9月28日の四日市から、僕にとってのアンコールツアーは開始です。
土曜日だなぁって何にも考えずにチケットを取って、
後から仕事じゃん!!!って気づいて半休を取った。
いつも我侭をきいて休ませてくれるチームに感謝だよ。

仕事が終わってから四日市、でもドラマストアには間に合った。
でも、休ませてもらえるなら休ませてもらって頭から観に行くし、
発券したチケットがなんと整番1番で半休もらって良かったと心底思ったよね。
ケイオスは私調べでこのツアーの最小キャパで、
後ろだと確実に人の頭に埋もれて見えない箱だってわかってて、
そんな場所で1番をもらってツアーを始められるなんて、
待って、何それそんな幸運もらっていいの!?って思った。
ツアーで1番なんて久々に見たよ…感動したよ私は…。

そんなわけで午前中で仕事を終えて、
一旦荷物を家に置いてから一路四日市へ。
ケイオスは近鉄、ケイオスは近鉄、っていつも呪文のように唱えている。笑
迷った子たちいなかったかな、だいじょうぶかな…。

新しいタオルが欲しくて珍しく事前物販へ。
単色が好きなんだよな、たぶん。
それにしても初代なくしたショックから抜けられないまま。
大厄も明ける、っていう年末に手許から去って行って、
たぶんその3年間の厄を引き受けて最後には姿をくらましたんだろうけど、
そう思うと私は厄年の間ずっとドラマストアに守ってもらってたんだって思うけど、
でもやっぱりあのタオルが好きだし思い入れが強いので戻ってきて欲しい。
もし何かの都合で初代のターコイズブルーのタオルを手放す人がいたら、
お願いですから譲ってください、メッセージください、とお願いしておきます。


話がずれたけど新しい黒いタオルがうれしい。
ロンTは可愛いんだけど今日じゃないな、と。
荷物が増える、それはなし。って話です。
千葉の日にお迎えしようかなぁ、で、翌日の群馬に着てく、とか。笑
あと直前まで缶バッチの存在を忘れていて、
缶バッチにまったく興味がなくてしまい込むだけなので普段は手を出さないんだけど、
課金するか、の精神で各会場3個ずつランダム挑戦していこうと思います。
ダブるだろうなぁ…ダブったらどうしようかな…って思ったけどやっぱりダブったよね。
交換希望出すのはやりとりがめんどくさいなぁ…
(めるかりのあれは僕みたいにダブったから売りに出したんじゃないのかな…
 他のファンと直接やりとりするのが苦手なタイプはそうなるよ...
 擁護するわけじゃないんだけど、文書も読んでないし他の出品物も知らないしな、
 でもシークレットって転売狙いで出るようなものじゃないし、
 値段も送料梱包費込み込みなら手数料引かれて1回分もなかったのでは?って思うから、
 ほんとに単純にダブって売りに出しただけだったんじゃないかなぁ、とか思う。
 まぁそれすら嫌だって言われたらそうですかって話だけど。
 どんな理由であれ自分のデザインが売りに出されたら哀しいしな)




時間まで近くの喫茶店でお茶を飲んで、改めて向かう四日市chaos
5分遅れくらいで開場したんだったかな。
1番だったから迷わず最前下手寄り中央。
ど真ん中行くと海さんの表情見えないしな、
何よりかずやさんベスポジを目指しますよね、うん。

ケイオスの最前列なんていつぶりだろうなぁ、
tacicaのほーむらんどかなんかのツアーでの4番だったんじゃないかな…、
あの日前の人が来てなくて2番で入って最前列に入った記憶がある、
まだとしくんが叩いてたんだったな、懐かしいな。
久しぶりにtacicaのライブ行きたいな、
なんてことを考えながら開演を待ってた。



対盤は神はサイコロを振らないで、8月のTREASUREぶりかな。
初めて見たのがいつだったか定かではないのだけれど、
得意なタイプの音楽ではないので最前どうするかなぁって思ってたけど、
最初に観たときよりずっと聴きやすくなったなぁ、と思う。
最近の彼らは、楽しそうだよね。

基本的にドラムが観える位置にいるとドラムしか観てないんですけど、
例に漏れず神サイもほぼほぼドラムを観てた。
早々に観てることに気づかれたよね。笑
怖いくらいに見つめててごめんよ。笑
とてもとても楽しくて贅沢な視界だったー。

ボーカルくんがステージを降りるとは思ってなくて、
それがこの日一番びっくりしたことだと思う。
え!?そういうタイプ!?ってなりましたよね。
ソールドアウト会場で降りるのはできたらご遠慮願いたいな、狭いからね。
でも、あの日ステージの上で泣いてたあの子が、
すごくすごくうれしそうに楽しそうに歌ってたから、
特にファンって分けじゃないのにとても安心しました。





