5月26日に北海道までドラマストアに会いに行ったのは、
翌日が自分の誕生日だったから、って言うのが大きい。
毎年、なんだかんだで誕生日前後にライブがあって、
やっぱりそういう日に会えるのなら会いに行きたいって思う。

一年前、この歳の始まりは山口でのドラマストアだった。
海さんが喉を壊して最初にお休みをした日。
海さんのいないドラマストアから始まったこの一年を、
ちゃんと4人のドラマストアで締めくくれることを幸福だって、僕は思う。



三列目あたりの、ど真ん中。
海さんの真ん前に陣取ったのは、なんだか久しぶりな気がした。
身長の問題も確かにあったけれど、ど真ん中で観たかった。
ちゃんとぜんぶの音がしっかり聞える場所に、
そして海さんの表情がよく見える場所に、いたかった。

前2回は友だちと一緒だったから、久しぶりの1人に緊張している。
それも北海道なんて言う未知の場所。
ライブの雰囲気って土地土地で変わるからどきどきするんだよほんとに。



COLONYは初めて来るライブハウスで、
でもなんだか少し懐かしいような感じがして、
(昔のハーランに空気感が似てるのかも)
狭いステージにぎゅぎゅってセットが詰め込まれていて、
ぶつからないようにね、なんて思ったりしてた。


客電が落ちて、馴染んだSEが響いて、
海さん、かずやさん、鳥山さん、ゆーまさん、だったと思う。
出てきた時からもうずっと泣きそうで、
揃って頭を下げる姿に祈るように僕も礼を返した。
海さんの声が出なくなったあの日から、一年。
こうして4人が揃っている現実が、一気に迫ってきた。


始まりは、これまでと変わらずエンドロール
足許から掬いあげるように、声が届く。
聞える?と問うその声に、聞えてる、って応えて息を吸って吐いて顔を上げた。

眼も、耳も、もうあの日を映さない。
でも、僕の中で今も鳴り響き続けている。
重ならないふたつがここでもやっぱり痛くて、
苦い笑みを浮かべて眼を伏せた。
違う、事が意味を深めるなんて、時限爆弾みたいでずるいよ。
時を経てうつろう意味が、僕の中で音を立てて咲く。
その度に、涙が零れてしまう。

息を吸って、吐いた。
僕はいつもいつも、この曲に手を引かれている。
雪溶けの音が聞えなくても、
この眩く雪崩れ込んでくる音が僕には必要だ。

大好きなタムの音を追って、心音の行方を追う。
海さんの声は陽だまり色だ、って何度も言ったと思うのだけれど、
小春日和のようなエンドロールにはとても映えて、
しあわせの色そのものだ、と改めて思ったんだ。

ほんとはね、横浜の消化不良を引きずっていて、少し怖かったの。
あの日みたいにドラマストアが遠かったらどうしようって。
でも、そんなのは杞憂だったみたい。
それもうれしくて、痛くて苦しいのにエンドロールはやっぱりうれしくて、
再録の音源はきっとずっと聴けないけれど、
ライブもたぶんまだしばらく苦しいんだろうけれど、
そう思ってしまうからエンドロールは僕にとって特別な曲なんだと思う。

あと曲の話ではないんだけれど、
鳥山さんが海さんに構われてものすごくうれしそうに笑ってて、
なんだなんだ可愛いな!ってなりましたね。
鳥山さんが笑ってると僕はうれしいよ。



2曲目のイミテーションがいちばん顕著だった気がするんだけれど、
北海道、他の地とノリがぜんぜん違うな!?
結構いろんな地で見てると思うんだけど熱量がすごかった、
なんか、きゃーきゃーしてたし、好きがあふれていた。
そりゃどのバンドもこんな感じで待ち受けられたら北海道好きだわ、
って納得出来る、びっくりするくらいの熱量。
それを最初に全身に浴びたのがこの2曲目だった気がする。
去年のアルキタこんなだったかな?違うよね?えー?

