ハリー・ポッターと賢者の石(2001) | つぶやキネマ

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大好きな「映画」について「Twitter」風に
140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


ハリー・ポッターと賢者の石(2001)


 10年前に両親が亡くなり、ホグワーツ魔法魔術学校の
校長アルバス・ダンブルドア(リチャード・ハリス)によっ
てプリベット通りのダーズリー家に預けられていたハリ
ー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)は、亡くなった母
の妹ペチュニア(フィオナ・ショー)と叔父のバーノン(リ
チャード・グリフィス)に日々こき使われ、我がままに育
てられた息子ダドリー(ハリー・メリング)からは毎日の
ようにいじめを受けながら、階段下の物置部屋で寂しく
暮らしていたが、ハリーの額には成長しても消えないキ
ズがあり、蛇と話せる等の不思議な力があった。11歳の
誕生日が近づいたある日、ハリー宛にホグワーツ魔法魔
術学校か ら一通の手紙が届くが、それを取り上げたバー
ノンは破り捨ててしまう。しかし毎日大量の手紙が届く
ようになった事に困惑したバーノンは家族とハリーを連
れて人里離れた海辺の小屋へ隠れるが、ホグワーツの森
番ルビウス・ハグリッド(ロビー・コルトレーン)が小屋
に現われ、ハリーにホグワーツ魔法魔術学校の入学許可
証を手渡し両親が優秀な魔法使いだった事を伝える。そ
して、両親は交通事故で亡くなったのではなく闇の魔法
使いヴォルデモート卿に殺害されて、幼いハリーも殺さ
れそうになったが何故か魔法をはね返し、ヴォルデモー
ト卿は肉体を失って逃走、額のキズはその時に付けられ
たものでハリーは"生き残った男の子"として魔法界で伝
説になっていたのだった。ハグリッドと共に向かったロ
ンドンのダイアゴン横丁のグリンゴッツ銀行の金庫で、
両親が残してくれた金貨の山を見て自分がお金持ちであ
る事を知ったハリーは、入学に必要な学用品を揃えて切
符に書かれたキングズ・クロス駅の9と4分の3番線ホー
ムを探すが、駅員にそんなモノは無いと言われてしまう。
しかし、ホームでウィーズリー一家の母モリー(ジュリー
・ウォルターズ)から9番線と10番線の間のレンガの柱に
向かって行けば入れると教わり、ハリーが柱に突進する
とそこには"ホグワーツ特急"と書かれた汽車が待ってい
た。ホグワーツに向かう汽車の中でロン・ウィーズリー
(ルパート・グリント)とハーマイオニー・グレンジャー
(エマ・ワトソン)と友達になり、ホグワーツ魔法魔術学
校に到着した3人は組み分け帽子によってグリフィンド
ール寮に所属する事になる。魔法使いになるための学
校生活は楽しくハリーは両親から受け継いだ才能を開花
させて、ハロウィンの日に校内に現われたトロールを倒
したり、箒に乗って得点を争う魔法使いのスポーツのク
ィディッチのシーカーに選ばれ大活躍、ハリーの才能と
人気に嫉妬するスリザリン寮所属のドラコ・マルフォイ
(トム・フェルトン)は事あるごとに彼らの邪魔をするの
だった。グリンゴッツ銀行の金庫に"ある物"を狙って何
者かが侵入したというニュースから、"ある物"はハグリ
ッドが銀行の713番金庫から受け出しダンブルドア校長
に渡した物だと推理したハリーは、頭が3つある巨大な
犬フラッフィーが守っている4階の禁じられた廊下の部
屋の地下にそれが置かれていて、トロール騒ぎの時に足
を噛まれていた魔法薬の教師セブルス・スネイプ(アラン
・リックマン)がそれを狙っているのではと疑う。ハグリ
ッドがうっかり漏らしたニコラス・フラメルについて調
べた3人は、フラメルがダンブルドアの友人の著名な錬
金術師で、どんな金属も黄金に変え不老不死になる"命の
水"も作れる「賢者の石」の所有だった事を突き止める。
スネイプ先生が「賢者の石」を狙いフラッフィーの部屋
へ入った事を確信したハリーは、ハグリッドに話に行っ
た所をドラコに目撃されて告げ口されてしまう。ミネル
バ・マクゴナガル先生(マギー・スミス)から罰としてハ
グリッドが守る"禁じられた森"に行く事を命じられたハ
リーは、森の奥でユニコーンを殺し血を吸っている黒い
マント姿の影のような人物と出会うが、それは10年前に
幼いハリーを襲おうとして肉体を失 ったヴォルデモート
卿だった...というお話。世界的ベストセラーとなったJ・
K・ローリングのファンタジー小説を「ベビーシッター
・アドベンチャー(1987)」「ホーム・アローン(1990)」
「ミセス・ダウト(1993)」等のクリス・コロンバス監督
が映画化した第1弾で、比較的原作に忠実な脚色がなさ
れていて原作ファンも楽しめるような作品になっている
(注1)。しかし、原作の問題点でもある"ファンタジーの
闇鍋"的な設定と展開が原因で、それぞれのエピソードの
繋がりが希薄になり作品全体としての盛り上がりに欠け
るのが残念。登場キャラクターやエピソードを整理し省
略して、映画としての完成度を上げる事を放棄してしま
ったのは致命的であります...原作の愛読者に配慮したん
だとは思いますが。ファンタジーだから"何でもあり"で
良いという訳ではないし、設定や登場キャラクターにそ
れなりの"縛り"が必要だと考えているので、ゴブリンや
トロール、ドラゴンやユニコーンあたりはギリギリ許せ
るが、現代を舞台にしているのだから出来ればオリジナ
ル・キャラクターのみで構築して欲しかった...明らかに
作品のコンセプトから外れているギリシア神話の半人半
獣の種族ケンタウロスが登場したのには椅子からズリ落
ちそうになった。子供向けという事を過剰に意識したの
か、基本ストーリーがシンプルなのにも関わらず各エピ
ソードの描写が丁寧で説明的になり長くなった事で、2
時間半の長尺になってしまっているのも問題。ルールが
てきとー過ぎて面白みに欠けるクィディッチ関連の場面
等はカットしても本筋には影響が少ないよね。串団子状
態のエピソードはともかく、可愛い子役たちの演技を観
ているだけでニコニコしてしまうし、ダンブルドア校長
や先生たちの雰囲気も良く、ハリーたちとハグリッドの
関係は優しさに満ちあふれている。映像的には、ダイア
ゴン横丁のデザインや雰囲気、キングズ・クロス駅に停
車しているホグワーツ特急の勇姿、ハリーたちがボート
から見上げる夜のホグワーツ魔法魔術学校、動く階段や
絵画等の校内の様子、雪が降り積もる学校の詩的な風景、
ロンが大活躍する魔法使いのチェス等々見所満載だが、
校内に現れる幽霊たちの描写がイマイチなのにはガッカ
リしてしまったし、クライマックスの対決シーンが演出
・映像・編集ともに平凡で工夫が感じられないのには唖
然としてしまった...ヴォルデモート卿の顔が「炎のゴブ
レット」以降と違うのはシリーズ化が出来るかどうか解
らない段階での見切り発車だったのだろう。ダーズリー
家にホグワーツ魔法魔術学校からの手紙が届く場面では、
家の前にフクロウが集まって来て暖炉から大量の手紙が
飛び出す場面は、ヒッチコック「鳥(1963)」そのままで
笑ってしまった。