久しぶりにセッティング前の海さんのルーティンを間近で見て、
その神聖さに思わず涙ぐんでしまった。
呼吸を抑えてしまうほど、清冽な空気がそこにはあって、
祈るような想いでセッティングを始めるまでの数秒間を見つめてしまう。
ほんとに、美しい、描きたい。

準備からこんなに泣きそうになってて私は大丈夫なんだろうか、
と自分自身に問うのはこれで何度目だろうか。
いつまで経っても緊張するし、心が張り詰めている。
ただ、出会って15年のバンドにも未だに緊張してるから、
ドラマストアに対してもずっとそうなのかもしれないな。
想いが強すぎると、簡単に涙腺が弛んでしまうのやめたい。笑



客電が落ちて、SEが響くのに合わせて息を吐き出す。
両手を組んで、祈りを捧げて姿を待つのはいつものことで、
視界に入ったその手が震えていて、少し笑ってしまう。
下手から海さん、かずやさん、鳥山さん、ゆーまさん、だったと思う。
いつも通りに定位置で揃って頭を下げる彼らに、
今日もどうぞよろしくお願いします、と私も頭を下げた。

アンコールツアーは何から始まるんだろう、って考えてた。
久しぶりに至上の空論から聴きたいな、なんてことを思っていたけれど、
海さんがギターを持ってマイクの前に立ったら、
ああ、アンコールツアーもエンドロール始まりだって、伝播するようにわかった。

ステージの奥から広がり始める世界に、息を吸って吐く。
眼を閉じて、聞える?と問う海さんの声に耳を傾ける。
大丈夫、今日も聞えている。
いつまで経っても耳慣れることも肌に馴染むこともない音は、
何度も何度も僕に始まりを連れてくる。
その度に心を揺らして、痛いと思って、
消えていかない淋しさを愛おしいと思ってしまう。

大好きなタムの音に耳を澄まして、
視界の真ん中にかずやさんを据えて、
瞬く度に短い暗闇に閃くのは忘れていけない笑顔で、
それはどれだけ手を伸ばしてももう二度と届くことのない場所。
それでもリュックに詰め込んで、持っていきたいもの。

前日にシオンなんて聴いてしまったせいで、
いくつものシーンが脳裏をちらついて息が苦しかった。
夢が醒めたら、あの夜が明けたら、ぜんぶ終わってしまうんじゃないかって怖かった。
でも、ちゃんと日々は続いていて、その日々の中で心が揺れる。
アンバランスだった部分も含めて、愛した日々を簡単に手放せるわけがなかった。

理想と過去は涙で滲んで輪郭はその度に曖昧になって、
エンドロールの歌詞がこんなにも今心臓を刺すなんてあの頃は思ってなかったな。
聴く時々によって、僕の心の持ちようによって、
曲の色を、曲がもたらすものを、こんなにも変えてしまうなんて、
それはドラマストアに限らずどの音楽にも言えることのはずなのに、
ドラマストアという名前を体現しているようで胸が絞られた。

このまま終われない。
滲んだ視界の中で、小川さんの影が叫んだ気がした。
最高の結末がどこにあるのかもそれがどんな形をしてるのかもわからなくて、
オーバーラップした世界の中で小川さんではなく鳥山さんに焦点を合わせて、
僕はあの頃と同じように祈るように想う。
その結末まで、僕は今のドラマストアと共に辿り着きたい。



出だしからぐすぐすと泣いてしまったけれど、
軽快な冒険譚の始まりに涙を拭って、その華やかな音の中で感傷を振り払う。
大丈夫、眼の前で鳴っている今のこの4人の音も僕は好きだ。

スタッカートを効かせるみたいに強く打鍵する、
その硬くて強い音がビビットな色彩を振りまいて、
ともすれば眩暈でも起こしそうな色の渦だ。
ピアノはギターよりも色を視る機会が多くて、
冒険譚のカラフルさはたぶんそれなんだろうなぁ。

ピアノを弾く鳥山さんの背中を見て、
時々振り返る彼が笑っているからうれしくなる。
鳥山さんのソロの時に海さんがゆーまさんに寄っていって何かを囁いて、
二人して鳥山さんを見守ってるいつもの光景が愛しくて、
間近で見たその光景が眩しくてたまらなかった。

一歩間違えば軽薄にもなりそうな音の中に、
まっすぐ芯を通しているかずやさんの音も好きだ。
前に強く出てるわけじゃないんだけど、しっかりコントロールされてる感じ。
忙しい上物が色を放つ、穏やかな低音だ。
好きだなぁ、ってあふれるように想う。

あと眼の前だったゆーまさんが前後に体を揺らすのが気になりすぎて。笑
起き上がりこぼし、ってなってしまった。笑
反復横跳びとか起き上がりこぼしとか、振り子なのかな?可愛いな?