弾けるように笑ったメンバが愛しくて、
鳥山さんの音が華やかに踊って光が回る。
あー今ここでミラーボール回したら完璧、なんて思って、
耳を引っ張るベース音にそれだけで楽しくて笑った。
音源とぜんぜん違うなってこの日も思って、
化けたなーってこの先もライブで聴く度思うんだろうなぁ。
非常に興味深くて好きです、うんうん。

踊る音と一緒に踊るように上がる手がうれしくて、
間奏で手あげたいーって思いながらも周りに合わせた2回がもったいなかったなって、
だってこんなに音が誘ってたら遊びたくもなるよ、
心ゆくまで自由にいられたこの日のイミテーションが僕は好きです。



かずやさんのリズムに乗って手拍子が起こって、
そのままいつも通りに3曲目、って行きたいところだったのだけれど、
マイクの通電がなんかあれだったらしくびりびりするって海さんからのSOS。笑
歌う度、喋る度に痛いらしい、そ、それは速く助けてあげてPAさん…!


北海道最高気温だったみたいだけど同じくらい暑くなろう、
とかなんとか言って煽っての仕切り直しの三曲目がガールズルール
みんなの音楽を聴かせて、ってだいたい言ってるんだけど、
それは、手を叩く、手を挙げる、いい顔をする、って繰り返してきた言葉の集約で、
だから私はその言葉がいつもうれしいんです。

ノリノリの鳥山さんの音が駆け下るように走り出して、
ガールズルールはいつ聴いても華やかだなぁ。
耳が鳥山さんの音を追いかけて、笑う。
共感とは遠いところにあるけれど愛らしさにやられているんだ。
あたしの願いを叶えないミサンガを、何度でも手首に巻くような、
ああ、女子高生の恋占い的なあれってなる。
映像は大学生なんだけどね、曲の印象はいつまでも女子高生です。
マックで女子会、ならそれも正解なんじゃない?

なんていうか、ハイテンショーン!って感じだったのは、
ひとつひとつに熱量たっぷりなフロアに当てられて、
私も熱っぽくなってしまったせいなんだろうなぁ、
楽しかったなぁ、この日のガールズルール



ここであらためてご挨拶。
何話してたかなぁ、なんやきゃっきゃしてた記憶はあるんだけど。笑
なっつの話だったかな、たぶん…?
北海道にはまだあまり回数来てるわけじゃないけどソールドありがとうございます、
的な話をもしてたような気がするな、うん。


Nutsが秘密をカバーしてくれていて、
(個人的な思いは最後に書いてるので省きます)
捧げ返します、とここでドラマストアからも秘密を。
それがすごく、うれしくて、一音目から簡単に泣きそうになった。

秘密が聞きたかった、どうしても。
だからほんとに、うれしかったんだよ。
秘密の三部作を入れたくせにこのツアーで秘密は聴けないのかと、
前の2回のセトリから思ってたから。
でもこの場所で、北海道で、どうしても秘密を聞きたかったから、
うれしくてうれしくて、胸がぎゅうってなって、涙が落ちた。

秘密を初めて生で聞いたのは、一年前の北海道だった。
アルキタサーキット。
祈るような想いで、心を繋ぎに来た、あの日だ。
小さなライブハウスの、低い天井を今も覚えている。
あの日があったから、私はドラマストアを諦めずにいられたのだと思っているから、
ライブハウスは違うとは言えあの日と同じ北海道で、
この曲が聴けたのはほんとにほんとにうれしいことだったんです。

あの日すごく優しく聞えていたかずやさんのドラムは、
この一年でぐっと力強くなったのだと思う。
心臓に触れて、確かに脈を打つ想いを知らしめる。
言葉にすることも怖かった想いさえも、
簡単にはいかなくてそれでも選び続けてきた日々も、
報われてしまう気持ちになるんだ。
はぐれてしまいそうになる気持ちを、
何度だって繋ぎ止めてくるのはドラマストアだ。

忘れたくなかったし、忘れて欲しくもなかった。
これは小さくてくだらない僕の我侭で、
ぜんぶ見透かすみたいに君は笑って、
赤の中でだったら隠せると思ってた、
それは僕しか知らない、いつかの僕とあの子の話。

ぐずぐずと崩れ落ちていくように泣いてしまって。
大丈夫、と励ますような声にまた救われて、心が揺れた。



泣き崩れてしまったから冒険譚にチャンネルを合わせるのが難しくて、
でも転がっていく音に肌が反応している。
一気に明度をあげて走って行くこの音を追いかけなきゃって、思った。

