし、音そのものになんていうかこう、鋼の気質が見える。
だいきさんの音はふわっふわの真綿みたいな音だから、
僕がどれだけこのベース音のドラマストアに馴れるのに苦労したか、という話。
好きな音だけどこれじゃない、っていう苦しさって想像以上なんですよ…。

話が横に逸れたけど、そんな印象のゆーまさんの音が、
この曲では随分とやわらかく、後ろに引いていた、って思う。
ああ、私、この人のいるドラマストアを愛していけるって、
ようやく頭じゃなく心で思えたのはこの曲だったんだと思う。
引いているのはベースだけじゃなくてドラムもそうだ。
それが、優しい、って言う印象にも繋がってるのかもしれない。

ラブソングというものにあまり興味がないタイプなので、
いつでもふんわりふわふわ聴いてたんだけど、
同じ気持ちならいいのに、って彼はこれまでも何度か歌っていて、
恋から愛に変わる物が、君と歩いていきたいという想いが、
ラブソングの形をしてたって恋愛とは限らないよなぁって、
私はドラマストアとそんな時間を重ねてきたな、なんてことを思ったら、
時々決壊したように泣いてしまいそうに、なる。

僕はオリジナルメンバのドラマストアを今だって大好きだし、
今のドラマストアの事もすごく大切に思っていて、
それはかずやさんも海さんもちゃんとわかっててくれていることは知ってる。
好き、だけで走って行けた恋にも似た感情が、
いつか愛になるならそれもまた正しいひとつなんじゃないかって、
大切であればあるほど倍以上の時間が掛かるって事、
その時間を簡単に選べるくらいだいじだってことも、
僕はちゃんと伝えてきたつもりでいるし、伝わってるとも思ってる。

言葉にならなかった想いが、壊れる前に届いて欲しいって、
いちばん傍にいたいのはドラマストアだって想いが変わらないことも、
何度だって僕は届けに行かなきゃいけないって、思ってしまうから、
海さんがライブでいつも擦り切れそうな声で、
「君に贈る最後の」って届けてくれるのに心が絞られて最近はそこでよく泣く。

あとね、これはもう海さん狙ってるのかなって思う部分なんですけど、
ずっと一緒、って音だけ聴いてると、ずっと一生、に聞こえるんだよね。
ああなるほどプロポーズ、っていう空耳仕掛けなのかなって、
これで無意識だったら空恐ろしいって話なんだけどどうなのよ!?
それから僕はこの曲とある漫画から物語を拾ってニリンソウの絵を描いたんですけど、
ニリンソウの花言葉は「ずっと離れない」です。
ドラマストアからのラブソングへの僕からの返歌です。以上。

あとこれはすごくすごくどうでもいい話なんですけど、
私この曲のサビで手を上げたいんですよ…
前のツアーの福岡のとき、最後列で観てたので、
いいかな!って思ってきゃっきゃと手を挙げたら、
ちらっとこっち観た海さんに、ふふって笑われたのいい思い出。
好きに観てて、っていうの昔から変わらなくて大好き。



【東京無理心中】

絶対再録しないって言ってた曲を再録するって事にものすごくもやもやしてしまって、
たぶんドラマ主題歌になったからなので、
それはすごくうれしいしそれなら仕方ないってわかってるんだけど、
やっぱり原曲リリース時のあれこれ故に理解はできても納得はできない。
っていうことは最初にお伝えしておきたい。
前のメンバの曲を今のメンバで再録なんてして欲しくない、っていうのとは、
ぜんぜん違う角度からの、なんで再録したし!っていう動揺…。

その話はかずやさんともしたし、
だからって俺が古参より新規をだいじにしてる(意訳)とか思わんで欲しい、
寧ろ俺がいちばん最初に気に掛けてるのはそこだから疑われたら嫌だ、
って言ってくれたことには泣きそうになったし、
気が向いたら聴いて、と言わせてしまったことは申し訳ないと思ってる。
それと同じくらい、ありがとう、とも思ってる。

だからこれは、再録は聴いていない私がする、東京無理心中のお話です。
あ、ライブ版は聴いてるしドラマも観てるから厳密には聴いてないわけじゃない。
この曲の話を書くか散々迷ったけれど、
そこも含めて、きちんと僕の今の気持ちを残しておきたいと思う。