ところで、冒険譚の異質感が減ったなって思う。
分析的な話ではなくて、感覚的な話なんだけど、
だからただ単に耳馴れたんでしょって言われればそれまでなんだけど。



3曲目にぶち込んできたのがイリーガルハイで、
つまりはディストピアは削られるのかな!?という動揺。笑
ざらついたギターロック好きは二曲とも入れて欲しいところだけれど、
ドラマストアさんはポップバンドだしな、
いやでもまだ3曲目だしセトリはわからんぞ、と。
まぁ結局ディストピアやらなかったけど。聴きたかった。

それはそれとしてイリーガルハイですよイリーガルハイ
ライブで聴けるのをめちゃくちゃ楽しみにしてた。
新譜三曲の中で圧倒的に好き。
かずやさんも海さんも難しいって言うようなことを言ってたし、
練習しないと、って言ってたからわくわくしてた。笑
音源を再現しなきゃいけないわけじゃないし、それはかずやさんにも言ったけど。
ライブは音源程度じゃだめだし音源はライブ程度じゃだめ。
僕の大好きなバンドマンのこの言葉は真理だなぁと思うよ。

どうしたってドラムに耳が引っ張られる。
かっこいいなぁ、ってどきどきしてるしわくわくしてる。
音源を聞き込んできたって言うのもあるのかもしれないし、
生歌だって言うのが強い部分もあるのかもしれないけど、
ファミマ!の試聴の時より海さんの声が、言葉が、ぐっと距離を詰めてきて、
ああああ!!!!好き!!!!!ってなるので、
ほんとざらついた曲は私をざわつかせるな。笑

まだまだ頭が音に引っ張られちゃうし、
ペースコントロールが心配ではらはらしながら見てた私もいるから、
冒険譚とはまた違う意味で耳が音に馴れていない。
途中ばたつく音に、がんばれーってなったりなどもした。笑
でもこういうのが楽しいんだよな、ライブって。
曲の成長や自分との馴染みなんかを、
ファイナルまで見ていくのがツアーの醍醐味だって思う。

あ、あとね、ゴールデンスランバーの発声がめちゃくちゃ好きなんだけれども、
生歌もがっつり噛みつく感じで歌われて幸せすぎました。笑



ガールズルールへの繋ぎの華やぐ音の中で挨拶するのは定番だね。
手拍子、笑顔、みんなの音楽を聴かせてくれ、って言ってた気がする。
お、お、ここでそんなこと言っちゃう?
最近またその言葉言うようになったね?って私のどきどきが止まらないやつです。笑

坂道を駆け下るように、丸いポップカラーが転がっていく。
振り返れば鳥山さんの背中が見えて、
時折振り返る鳥山さんが笑って、心が華やぐ。
鳥山さんが笑ってくれるとうれしいなぁ、とじんわり。

強く覚えてるのが足踏みしてたゆーまさんで、
大体いつも鳥山さんを見てるからかもしれないし、
足許が観える位置にいないって言うのもあるかもしれないけど、
え?え?いつも足踏みしてたっけ?ってなったし、
気持ちがはやるようで可愛かったなぁ。



ここでMCが入って、何話してたんだったかな。
四日市という街についてだった気がするんだけど。
遊戯王ショップに行ったという話の強烈さ。笑


初めてきた場所というのはこの景色が俺たちの印象になります。
次に来た時に越えられないくらい、良い景色を作りたい。
って、まだまだ遊ぼうって、MC明けにイミテーション・ミュージック・ショー

早々に海さんが歌詞を飛ばしたのに笑いました。
おいおいどうした、やっちまった!って顔可愛かったけど、
しっかり覚えてるのここだけなんだけどこの日歌詞飛ばしがちだったので反省して。笑

何度も言うけど僕はこの曲のベースが好きなんだよね。
初めて聴いたFITS ALLの衝撃を引きずっている。
このベースを、その指先を眼の前で観るために下手に来たと言っても過言ではない。
僕はここにも書いてきた通りゆーまさんの音に散々悩んだけれど、
それはあくまでも、ドラマストアのベース、の話であって、
個人的な好みでいうとゆーまさんは好きなベースを弾く人なんだよね、
そこが折り合いをつけるのに難しいところでもあったんだけど。
だからフラットな状態で聴ける新曲群はうれしいし、
その中でもゆーまさんの音にわくわくしちゃう最たる曲がイミテーションです。

もうずっと、ゆーまさんの手許しか観てなかった。
あとこの曲のゆーまさんの反復横跳び可愛い。
記憶の中にゆーまさんしかいない。
あ、時々かずやさんも観た。
にっこにこだったなぁ、愛おし。
でもまぁ基本ゆーまさんの記憶しかないし
大好きなフレーズはこの日も私をざわざわさせてくれた。
んー、楽しい!ってなった。