怖い事なんて何もない、なんて言えないけどさ、
だって今日だって不安だしこの先だって怖いよ、
それがぜんぶ愛しさか明くるものだってやっぱり怖い、
でも、その手を取るのに躊躇う理由はないよね。

駆けだしていくその背中を追いかけて、
僕は真新しい靴で地面を蹴る。
履き慣れた靴は思い出に向かっていきたくなるから、
その癖、リュックひとつじゃとても足りないものを、
僕は抱えて行きたいと思ってしまっているから。
それでも今は、その声が聞えていればいい。
未知数に向かって共に手を伸ばす幸福を、僕は知っている。

確かこの曲だったと思うんだけれど、
そしてその後のライブを観る限りこれだって思うんだけど、
鳥山さんのソロターンの時に海さんとゆーまさんが揃って見守るようにしてて、
待って、何それ可愛い、ってなりました。笑

それから、前にも書いたけど冒険譚にはぜんぜん馴れないなって思っていて、
彼らの音も浮き足立ってる感じがあるからなのかもしれなくて、
この曲の成長がいちばん楽しみだなぁってこれまでにもぼんやり思ってたのだけれど、
もう細部は忘れてしまったんだけれどこの日の冒険譚がすごく良かった記憶がある。
違和感、だったものが、真新しいもの、に印象を変えたようだった。
ドラマストア、を呼吸し始めた感じがした。

ハイテンションを絵に描いたような北海道のライブに、
華やぐ冒険譚はとても映えて美しかったし、
その美しさの中に確かな決意を秘めているところが好きです。

あとこれはすごく個人的なことなのだけれど、
この前の横浜で友人がゆーまさんについてコメントしたことがあって、
それを思い出しては、ふふ、ってなりました。
若さあふるる。笑



ちゃんと両手で抱え上げて走り出した先で、三月のマーチが響く。
ここの順番変えてきたかー!っていうのが一番に来るところ。笑
俯瞰の僕は号泣してる僕のすぐ隣にいつもいる。笑
冒険譚の位置はまだ迷いそうだなって思うけど、三月のマーチ繋ぎは良きだなぁ、
でも三月のマーチはオーラスで聴きたいなぁ!っていう我侭が顔を出しますよね。笑

私にとってこの曲はずっとドラマストアと出会った日の歌だ。
4年がかりで歌にしてくれた、僕を惹き寄せたあの日の君だ。
だからいつもうれしくて、置いていかれたくないって気持ちがすごく強い。

軽快な上物と歌声と、その裏にしっかり根を張る低音部隊と。
マーチってさ、行進曲だし三月な訳じゃないですか。
三月を越えて進んでいく、その覚悟と決意、
マーチングバンドの華やかさというか、
大きくて重たい旗を目一杯に振るような、
そういう表層とは別の、そのもっと奥に確かに持ってるものが、
ぶわっと押し寄せてこの心を一緒になって向こう側へ浚っていく。
ハーメルンの笛吹きみたいだよな、その音についていきたくなっちゃう。

エンドロールは雪溶けだって話は昔したと思うんだけれど、
雪溶けの音が聞こえなくなってもやっぱり雪溶けの春だと思うんだけど、
だから、エンドロールで始まったアルバムがマーチで締めくくられるのって、
ほんとにほんとに美しいって思うんだよ、
雪溶けに急かされて、いつだって泣きそうな僕を海さんが見つけくれる。
もう一度、って言うみたいにぎゅって手を繋ぎ直すみたいに、
始まりの日を思い出させる言葉が降り注ぐんだ。
そういうことを、音源でも思ってるけどライブではもっと強く思って、
だからこそエンドロールで始まるツアーなら、
マーチはオーラスで聴きたい、って最初の我侭に戻ってくるんですけど。笑
まぁそうじゃなくてもオーラスで聴きたいけど。
さよならまたねで終わりたくない、って言葉がやっぱり強いのだろうな。

ドラマストアと一緒に越える季節は5回目を数えて、
この先だって季節を重ねていきたいって思うんだよ、
ドラマストアからはぐれてしまわないように、
あの子たちに置いていかれないように、
いつか君と、並べるように、
僕も今、夢を叶えるために歩いているんです。