まずは音の話だけ先にします。
僕はね、今はもう解散してしまったリリィノートっていうバンドがすごく好きで、
ギターにあまり興味のない僕がめちゃくちゃ好きだって思うギタリストがいました。
その人はもう音楽を止めてしまったけれど、今だっていちばん好きなギタリストです。
ミラーボールみたいにキラキラしてて、ハレーションを起こすほどに眩くて、
その人の音によく似た音をくれたのが、前のギタリストである小川さんだった。

誰の代わりとして、という歌詞に心臓が痛んでしまうのは、
私が小川さんの音を好きなのはしゅうくんの音を重ね見ているからなんじゃないのかって、
そう思っては、違う、そうじゃない、って打ち消してきたことがあったからだ。
音楽変遷は恋愛療法にも似ていて、その度に同じような想いを抱く。

それに加えて、ドラマストアはギターとベースが変わった。
今のメンバになってから、僕がどれだけの想いを殺して、どれだけの想いを捧げてきたか、
鳥山さんは小川さんの代わりじゃないしゆーまさんはだいきさんの代わりじゃない、
何度も苦しい中で繰り返し、今のドラマストアへの愛しさを積み重ねてきた。
だから、ライブで聞くのはしんどかったけど、向き合わなきゃいけないって思ってたよ。
でも、ワンマンでアレンジが変わっていたのを目の当りに瞬間、
ぜんぶが崩れ落ちていくような気がした。
僕は、グッバイ・ヒーローをピアノアレンジで良かったと思ったけれど、
東京無理心中はピアノアレンジにはして欲しくなかった。
違う種類の音、は代替品みたいですごく哀しくて悔しかった。
ただでさえ小川さんの記憶に密接に繋がっているこの曲だというのもあって、
混乱して、息が苦しくて、どうして、って繰り返すしかなかった。

いつか俺らとあなたの音楽で溺れて一緒に死んでも良いって思える日を作りたい、
って海さんはこの曲のレコ発の時 言っていたし、
僕も、ドラマストアの音楽となら一緒に溺れてもいい、
この音楽がもたらす幸福に窒息して果ててしまっても構わない、と思ったけれど、
それは今のドラマストアじゃなくてあの日のドラマストアだ、なんて、
オリジナルのドラマストアに会いたい、なんて思わせないで欲しかった。
今も昔も大好きだから、どうしても嫌だったんだ。

だから結局この曲もまた、僕は再録を聴けないままだ。ごめん。
聴けない、度に罪悪感が募っていって、
ファンを名乗るべきじゃないのかもって、思い詰めたりもする。
かずやさんが再録を嫌がった私にくれた言葉はすごくうれしかったけれど、
海さんが群馬で言ってくれた言葉も許された気持ちになって泣いたけど、
やっぱり今でもこの息苦しさは、抜けない。

とは言え、僕はこの曲がとてもとても大切なので、
音と再録から離れて、好き、の話をします。

てっぺん、という言葉に思い入れがある。
「あいつは最強のミュージシャンやから俺が上まで連れてくし、みんなの力でてっぺんまで連れてってあげて」
何度でも何度でも、僕はこの言葉を思い出すし、
これと脱退を踏まえてもう一度歌詞を読んでもらっていいですか、
メンタルがぐずぐずになって号泣必至です。

この曲を書いた時しんどかったのかな、とか、
リリース付近の海さんがあんまり元気なかったこと、とか、
それまでだって心に来る要素はあったんだけれど、
リリースの二ヶ月後には脱退のお知らせがあって、
ああ、この曲は祈りだったんじゃないのかって、思ったりして、
クランクアップの時に死ぬほど泣いたところから僕は進めていない。
(ところでクランクイン、クランクアップという言葉を冠するの、
 バンド名に即した世界観で大好きだったから戻ってきて欲しい。
 ついでに言うとドラマフェスタも戻ってきて欲しい。
 あと、通販サイトのURLがドラマストアオンライン、だったのも、
 同じく、その世界観!好き!っていう案件でした)

海さんの歌詞はとても小説的だ、って僕は思っていて、
東京無理心中はそれが顕著だな、って思うんですよね。
好き、という言葉を使わずに、好き、を伝えるのが文学だってよく言われるんだけど、
その観点から言ってもこの曲はまさに、文学、なんですよ。
それがすごく、面白くて、僕は好きです。