目の端で、千切れたパンツ、って海さんがパンツをつまむ仕種で足を上げるのが見えて、
その仕種も定番化したな相変わらず可愛いなってなったり、
ヘイ!ってするところでやっぱりかずやさんが、行くぞ!って顔するから笑っちゃったり、
みんなツアーが終わったからって油断するなよ、ヘイだよ!ってなったりしました。



学校仕事バイト辞めたい人いますか?
その後の生活は保障しないけど、そういう歌を歌います、って6曲目はWork & Work
僕はなんだかんだ言いつつ仕事辞めたいは通り過ぎた、
というか既に今3社目なんでね、微笑ましく聴いてるよね。笑
会社大好きな海さんからこういう曲が出てきた、と言うこと、
それは海さんが人の話をよく聞いてる、ってことなんだろうなぁって思うよ。
自分の経験も、誰かの話を聞いて自分の中に増えた感情や見識も、
海さんはちゃんと音楽に織り込んでいける人だ。

どこか懐かしいようなメロディにゆらゆらと体が揺れる。
鳥山さんの音が耳に残って離れないな。
じわりじわりと染みこんで、ずっとぐるぐる回ってる。
好きとか嫌いとかそういう部分を越えてしまうメロディだ。

暖色の音の中でそんなことを考えながら言葉を辿って、
ほんのりとした涙の気配をそっと押し込めて、思う。
僕にとって営業時代の道中で聴いたあの曲のように、
きっとこの曲もしんどい誰かを救うんだろうな、って。

海さんはずっと、選択の話をしていて。
言葉を変え、耳触りを変え、色を変えて、
それでも何度もで、君の心で選べ、と歌う。、
不自由な自由の中で選ぶそのひとつが、”ここ”なんだと思うよ。



そのままラブソングはいらないに繋いだんじゃなかったかな。
どうだったかな、記憶が曖昧すぎる。
とにもかくにも7曲目はツアーの趣旨でもある今期のリリース曲。

とてもとても穏やかな気持ちになる。
映像は夏の残る季節だったけれど、
曲が持ってる季節は晩秋から冬にかけて。
ドラマストアの色だ、ってすごく思うし、
海さんの陽だまり色の声がとても映える曲だ。
安心して身を委ねてしまえる。

がつがつしたドラミングも大好きなんだけど、
かずやさんのやわらかに面で触れる音がすごくすごく好きで、
微笑みながら叩く姿をずっと観ていた。
いつからこんなに優しい表情をするようになったんだろうなぁ。
大人になったんだなぁって、感慨深く思う。
出会った頃はまだ20代の前半だったんだから、
あれからいろんなことがあったから、大人にならざるをえなかったのかな。

そんな風にふわふわした気持ちで音に身を委ねていたら、
不意にいくつかの恋の風景を思い出して、
ああ、まだ小さい痛みが残っているなって苦笑して、
瞬きの隙に視界が揺れた。

言葉が想いに届いてくれていたら、
あるいは言葉を越えた想いがちゃんと手渡せていたなら、
なんて、思ったところで変わらない世界だ。
恋を愛に変えられなかった私には、この陽だまり色はひどく遠い。



静寂を繋いで、8曲目はLostman
海さんの、深く息を吸い込む音が、好きだ。
ブレス萌だっていうのは散々言ってると思うのだけれど、
ほんとに、Lostmanのこの、覚悟を決めて語るために息を吸うような、鋭く深いブレスが好きだ。
最前列、マイクを通したブレスはもちろん、零れた息も耳が拾った気がした。

ピアノの音と共に静かに歌い出す海さんに、
私も息を潜めて耳を傾ける。
私はどうやらまだ横浜のLostmanの強さを引きずっているようで、
どうしても構えてしまうものがある。
苦みの多かったあの日のライブで、特別に良かったから。

諦めたように、過去を指で撫でて微笑むように、
やわらかい声で海さんが紡いだ後悔が胸を刺して、
それを呑み込むようにイントロの音が頭上から降ってくるのも好きだ。
身動きを封じられて、息をするのも躊躇って、
涙も出ないほどの絶望が襲って、そのまま潮引く孤独に、揺れる。

頭の歌い上げと、その直後の膨大な降音と、また辿るように歌っていく、
その緩急は情緒不安定を煽って、
後半の叙情的なたたみかけがトドメなんだなって、思うよ。
音に言葉に想いに降り込められて、その激しさで、割れる。
そういう、圧倒的な絶望をLostmanは運んでくる。

濃紺の世界に沈んでいく感覚で、心は閉じていく。
もっと、もっと、と繰り返す声に従って、何重にも鍵を掛けていく。
そういう、重たい色と手触りはたぶん、低音組のそれだ。
大サビに向かう直前の、一瞬の静謐と秒針の音が何度だって私を刺して、
叩きつけるピアノの音が、音を引いた、なんて嘘だろって思うほどに激しさを増す音が、
静かに沈んでいく心をまた粟立てた。