●スタッフ
監督:クリス・コロンバス
製作総指揮:マイケル・バーナサン
原作:J・K・ローリング
脚本:スティーヴン・クローヴス
撮影:ジョン・シール
音楽:ジョン・ウィリアムズ


●キャスト
ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、
エマ・ワトソン、リチャード・ハリス、マギー・スミス、
アラン・リックマン、イアン・ハート、
ロビー・コルトレーン、ジョン・クリーズ、
トム・フェルトン、ワーウィック・デイヴィス、
ジョン ・ハート、マシュー・ルイス、
デヴィッド・ブラッドリー、ジュリー・ウォルターズ、
ボニー・ライト、リチャード・グリフィス、
フィオナ・ショウ、ハリー・メリング


◎注1; クリス・コロンバス監督は、ステイーヴン・ス
ピルバーグ製作の「グレムリン(1984)」「グーニーズ
(1985)」「ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎(19
85)」の子供向け作品の脚本家として注目され、「ホー
ム・アローン・シリーズ」等の子役が活躍する作品は
得意分野だけに、子役たちの演出は見事であります。
ハリーを演じたダニエル・ラドクリフは雰囲気ピッタ
リで、虐げられて暮らしている前半の健気な感じや、
魔法学校という素晴らしい環境と素敵な友人たちを与
えられドンドン明るくなって行く過程を上手く演じて
いて素晴らしいです。ロンを演じたルパート・グリン
トは、ちょっと間抜けだけど憎めない素朴な感じが素
敵でハリーの相棒としての存在感が抜群、劣等生とし
て優等生のハーマイオニーに嫉妬する子供らしさが最
高。ハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンは、ホグ
ワーツ特急内の初登場場面からこまっしゃくれた感じ
の魅力全開で笑ってしまったが、ロリコン爺さん(ウプ
プ)としては行動や言動がいちいち可愛くて全面降伏で
あります...スネイプ先生がハリーに質問し続ける横で必
死に手を挙げ続ける優等生ぶりには萌え死にそうにな
りました。ハリーのライバルになるドラコを演じたト
ム・フェルトンは、悪ガキの雰囲気抜群でたまに観せ
てくれるナサケナイ表情も素晴らしい...告げ口したの
に巻き添えで罰を受ける時の顔は最高でした。子供と
してはこんな憎まれ役やりたくなかっただろうけど、
見事に演じきった彼に個人的に敢闘賞を贈りたい。ダ
イアゴン横丁でハリーに魔法の杖を売るミスター・オ
リヴァンダーを演じたジョン ・ハートは、こういうフ
ァンタジーにピッタリな雰囲気の俳優さんで、初登場
場面ではジム・ヘンソン製作のTVシリーズ「ストーリ
ーテラー(1985)」で演じた"語り部"を思い出した。

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