高いところに登って手を伸べても届かない物とは。
と問われてイメージされるのは星だと思うのだけれど、
歌詞の中には一度も星は出てこないんだよね。
その出てこないイメージの中の星から更にイメージされる物とは。
夢、憧れ、亡くなった人、なんじゃないかと、思う。

それに加えて、登るだけじゃなく潜るじゃないですか。
空の対比として地下を描いただけじゃないんですよ、
夢は、種のまま土に埋まっていることも多く、
地に落ちても、憧れ、は憧れのままで、
亡くなった人、は土に還るんですよ。

登っても、潜っても、いつもの場所に行っても、届かない。
実体のないそのぜんぶを抱えて、踏切を渡る。
それを思ってラストの歌詞を聴くじゃないですか、
え?泣くの?泣くの?泣くよね…!!!ってなりましたよね。
明確にされない、手を伸ばす先、が二重ヴェールとか好きすぎました。

あと、当時はさらっと流してしまったのだけれど、
改めて歌詞を文字で捉えて衝撃的だったのが、
“アイ”ってカタカナだったことなんですよね。
それを選ぶのに、"愛" があれば良かったんだし、
選んだのが紛れもなく"I(私)"であれば正しかったし、
もしかしたら、"哀"があるならこれまでは嘘じゃない、のかもしれない。

掛詞、は歌詞の醍醐味のひとつだと思うんだけれど、
アイ、という言葉ひとつで心を揺さぶりすぎじゃないのか。

私は、揺れてしまう心ごと箱に入れてリボンを掛けて引き出しに入れたし、
それを選んだ理由は愛だ、って言える。
そして苦しくてもそれを選んだのは、私自身だ。
哀しくて苦しくて、でも、知らないまま、苦しくないより"今"が良かった。
ああほんとに、時限爆弾みたいな曲だ。
と、今改めて思っている。



【チョコレートボックス】

めちゃくちゃ好き!!!
っていうのをいちばんに言っておかなければならない。
このアルバムの中でいちばん、ドラマストア、を感じる曲だった。
聴けば聴くほど好きになるし、泣きそうになる。
いちばんレスポンスが欲しいって言ってたけど、
私これ泣きすぎて身動きできないアレなんじゃ、という若干の不安。笑

レスポンスといえば、OKギター、は可愛すぎるし、
そこからのギタソロめちゃくちゃかっこいいんだけど、
元来ギタソロの裏で鳴ってる低音部隊がめちゃくちゃ好きって言うのもあって、
きゃっきゃとしながら耳を澄ませてしまう。
ライブで聴くの楽しみだよなぁ、わくわく。

耳が楽しいと言えば、歌い方の話なんですけど、
なんて強がりには、の"なんて"とか、
そんな君には、の"そんな"とかの歌い方が好きで、
待って!海さん!君そんな歌い方もするの!って大騒ぎしました。
え、好き、超好み、ってなりました。
アクセントの置き方ひとつでテンション上がっちゃうんだよなぁ、ふふ。

歌詞に触れるとこの曲もまた、自ら選ぶ、曲なんだよなって思う。
さぁ、どうする?って問われているんだ。
最後の一歩、を選ぶのはあなただ、って、
それはほんとに出会った時からずっと変わらないメッセージのひとつで、
海さんは、その一歩を選ぶ力をいつだって手渡してくれる。

いちばん顕著なのが、2番のメロのとこなの。

 アイ アム イン ザ ボックス
 更に完全オートロック
 逃げ場なんてないんだ なんて嘆く前に
 ライブ イズ ライク ア ボックス
 実は最高級の鍵が
 入ってるかもしれない

ここを聴いた時に、電流に打たれたような気がしたの。
ぼろぼろ涙が出たの。
心の壁をドラマストアは何度だって、根気強くノックし続ける。
その度に何度も、ドラマストアに出会えて良かった、と思う。