激情を呑み込んだ沈黙が打って変わってやわらかに揺れ出して、
このターンの流れは確定だな、ってなった9曲目はきえないまぼろし
入りのピアノがほんとに美しい、と思う。哀しいほどに。

優しすぎて息が苦しくなるなんて莫迦みたいだなって思うんだけど、
許さないで欲しいし待たないで欲しいって思ってしまうのは、
まだどこかで、夢が覚めたら消えてしまうって思っているからで、
ここに在る、って示されたってそれを信じたままでいられないからで、
だけど、このツアーは、それを信じても良いような気が、した。
それくらいに、曲の影に、あの頃がちゃんとあった。

もしも、って、思ってしまった。
それが苦しかった。
瞬く度に、いつかのあの子たちがステージで笑った。
それが哀しかった。

罪悪感に殺されそうになる中で、
かずやさんが穏やかに笑ってやわらかな音をくれるから、
海さんがぜんぶわかってるみたいに優しい表情で眼を閉じるから、
胸がぎゅうぎゅうして、涙が止まらなかった。

鳥山さんの音がネオンみたいに滲んで、それがすごくきれいで、
あの日見た夢の続きは今日ではないけれど、
それでも今日という日にも確かに僕はまた夢を見ていて、
託すばかりの想いが歪んでしまわないようにと祈らずにはいられないの。

前にも書いたように思うけれど、
届けたい君たちと、聴かせて欲しい僕がここにいるなら、
好きと嫌いが釣り合わないままでいるのなら、
泣いてしまう夜だって間違ってないんだと僕は思いたい。



次に何がくるかなんてわかりきっていたから、タオルは手放せなかった。
それでもグッバイ・ヒーローのドラムが大好きだから、こんな視界は贅沢だから、
がんばって顔を上げてかずやさんのドラミングを観てた。

かずやさんには変わってるって言われたけど、
やっぱり僕はタムの音が好きだよ。
僕の中に深く沈み込んで、鼓動に同期する。
かずやさんがくれるこの音が、証だ、と思う。

耳の奥に、記憶が捲き戻る。
ずれていく現実が、喉を塞ぎそうになる。
タムの音が、心を繋ぎ止める。
海さんの声が懐かしむように、愛おしむように、響いて、
泣き止めないままの心に降り注いだ。

前はもっと、切実だったな、って思うんだ。
でも今は、何かを越えたかのように穏やかだ。
懐かしむように、慈しむように、そっと、歌う。
その分、置いていかれてるようで不安だなんて言ったら、
海さんはなんて言うんだろう。
あほちゃう?ってまた、呆れたように笑うのかな。

これじゃない、これじゃない、って、騒ぐ心を押さえつける。
何度だって過去に手を伸ばしたくなる僕は、
ほんとはここにはいちゃいけないのかもしれなくて、
もうそこには届かないって、わかっているのに、
希望の日々は続かないのに、あの日に帰りたくて、
なんで、どうして、待って、って、
まだ、来るはずのない"いつか"を願ってしまう僕が、
それでも今を愛してるなんていっても、嘘にしか聞こえないのかな。

グッバイ・ヒーローを聴く度に感情がかき混ぜられて、
どうしていいのかがわからなくなって、
どっちも大切にしたいのは我侭なのかもしれなくて、
だけど、僕はずっと、だいじなのは自分の気持ち、っていう海さんの言葉に縋ってきて、
さよならの先の奇跡を知っている僕は何も諦めたくなんかなくて、
海さんが歌う、思い出に変わる前、がどの時点を指すのかわからなくても、
あの頃も、今も、どちらも思い出になってしまわないようにと、
願ってやまない僕はこの日だって海さんに心を救い上げられるんだ。

エンドロールもそうだしグッバイ・ヒーローもそうなんだけど、
オリジナルメンバの音じゃないと嫌だって思ってしまう曲ほど、
違う、と言うことが絶望と共にこんなにも私を救うんだから、
今を選んだ僕を救ってしまうんだから適わないよ。



余韻を呑み込むようにして世界はまだ僕を知らないのイントロが響いて、
ここにきてセトリを変えてきたのか!という衝撃が1番に来て一瞬涙が引っ込みました。笑
一気に開けていく空気の清涼感と光度が、僕の中にも風を通す。

これは何度も何度も言ってきたことなのだけれど、
世界は~には原点回帰とでも言うような、アポロを彷彿とさせるものがあって、
対して前ツアーでここに入っていたStand by Youには個人的に革命前夜を思い起こされて、
つまりは僕にとっては原点とも言える2曲のその先がこの2曲で、
グッバイ・ヒーローに繋げられたらどうしたって愛おしさでいっぱいになってしまう。