案の定ぐすぐすと泣いてしまったから、
ディストピアに気持ちを切り替えるのが大変です。笑
大好きなディストピア、アルバム中でダントツだと思う。

鳥山さんのざらついた音と無邪気な音のスイッチが楽しくて、
ころころしたところなんてピアノだって良かっただろうに、
ぜんぶギターで弾ききってくれるところが好きだ。
一曲の中に二色の印象があって、残酷で美しい。

ディストピアを聴く度に、ギターロックが好きだな、って思う。
鳥山さんのギターが好きだなって思う。
ピアノよりもギターを多く弾いていて欲しくなってしまう。
それを少し、申し訳なく思ってる。
(そもそもピアノロックより圧倒的にギターロックが好きなんだよ…)

印象的だったのはラスト滑り込むように膝をついて、
海さんと向き合って座ったままギターを弾く鳥山さんで、
後ろの人が見えなくなるからやめれって思う部分もあるんだけど、
見える場所にいたので、鳥ちゃん…!!!ってなりました。
珍しかったね、テンション高かった。



膨張した熱を鎮めるような間があって、
Lostmanの始まりはこの日も波のように寄せる。
この頭の歌い上げのところで、
最初首筋を触っていた手がふわっとマイクを包むように下ろされて、
その時の海さんがものすごく色っぽくて、
出たな首筋、と思ったことだけは書き残しておきたい。
常々言ってるけど、海さんが首筋を触る仕種に心底弱い。笑

そんな動揺を一気に飲み込むようにして音が頭上から降ってきて、
それがまた一気に引くのが、この曲が挑戦だった意味を知る一端だ。
圧倒的な音の力で、染め変えられてしまう。
言葉を奪われ、息さえもできなくなりそうになる、
そういう、涙も出ない絶望が、肌から私を埋め尽くす。

本当に、もっと、言い聞かせていれば良かった、って思うんだ。
それでよかったのに、と唇を噛んで、拳を握って、痛みをやり過ごす。
壊れていく世界を、繋ぎ止める何かがあるとしたら、
それは聞き飽きるほどに聴いてもまだ心を揺さぶる、その声でしかなかったんだ。



それできえないまぼろしに繋ぐんでしょ、泣かせに来てるよね、
って思ってしまうほどにこの流れがずるいって、思う。
オルゴールのような始まりが、どうしたって哀しい。
Lostmanの静寂の余韻が滲んでいるから余計に哀しい。
優しすぎるから哀しいんだって、何度も思う。

あまりの絶望感に押しつぶされていた涙が、
今度は抑える間もなくこぼれ落ちた。
初めて聴いたアコースティックの頃からずっと泣いてる気がするんだけど、
だって、こんなの、過渡期に歌うにはあまりに優しすぎる。

かずやさんの穏やかな音が好きで、
最前列にいたからその時のまっすぐな表情も見えていて、
泣いてるのを絶対わかってて、ふっと笑うのずるい。
まぼろしは、もう、かずやさんと海さんしか見てない。
ゆーまさんと鳥山さんの音が聞こえているのは確かなのに、
これは今の4人の音で作られた曲なのに、
だいきさんと小川さんの姿がちらつくのは、
この曲が持ってる意味のせいなんだと思ってる。

あの日僕がステージの上のドラマストアに見ていた夢なんて、
彼らは知らなくても良いことだ。
大好きばかりだった心に翳が差しては、
その度に、嫌いと好きが釣り合わないままであることを祈っている。
今もちゃんと好きだから、強く強く願っているんだ。

どのあたりだったかな、ラスサビの付近だったと思うんだけど、
海さんの視線がやわらかに合わされた記憶があって、
ずるいな、って思った感覚だけが強烈に残っていて、
泣くなって言われる度に涙が出てしまうのはドラマストアのせいだ。

痛みを堪えるようなLostmanから繋いだきえないまぼろしで、
まるで対を成すような想いの最後で、
今度こそあなたに届くように、なんて泣き崩れずにいられるわけがない。