自分で打ち立てた壁に囲まれて膝を抱えて、
出られない、って泣くような莫迦をして。
自分で自分を縛ってるのなんてわかってるのに、
身動きできないでいる、その心の中へ、
自分で出てこいよ、鍵は持ってるだろ、って歌いかけてくるのほんとにずるい。
いつだって、自分で選べ、ってドラマストアは言うし、
その先に保証はしないけど、いつだってイヤホンの向こうから力を貸すって、
からりとした笑顔に背中を押されているんだ。

扉を開けて踏み出した世界で、
ずっと闇の向こうから聞こえてきた声が身近に迫って、
そういう感覚を繰り返してきたこと、
選択につきまとう後悔さえも明日への土壌であること、
積み上げてきた思い出が音の中に散らばって、
いっそ悔しいほどに惹きつけられる。

この曲を紐解きはじめた時、エンドロールのその先かな、って思ったし、
やっぱりエンドロールとエイプリルを強烈に意識してしまう。
連想ゲームにも似たものなので、他の曲を連想する人もいるんだろう。
僕にとっての、誰かにとっての、その続き、を、
海さんは聴きたいのかもしれないよな、なんてことを思ったりも、する。



【グッデイ、グッナイ】

音楽には、君の歌、と、僕の歌、と、君と僕の歌、があると思うんだ。
僕に向けて歌ってくれている、か、僕の心を歌ってくれている、か、
あるいは僕らの話を歌ってくれている、かっていう、
つまり、同調率、と言うものの話なんだけど。

海さんの音楽は外側から聞こえてきて、同調率、はそれほど高くなかった。
君の歌、であり、君と僕の歌、だってずっと思ってた。
良いとか悪いとかそういうことじゃなくて、
海さんは、ドラマストアは、心に届くように奏でる、人たちで、
この心そのものを映したように歌う、人たちではないのね。
でも、この曲は違っていて、僕の歌、だったことに衝撃を受けたんです。
(余談だけど、Plastic TreeのりゅうたろうさんやAppleheadのたいきさんは、
 映し鏡のように、まるで僕自身であるかのように、
 僕の心の形そのものを歌ってくれてしまう人です)

楽曲それぞれに、思い出す風景や想う誰かの姿があったりするし、
僕とドラマストアの物語みたいだなって思う曲はこれまでにもあるんだけど、
こんなにも、心そのもの、を歌われる日が来るなんて思ってなかった。
君の歌がそう聞こえる日が来るなんて、思ってなかった。
怖くて、うれしくて、どうしようもなく涙が零れた。
あまりにも映されたから、僕の話、かと思ったくらいだったよ。
それでその感覚はあながちまちがっていなかったのだな、
とタワレコ特典のライナーノーツを読んで思ったんです。

これまでに海さんがくれた言葉たちを、たくさん思い出した。
あの頃から変わらず君にはまだたくさん伝えたいことがあって、
僕はまだ君がしてくれるその話を傍で聞いていたくて、
丁寧に拾っては僕の中に湧き上がる物を書き留めて、
それがいつかみたいに君に届けば良いと思ってる。
このブログだってそうだ、返事が届けば良いって思ってる。
僕がどう思ったかを知りたいって言ってくれたあの子に、届けば良いって思ってる。

何を話そう、っていつも考えながら喋るって言ってたMCも、
不安になれば怒ったように呆れる姿も、
当たり前のように信じて待っていてくれたことも、
もっと俺を知りたくなるよ、と楽しそうな君も、
君もちゃんと命を繋ぐ人で僕の生きる理由のひとつであることも、
革命前夜を初めて聴いた夏の夜に君がくれた想いも、
ハルモニアを、聴きたいだろうと思って、ってリハでやってくれたサーキットも、
燈のリリース後初の名古屋でのあれも、
逃げ場所として俺らがおるんやで、って言ってくれたことも、
窒息しそうなほどの幸福を何度だってくれることも、
他にもたくさんの、記憶が、身の内にあふれて決壊して涙になって零れてしまう。

僕に魔法を掛けてくれる音楽がここにもあって、
叫ぶように笑う、のは僕であり、君でもあって、
そうやって端と端でお互いに願いあって結ぶ音楽がここにあって、
何度も何度も、言うのだけれど、
ドラマストアは武道館まで行くバンドだ、って僕は思っているから、
会えなくなるのは、届かなくなるのは、
潰えていく場合だけじゃないってことを知ってるから、
直接伝えられるうちにありったけの想いを伝えたいし、
早く、もっともっと遠くへ、高くへ、って、
簡単には届かない場所で、たくさんの愛のど真ん中で笑う君たちに、
目一杯に手を振る幸福を疑っていないんだ。