眩く光を零しながら空に向かっていく音に喚ばれて顔を上げる。
そうだ、数え上げればきりがないすべてとおなじくらいに、
今の僕には眼の前に愛しいと思えるものがある。
辿っていく言葉が迷ったこの2年間を象徴するようで、
乾ききらないままの涙の跡の上にまたぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。

もっとちゃんとやれるつもりだった。
でも、蓋を開けてみれば僕は泣いてばかりで。
迷う僕に海さんはいつもぜんぶわかってるみたいに笑って、
君はいつだって僕のヒーローで、
過去を抱えたままの自分を許せたあのカンラバの空の下で、
もう大丈夫、って言ったあの子の声と表情を忘れない。
ただいま、を直接言葉にはしなかったけどぜんぶわかってるみたいだった。
当たり前みたいに隙間が埋める希望は君がくれた。

ああなんだ、これはあの日のことじゃないかって、
これは僕とドラマストアの話じゃないかって、
またそんな風に物語に組み込まれてしまう心があって、
ドラマストアのドラマストアたる所以を識るのだ。

そういうことを改めて強烈に感じたのは、
グッバイ・ヒーローの後に演ったからなのかもしれないな。
その時の自分の心情ももちろん影響は強いんだけれど、
意味や色を変えるセトリの魔法だなって思う。

そういえば大サビに大きくジャンプするゆーまさんが好きなんだけど、
さすがに天井が低かったらしくて飛び跳ねられなかったの観てて可愛かったな。笑



ここでMCが入っていたような記憶がある。
息切れ気味のかずやさんに、ペース配分、ってなった記憶。笑
いつもライブで最後にやってる曲だから、
意外性も籠めて最後じゃないところでやってみたんだけど、
って語るかずやさんが疲れ切っている。笑
自分も終わりだと思ってたんじゃないかって言うくらいの振り切り具合だった。笑

そんな話をしてるうちにもうすぐ終わります、って言われて、
えー!?って間髪入れずに声が出てしまったんだけれど、
その「えー」ええなぁ、って海さんが笑ったのが印象的だったな。
いつも海さんがいちばん早いからな。笑

今回のツアーは行ったことのない地に行くことが多くて、
初めての場所は楽しみもあるけど不安もすごく大きくて、
誰が待ってるかもどんな箱かもわからなくて、
楽しみの裏側に一抹の不安があるんです。
それが伝わってるライブももしかしたらあるかもしれないんだけど、
最近は楽しそうなみんなの顔がよく見えるから、その不安の量が減ってきました。
最近よく、ライブ来てくれてありがとう、とか、この歌詞に救われました、とかDMが来るんですよね。
でも、支えられてるのは俺たちだったりするんですよ。
みんな不安だったり、しんどかったりすることがあると思うんですけど、
俺たちも音楽で一緒にいたい、支えたい、って思ってる。
俺たちだからできる一緒の居方で、できるだけ長くみんなの生活に寄り添いたいと思ってます。
その代わりにひとつだけお願いがあって、
俺がこういうことを不安に思ってるとか、
俺たちがこういうことをしんどく思ってるとか、そういうのが見えたとき、
同じよう俺たちを助けてくれてるのはみんななんだってことを、忘れないでいて欲しい。
その上でこれからもたくさん、みんなに甘えて助けてもらいながら、傍にいたいと思っています。
また必ず来ますから、また必ず会いに来てください。

ラストMCでこんな話をしたのは久しぶりだったんじゃないかな。
何度も何度も、愛してください、その倍愛し返します、って言ってたツアーを思い出した。
海さんの心は何にもぶれてなくて、ドラマストアもまっすぐなままで、
もうそれだけで、涙があふれだしてしまう。
僕はいつも自分のことでいっぱいいっぱいだけれど、
それでも傍にいたくて駆けだしていくその先で、ライブハウスの中で、
少しはあの子たちを支えてあげられてるのかな。

いつだって自信はなくて、だって僕は迷ってしまって、
罪悪感と気後れも背負ってここに立っていて、
Twitterでも備忘録でも零す言葉に揺らぎが多いのに、
うまく笑えてない時だってたくさんあるのに、
なんで君はいつも見つけてくれる度にうれしそうに笑うんだろう。
こんな風に迷った愛でも、ねぇ、受け取ってくれるの。
小川さんとだいきさんへの想いも抱えたまま、
今のドラマストアと一緒に生きていきたいと、思っても良いの。

あの頃は、こんな風に迷うなんて思ってなかった。
好きじゃなくなることなんてないから、安心してついておいで、って言ったのは小川さんだ。
好きじゃなくなることなんてないけど、でも、苦しいって思う時もあるよ。
罪悪感も、ロジカルハイムのファンへの申し訳なさも、持ち続けてるよ。
自分の気持ちが簡単に、わからなくなりそうになる。
好き、の気持ちが自分に牙を剥くなんて、ほんとにばかみたいだ。