タオルを手放せないまま、グッバイ・ヒーローのイントロを聴く。
俺の話を聞いてくれ、と海さんが言う度に、
ぐっとあの頃に惹き寄せられてしまう。
変わっても変わらない物を想うし、手放さなければならないものを想う。
それがうれしくて、それが哀しくて苦しくて、涙が零れる。

馴染まない音の中で、ずっとずっと大好きなタムの音を追っている。
海さんの声が、やけに優しく聞こえる。
いつの間にこんなに、彼は大人になったのかな。なんて思うくらいに。
彼はきっと僕なんかよりもずっとちゃんと、
さよならを大切に扱っているのだと、この声を聞いていると思う。

縋るようにして会いに来た、去年の北海道のドラマストア
あの日が、ラストになったっておかしくなかったんだ。
でも、あの日も声を拾い上げてくれたのはドラマストアだった。
忘れられないよな、忘れられるはずないよな、
だけどそうやって救い出される度に、ひとつずつ、思い出に近づいていく。

あの日僕を確かに救ったもの。
そうして今日も僕を救ってくれるもの。
現実と思い出の両端を握って、僕が待っているものはなんだろう。
あの日に戻れたら、何を望んで、何を選ぶんだろう。
答なんて、一瞬で出る。
それだけは、迷う事なんてない。
これだけ揺れて信じて欲しいなんて嘘みたいだろうけれど、
私は海さんが笑って歌ってる今がいい。

さよならの先で出会った海さんに救ってもらったあの日の私は、
さよならを抱えて今もまっすぐに立っていようとするドラマストアに、
また今日も同じように思い出になる前に救われていくのだ。



耳に触れる、Stand by Youのイントロがまるで陽が差し込むようで、
開けていく青みを帯びた世界がまた涙腺に触れる。
ほんとに、このセットリストがずるい。
最強の流れなんじゃないか、って思う。
どんな想いで、このセットリストを組んだんだろう、って思う。
深読みのしすぎと言われればそれまでの、
でも、きっと、あの子たちはこの流れが持つ威力をきちんと知っている。

海さんの背中が好きだ、って話は何度かしたように思うのだけれど、
凜としたその背中が見える気がするの。
海さんはずっとこっちを見て歌ってるのに、なんでだろうな。
決意を背負ってまっすぐに進む背中が見える。
眩しくて、愛しくて、届きたくて、涙が出る。

それぞれに、選んで生きているのだ。
ぜんぶがぜんぶ、重なるわけじゃない選択の、その先で君が笑う。
もうそれだけでいい、って思うのは何度目だろう。
"らしさ"なんて君が君に正直にあること以外にないんだ。
願いも、祈りも、鮮烈であるほどにいつかは手が離れても、
結局はまたどこかで重なり合うくらいには繋がっているものがある。
そんな妄想じみた想いを信じていられるくらいには、
僕らはきちんと日々を重ねてきたはずだし、その時間は消えない。

ドラマストアの傍、を選んだ一年前の北海道。
どれだけ泣いたかなんてわからないくらいで、
じょうずに笑うことを止めたのは嘘はつきたくなかったからで、
そういうぜんぶを掬いあげていく声が、高いところへ向かっていく。

届くように、と願っているのだとしたら、それは空の向こうだ。
俺はここで歌ってる、って強く強く、放つ。
その、擦り切れるような声が、昇り詰めていくギターの音が、僕の心を強く引っ張った。

あとね、最初のさ、これからもあるだろうけど、のところで、
海さんが俯いて微笑んだんだよね。
その笑みが胸に刺さって抜けないまま。
何を想って、何を考えて、海さんはあの時笑ったんだろう。
自嘲とも、慈しみとも、許容とも取れるような、
愛おしくて同時に淋しい笑みだった。



タオルに顔を埋めたまま、ラストMCを聴く。
北海道が一番楽しそうにしてくれてる、って言ってた、かな。
私もそう思うよ。笑
待ってた、大好き、待ってた、ってずっとあふれてるようだったね。

機材フルセットだよって話もしてたことは書いておこう。
鳥山さんがフェリーだったのはそれだったのか、と。
めちゃくちゃ時間がかかったらしく、
楽しめよお前ら!って煽った鳥ちゃんがかっこよかったよねぇ、
よほどきゃーってなったのか、がっつりメモってあるし、
寧ろここのターンのメモのメインがそれ。笑