あの日泣き崩れた私と出逢えて良かったと、海さんが繰り返してくれることを、
片想いとちゃうで、って、かずやさんが当たり前のように言ってくれることを、
泣いて揺れて首を振る私に鳥山さんとゆーまさんがいつも優しいことを、
ぎゅうぎゅうに詰め込んであふれ出してしまう想いに溺れて、思うのだ。
僕は、幸せ者だ、って。
ラストに歌詞の出だしに戻ってくるこの仕様、ほんとに、ずるい。

僕を救うのはいつだって君で。
時に怖いとさえ思う眩しさと真っ直ぐさに今日だって焦がれていて。
想うだけで簡単に泣き出しそうになってしまうくらい、
愛しいは堆く積もっている。

グッデイ、グッナイ。
しあわせを運ぶ人、でありたい。
祈るように、そう思う。

小春日和の午前10時、みたいな音の中で、
うっすらと輝く高音の中で高まっていく想いがあって、
その想いを加速させるようにベースが鳴っていて、
それをどこまでも優しくて力強い生命力に満ちたドラムが守ってくれていて、
ああもう、最後までかずやさんの音に惹きつけられっぱなしだ。
言動に対して、待て、って思うことはたくさんあるんだけど、
この音が、本質だと思ってる、この音を信じれば良いって僕は知ってる。

4色で美しい円環を描くこの曲を聴く度、
今すぐドラマストアの傍へ走って行きたくなるんだ。
この想いが音速も光速も越えて届くことがあるのなら、
と願ってやまない気持ちになる。

あまりに僕でしかなかった言葉に囚われすぎてしまうけれど、
その想いをこんなにも美しい音に囲まれているのだから、
ああ本当に、幸福で潰れて行けそうだ。

何度も何度も繰り返し、擦り切れるほどに聴いて、
音の分析もちゃんとしたいけど、聴く度泣いてしまうからまだそれはできない。
でも、一生出来なくても、この音が美しくて、言葉の輪郭を際立たせて、
私の心がそれだけで途方もなく震えてしまう事実だけでもういいんじゃないかとも思う。

音源でこんなにも愛おしくて泣いてしまうのに、
ライブで触れる音に音源とは違って質量があるから、
降り注ぐその音に埋もれて、海さんの声を辿って、想いを零して、
臨界点なんじゃないかって、そんな夜に、早く会いたい。





最後になるんだけど、一人称の話。
あたし、と、アタシ、と、私、を歌い分けてくる海さんが好きすぎます。
文字としてだけじゃなく、音としてちゃんと違うんだよね、好きだよね!




勢いのまま書いてしまったけど推敲せずにあっぷします。
真夜中に書いたラブレターくらいの熱量で良いと思ってる。
気持ち悪くて結構、昂ぶってしまう想いは言葉に昇華するタイプ。
ぐらつきも一緒にまとめて、今の僕、の心は残しておきたい。
僕は語られる熱量に惹かれて大切な音楽に出会ったから、
あふれだした想いを書き留めること、を大切にしたいと思ってる。
備忘録やこうしたブログを書くのは8割方自分のため。
残りの2割で、この僕の心が、誰かに胸にドラマストアを繋いで欲しいと、願っている。


それにしても、ラストの感想書きながらぼろぼろ泣いてしまったので疲れました。笑
好き、があふれると泣いてしまうのをほんとにやめたい。
いつまでもかずやさんに、泣きすぎ、って言われてしまう。
それでもこの涙に変換された想いも、君が大切にもらってくれることを知ってる。

ライブ中は莫迦みたいにそうやって泣き崩れてしまうことがほとんどだし、
直接こんなにも長文になってしまう想いをコンパクトに伝えられる気なんてしないから、
想いを伝えるには足りない言葉で限りなく想いに近い物が、
ここから響いていれば良いな、と思う。


ツアー日程ぜんぶ振替えになってしまったけれど、
ちゃんと予定してた地でドラマストアに会えることを、
その夜が幸福の色をしていることを、祈っています。