それでも、こうやってライブの度に海さんがくれる言葉が僕をその度に掬いあげて、
息苦しさの果てにこのMCからの、初めての三重が今日で良かったって、
そう笑って音を放ったStand by Youは反則だ。
イントロが耳に触れた瞬間、柵がなかったらきっと崩れ落ちてしまっていた。

何を思っていたか、なんであんなに泣いてしまったのか、
もう記憶は定かではないけれど、揺さぶられた感覚が強烈に残っている。
ただでさえ大好きで大切でたまらない曲だというのに、
こんな、願うような、祈るような、想いを言葉に接いで、
何度も何度も、離れそうになる手を、君は掴み直すんだ。

涙をこぼしながら伸ばす手が、まだ繋がっていて欲しい。
好き、の気持ちだけで動けなくなってしまった僕が、
それでもまだ願ってやまないのは言葉の向こう側で、
そうやって希望を繋いだ今日に、ちゃんとあの日々も残ってる。
ステージの上にもういないメンバの姿がちらついて、
それは別に回顧的なものでも妄想的なものでもなくて、
ここにあるドラマストアはあの日々の、確かに続きであるということで、
泣いて、泣いて、泣いて、選んできたここが僕は大切だ。

噛み切るような声に、あの子たちの抱えるいくつものさよならを思った。
ほんとは違えたくなんかなかっただろう道の先で、
一体またどれだけの人に再会出来るんだろうって、
始まりから、再会、を願った海さんがどれだけの想いで、覚悟で、
「僕はきっと合ってる」って叫ぶんだろうって思ったら、
涙が止まらなくて息ができなくなりそうだった。

正しくありたい、のは僕も同じで、
正しさ、がなんなのかがわからなくなっても、
お互いにちゃんと泣いて笑えているならきっと正しくて、
いつかは離れてしまう指先が何度でも結び合う奇跡を願って、
ねぇ、と強く強く響く声に目一杯に手を伸ばした。



ぐずぐずに泣きながら、ラストのコールを聴く。
先導するのはかずやさんのドラムと両サイドの頭上での手拍子で、
やっぱりラストにマーチを持ってきてもらうのが僕は好きだ。
二度目ましてがうれしい、って言った出会いの日の海さんを、
僕はマーチを聴く度に何度でも思い出すんだ。

にこにこな音と声と表情と。
マーチは黄色だ、菜の花や蒲公英みたいな、春の黄色。
冬の向こう、君の嫌いな春の、くすぐるような色。
削れて、膨れて、弾ける、心がざわめく。
感情の揺れが簡単に涙に変わってしまうのを、やめたい。笑

何を想っていたのかなんてもう記憶にない。
ただ、いつだってマーチは僕をドラマストアに繋いで、
世界は~とはまた違った意味で原点に僕を引き戻す曲で、
さよならまたね、で終わりたくないのも、
君に並べる僕になりたいのも、こっちの方で、
日常にドラマストアの音楽が棲んでいる感覚を、
僕は出逢ってからずっと、傍に置いてきたのだ。

エンドロールにもう雪溶けの音は聞こえない。
外堀から埋められて急かされたあの感覚を許せることはきっとない。
それでも、待って、って思っちゃうんだ。
置いていかないで、って、手を伸ばしてしまうの。
だって泣きそうな僕をいつも、君はちゃんと見つけて手を繋いでくれる。
海さんの音楽の傍が良い、それだけはずっと変わってない。

いつかなくしたはずの夢は、ドラマストアが返してくれた。
どれだけ手を伸ばしたって、届かないところかもしれない。
でも、あの日海さんがくれた言葉が確かに僕を動かして、
僕が行きたい方へドラマストアが音楽で何度も背を押してくれるように、
君たちが行きたい方へ共にいける僕でありたい、って、思う。

ぼろぼろと泣いて、光に塗れて、音に埋もれて、
そんな中で海さんが、言うの。
好きって気持ちは時間と距離を超える。って。
越えたその時にまた会いに来て欲しい。って。
突然歌うのをやめてさ、そう言うんだよ。

そんなのわかりきっていて、ずっと僕が繰り返してきたことで、
そうやって何度も僕はドラマストアに会いに来ていて、
それを大好きなバンドから言ってもらえるなんて幸せ以外の何物でもないし、
ここから、さよならまたねで終わりたくない、なんて歌われたら、
ただでさえ泣いてるのに倍増しで涙が零れてしまうよ。

ああやっぱりマーチは僕が出逢ったあの日のドラマストアが辿った軌跡そのもので、
映り込む過去と眼の前の愛しいが混ざり合ってきらきらと弾けて、
悩んだことも含めてぜんぶを掬いあげて許されるみたいで、適わないよ。