1000km以上離れた地で鳴らせる音楽で支え合っていこう、と言うようなことを言っていて、
想いは時間も距離も超えるよ、って幾度となく思ったことをここで実感している自分がいて、
ちゃんとここで鳴っている音楽があって、
ライブのノリが違ってもそうしてステージとフロアとで響き合うものはどこも同じで、
そういうのがぎゅぎゅぎゅって胸に来た。
いつかNutsの力を借りずにパンパンにする、って宣言してたけど、
そういう未来はすぐそこだって僕は思ってるよ。



まだ俺たちは遊び足りないので、もっともっとちょうだい!って、
ばちっと空気を切り替えての、MC明けはあさきゆめみし
大好きな曲が毎回聴けてうれしい今ツアーです。

MCでしっとりとした空気がまた一気にボルテージを上げて、
かずやさんのドラムに煽られ煽られのコールが楽しいよ。
基本的に、拳上げてこうぜ!っていうところで育ったので、
煽りには積極的にのっていくスタイル。笑
そもそもじっとしてられないタイプなの。
そして元気な北海道さんは私の好きなノリノリ具合で超楽しかった。

不意に、11月の山口のことを思い出した。
ゆーまさんの前でライブを観てた、あの振替え公演の日のこと。
アンコールのあさきゆめみしにめちゃくちゃはしゃいだことと、
ライブ後に、5月の時は一言も話さなかったゆーまさんとちゃんと話して、
楽しそうだった、ってアンコールの時の話を振られたこと。
たとえば、5月に海さんが喉を壊すことがなく歌えていたとして、
そのライブがフルメンバーで行われていたとして、
もし同じようにアンコールであさきゆめみしを演っていたら、
僕は後の11月と同じように無邪気にはしゃげただろうか。
今、この瞬間みたいに、楽しいって笑えただろうか。
そんなことを、考えたら、胸がぎゅっとした。

それは感傷であり、雑念でしかなくて、
愛しいが増える度に伴う息苦しさも大きくなっていく。
その中で選び間違えないように慎重に、
でも決して自分に嘘をつかないように直感で、
僕はこの場所を選んできたんだなぁ、なんて思ってしまったから、
泣くような曲じゃないのに眼が潤みそうになりました。

赤紫色の世界で、空気を叩く。
熱量の高い北海道で、その圧に肌を押される幸福。
そろれぞれに夢を見て、交差する頂点で、
掴んだ手を離しても醒めない夢であればいいのにって思ってる。
ざりざりと削られていく感覚が願いを浮き彫りにするから、
あさきゆめみしの艶やかさが僕は好きですよ。

あとね、あさきゆめみしといえばソロ回しなんですけど、
わくわくしちゃうしきゃっきゃしちゃうし、
北海道の民の反応がいいからそれにも煽られちゃって、
なんかもうすごく楽しかったんだが?
ギターロックのソロ回しって醍醐味だよね、ふふ。



まだまだ!って言うみたいにかずやさんがカウントを入れての三文芝居
まって、カウント好き、ってなってしまういつものあれ。笑
メモにカウント!!って書いてあるの笑う。笑
どんだけカウント好きなん。笑
そして歓声がすごい、楽しい、待って、北海道楽しい。
きゃっきゃしてるから私もきゃっきゃしちゃう。笑

あさきゆめみしの赤紫に青を足して、ついでにネオンを足して、
三文芝居のジャジーさと艶っぽい光がいいなぁ。
こういう繋ぎができるようになったんだなぁって、
私はこのツアーの間ずっと驚いて、楽しくなって、笑うんだろうなぁ。

はしゃいでいた記憶しかなくてあんまりよく覚えてないんだけれど、
この楽しさの中に射し込む痛みが好きだなってこの日も思ったんだった。
思い出すらダイジェスト、なんて、千切れそうにもなるでしょう。
でもその感傷を俺が浚うとでも言うようにねじ伏せていくんだ。

