永遠の吟遊詩人 村上祐子 | アナウンス研究コピペ保管庫

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永遠の吟遊詩人 村上祐子


murakami


長身から滲み出る清楚さと、温かみを感じさせるリリコタイプの低音美声
そしてやや浮世離れした個性的な感性を持つ、テレ朝では同期の河野明子

と並ぶスーパースター、それが村上祐子である。


入社から7年が経つが、彼女のキャリアのほとんどが朝の報道&情報番組
「やじうまプラス」に費やされた。彼女は男性MCをアシストするような立場で、
先頭に立って番組を切り盛りするような役割は任されなかったが、朝の番組
に特有の「気ぜわしい」感のある番組進行の速さのなかで、村上だけが
どことなく物腰といい語り口といいゆったりとしたスローペースで、ひと時の
安らぎを与えてくれる存在だった。「そんなに急いで皆どこに行くの?」と
視聴者に語りかけるような風情があった。
あまり俗っぽいところを感じさせない女性で、彼女が何を言っても

「不思議ちゃん」的な印象を与えていたことは確かだが、HPのコラムで時折

見せる世界観や人間観は、テレビ局的な視点や思想哲学とは一風違った

新鮮なものに映った読者も多いと思われる。詩的な書き口を得意とし、

「吟遊詩人」になりたいとコメントしたこともかつてあり、「純朴な吟遊詩人」と

いうニックネームを付けられている。


ただ、そんなキャラクターの持ち主だとは言っても、キー局の女子アナの面接を
受けて難関を突破してきているわけだから、人並以上の野心や出世欲はある
に違いないし、現実主義者の面もあるだろう。
しかし彼女はそれをほとんど表に出さず、周囲にそれを悟られない雰囲気や
余裕を持っているので、ファンの多くは村上に対し幻想や過剰な期待を抱いて
いた。他のアナのファンに比べて「信者」と呼ぶに相応しいタイプが多いのが
村上ファンの特徴だ。


アナウンススタイルは、テレ東の森本智子に近く、テンポはゆっくり、先述したよう
に低音リリコから繰り出す温もりのあるナレーションで勝負するタイプである。
後輩の大木、松尾、前田、堂などと比べてもナレーションの実力はズバ抜けていて
彼女のキャラクターを抜きに考えても、一流と呼ぶに相応しいアナウンサーである

ことは間違いない。彼女は「やじプラ」の他、「ちい散歩」「題名のない音楽会21」

など大人の視聴に耐える「まとも」な番組に登場することが多く、テレ朝は彼女の
資質を考慮した適切な仕事を与えていたと思う。(ただ「虎の門」レギュラー出演
だけは異例の抜擢でファンを驚愕させた)


2006年に先輩アナの西脇亨輔と結婚。西脇はどことなく村上と同じ匂いのする男
で、局アナとしては格別に学業優秀ではあるが、趣味やモノの見方のようなものが
村上と似ていたと思われる。
また、結婚をきっかけにコアな村上信者は次第に数を減らしていった。
2008年現在は、ニュース番組を中心に細々とした仕事に従事。やや疲れた表情

が昨今は目立ち、以前に比べ精細を欠いてる気がしてならない。落ち目感は否め

ない。しかし、美声アナウンスについては相変わらずの見事なものなので、ここら

でもう一度「村上の時代」を取り戻してもらいたいと願うばかりである。