アンコールにすぐに応えるのがドラマストアです。
ちょっとはこっちの精神状態を立て直すための時間を設けて欲しい。笑
手拍子の始まりを引っ張った後はタオルに伏せて心を落ち着けてるんですけど、
ぜんぜん落ち着かないうちに戻ってくるんだから。笑

この日最初にステージに戻ってきたのは海さんとかずやさんで、
フロントマイクの前に立ったかと思ったら急に漫才始まって笑った。笑
打ち合わせないねんで、ってかずやさんの言葉で解散されたけど、
そのままノリと勢いで続けてくれても良かったんだけど。笑



アンコールは神サイとやりながら超ポップに!ということで紫陽花が咲く頃
楽しく終わろうぜ、ってことだったと思うんですが、
前にも書いたような気がするんだけど紫陽花聴くとぶわーっと襲ってくるものがあって、
あの、ほんとに、私的号泣ソングのひとつなので紫陽花締めは辛いです…。笑
前回のツアーは時期的に覚悟はしてたんだけどアンコールツアーはもういいじゃん?
10月になるよ?紫陽花が咲く時期はずっと前に過ぎ去りましたよ?
トラウマに触れすぎて心臓ぎりぎりするんですけど?
ってパニック状態だった、タオルに逆戻り。

フラッシュバックみたいに襲ってくる記憶を呑み込んで、
じっと嵐のような感情に耐えていた。
自分のことで精一杯で、ステージのことはあんまり覚えてないな。
なんとか顔を上げたときにかずやさんがじっとこっちを見てて、
あーまた泣きすぎって言われるな、とか、
紫陽花は号泣ソングだよって言った話を覚えてるかな、とか、
ライブの時に没入してる自分の隣にいつもいる俯瞰の私が考えてた。

私はあんまり好きじゃないんだけど、最近はよくファンに歌わせるでしょう。
あの時に歌詞に迷ってもにゃっとしたフロアの空気に、
かずやさんが、保護者みたいに愛おしそうな眼で笑ったのを強烈に覚えていて、
待って、パパ…って思ったこともよく、覚えてる。
痛い痛い紫陽花の中での、愛おしい一瞬だった。




セットリスト


1.エンドロール
2.冒険譚
3.イリーガルハイ
4.ガールズルール
5.イミテーション・ミュージックショー
6.Work & Work
7.ラブソングはいらない
8.Lostman
9.きえないまぼろし
10.グッバイ・ヒーロー
11.世界はまだ僕を知らない
12.Stand by You
13.三月のマーチ

EN.紫陽花が咲く頃





どこだったか忘れたけどセトリがぺたんとなったらしく、
貼り直したい海さんが、絶対見んといて!見たらはたくからな!
って言ってたのが可愛かったなぁ。
セトリ見えちゃうとそわそわしちゃうから見えないようにちゃんと貼ってください。笑





案の定泣きすぎたのですぐには動けずしばらく蹲ってた。
ほんとなんでみんなそんなすぐに動き出せるの?私が泣きすぎなの?
ってなったけど、ダントツで泣いてるってかずやさんに言われたしな、
いや、うん、すべての感情が振り切ると涙に変わっちゃうので、
プラスの感情で泣いてるときもたくさんあるから気にしないで…。

書いた部分もあるけど書いてない部分でもたくさん、小川さんとだいきさんの影を見た。
あの頃の4人では来たことのない四日市の箱の、狭い狭いステージの上、
今の4人の姿と一緒に、あのふたりの姿が何度も瞬いた。
前日のプライブで、シオンやリプレイや影絵なんて聴いたからかもしれない。

でも、それ以上にたぶん、私が今のドラマストアを受け入れたからなんだと、思う。
未だにエンドロールもグッバイ・ヒーローも再録は聴けないでいるしライブで聴くのも苦しいけど、
前のツアーではその痛みに向き合い続けてそれなりに折り合いはつけたのだ。
何度も泣いて、迷って、悩んで、共に在ることを選んだあのツアーが完結して、
その先のこのツアーだから見えたものがきっとあった。

地続きだって、思ったんだよね。
あの夜に海さんが、俺の中で鳴り続ける、って言ったあの子たちの音も、
聞こえてないはずなのに輪唱するように鳴る瞬間があって、
あの日々もちゃんとここにあるんだって思えた。
辛くて、苦しくて、恋しくて、でも、消えてなかった。
まだ苦しい、でも今のドラマストアもちゃんと愛しい。
繰り返してるその言葉が、いつか愛しいばかりになる日を信じられる。
それがうれしかった。

そういう、夜でした。
1番をもらって、ケイオスの最前列といううれしい場所で、そんな想いを抱いて、
ドラマストアのアンコールツアーを始められた私はしあわせものです。