色気は…!?ってなってしまうのはもはやデフォルトなんだけれど、
色気を纏ったらその力業には会えなくなるのかなぁ。
まぁこの日はいつにも増してきゃっきゃしてて、少年よ…。笑 ってなったけど。笑
いつまでもああやって笑っていて欲しい気持ちと、
不意打ちの大人っぽさはあるものの、
艶っぽい曲を狙って艶っぽく歌っても欲しい気持ちと。
ファンはどこまでも我侭なものよね。笑



勢いに乗ったまま、ラスト!って叫んでの世界はまだ僕を知らない
艶っぽさが一気に消えて、清冽な青が空へ放たれるのがほんとに気持ちが良いと思う。
その眩さに刺し貫かれて、簡単に涙が出そうになる。
好き嫌いの話だけをすれば、あさきゆめみしみたいなロックチューンが好みだけど、
僕が好きになったドラマストアの色はこの色だ。
何度も何度も言う、原点回帰を思わせて、それでいてそこを踏み越えていく。
アポロやアンサイクルに通ずるような、この青が好きだ。

体中が光で満たされていく気がする。
きらきら零れる、鳥山さんの音が愛しい。
まだ鳴っているだろう、と知らしめるかずやさんの音に救われてる。
一歩を踏み込むのはゆーまさんの音で、きっとこの音が踏み越えていく感覚の正体だ。
そして降り注ぐ、陽だまり色の声が、どこまでも心を浚っていく。
飛翔するその想いに、どうしたって手を伸ばしたくなる。

ぼろぼろと涙があふれてきてしまうのは、
私だってこのまま終われないからだ。
ぐしゃぐしゃになった心でそれでも切望するものがあって、
あの頃みたいに、来い!と叫んで引っ張り上げられる気がする。
暗闇から強引に僕を連れ出す、あの感覚がここにもある。

傷を引っ掻いて、地面を蹴って、
散々迷って泣いて考えて選んできたこれがすべてだ。
自分を許せた日のあの空の青さを僕は忘れたりしないし、
あの日の海さんの穏やかな表情だって忘れたりしない。
もう大丈夫、って言った声は、この曲の青に溶けている。

心は想いでいっぱいで、細胞は音でいっぱいで。
それはすごくすごく幸福なことで。
そうやって何度も塗り重なって、塗り替えられて、
そのどちらもが今を作っていて、これまでを更新していって、
変わらないものなんてどこにもないんだから、
変化に立ち会えていることこそ共に生きていることだって僕は知ってるし、
それがどれだけ尊くて奇跡的なことかだって知ってる。

でもそんなことどうだってよくて、
そんな道徳的で理論的な話じゃなくて、
ただ、今一緒にいて、一緒に笑えていることがすべてで、
ずっと単数に聞こえていた海さんの言葉が複数に聞こえた日を、
集合体でありながら1であり始めた今を、
どっちも僕は愛おしく、抱きしめていきたいって、思うんです。

加えてこの日は僕にとっては誕生日の前日だったんですよ。
海さんが歌えなかった去年の僕の誕生日当日から丸一年だったんですよ。
そんな日に、また新しくなった僕らはきっとうまく笑える、なんて、
そんなの泣かないわけないじゃないですか。
いつもこのフレーズで泣いちゃうけど更なりに決まってるじゃないですか。
もう、号泣ですよね、ええ。

あ、あとこれは曲の話じゃないんだけど、
ゆーまさんが大サビでおっきく飛ぶじゃないですか、
あれがすごく好きなんですよね。
天井!気をつけて!って思いながら観てたんだけど、
うん、好きですね。






アンコールに戻ってくるのが早いドラマストア
関西一アンコールが早い、を目指してるんだったかな?笑
とはいえ息が整わない年長組。笑
前2回はそんなことなかったと思うんだけど、
やっぱり北海どの熱量にギアが上がりすぎてたかな?

たぶん物販紹介をしてたと思うんだけどなんやったかな。
ゆーまさんの物販紹介はいつになったらうまくなるかなぁ、と微笑ましく見守っている。
もはやtacicaの物販紹介を見守る気分と同じあれ。笑
フォローの海さんがまじ通販って毎回笑うやつ。


次に札幌に来る日はまだ決まってないから、
イヤホン越し、画面越しになると思うけど、
その日までに良い曲どんどん作ってまた必ず会いに来るので、
次もその次も最高の北海道を更新していきましょう。

って最後のご挨拶をして、オーラスはスイミー
コールに対するフロアの歓声がすごい。笑
Nutsの子たちを呼び込んだから更に歓声がすごい。
僕は驚いたり喜んだりの声があまり出ないタイプなので、
(びっくりしすぎて絶句するパターンが多い。笑)
こういう歓声が聞こえるとびっくりしちゃうし微笑ましい気持ちになります。

カバーは遠慮したい人だけどコラボは楽しい人なので、
緊張したーって言ってたけど一生懸命歌ってたNutsの子の笑顔にほっこり。
そして改めて海さんの声が好きだな、と思う。
コラボするとよくわかるよね、歌声の好みって。

満開、って言っても良いような笑顔を見せてくれて、
ああ、愛おしいなぁって思ったことを覚えているし、
こんなフロアもステージも頂点に達したような熱量の中にいるとさ、
ほんとにほんとに思うんだよ、歌詞の通りに、思うの。
君がそこにいて、僕がここにいて、その間には音楽が流れていて、
ああ、素晴らしい世界だ、って、あふれるように。

白と青の光に満ちて。
水面に乱反射するような煌めきに刺されて、
光に滲むから余計に美しくて、
笑顔と歓声にあふれたその場所が尊くて、泣いてしまいそうだった。





セトリ

1.エンドロール
2.イミテーション・ミュージック・ショー
3.ガールズルー
4.秘密
5.冒険譚
6.三月のマーチ
7.ディストピア
8.Lostman
9.きえないまぼろし
10.グッバイ・ヒーロー
11.Stand by You
12.あさきゆめみし
13.三文芝居
14.世界はまだ僕を知らない

EN.スイミー







ツーマンのお相手はMr.Nutsで、名前はよく見るけど初めましてだった。
北海道はMr.Nutsなんじゃないかなって思ってたから、
告知でほらやっぱり!ってなったんだけど、
初めましてだったからうれしいとかそういうんじゃなく、興味が勝っていた日。
感想はまぁちょっと置いておくとして、
新曲やりまーす!って言ってドラマストアの秘密をカバーしてくれたんだけど、
自分たちの持ち歌を演りなよ、って僕は思ったよ。
愛の形ではあったんだろうしありがとうとは思うけど、
僕はカバーよりも一曲多く君たちの曲を聴いてみたかったよ。
sacraのCrash & Buildの時みたいに企画として最初からあるならまだいいけど、うん…。
ドラマストア側はMr.Nutsの曲カバーしたわけじゃないし、余計にもやる。






珍しくゆーまさんが物販に出てきていて。
顔合わせて開口一番、髪短い!ってなったゆーまさん可愛かったな。
そういうことにちゃんと気づいて口に出してくれるとこな、って思った。
去年の山口の話を少しして、
鳥にプレゼント渡してた、って言われてよく覚えてるなって思ったし、
鳥山さんには今年もプレゼントがあります。笑
自分の誕生日に鳥山さんにプレゼント二年連続で贈る謎。笑

出待ちしても大丈夫かを一応訊いてから出待ちをして、
海さんには会えなかったけどちゃんと鳥山さんにはプレゼント渡せたし、
かずやさんは握手の手を差し出しながら近寄ってきて、
ハッピーバースデー?って言ってきたの笑ったな。
3回言って、って言われたから毎回話せる度に北海道は誕生日だから行くって言ってたんだけど、
あの覚えられないかずやさんがちゃんと覚えててくれてうれしかった。
北海道のノリは他とは違うね、って、楽しいね、って話もした。
私とかずやさんの会話は物凄く静かだ。
淡々と、やわらかく。
穏やかな空気を纏うようになったよなぁ、かずやさん。
話せてうれしかったな。




ばいばい、ってして私は締めパフェへ。
行こうとしてた店がその日に限って貸し切りで、まじか!ってなりました。
なのでもうひとつ、ずっと気になってたお店の報へ。
幸せのレシピさん。
可愛くて美味しかった。ふふ。





海さんの不在から始まった僕の一年だ。
こうしてちゃんと4人が揃ったドラマストアで締められて良かった。
北海道まで会いに行って良かったよ。
ありがとうね。