■The Spirit ザ・スピリット
●昨年のカンヌ映画祭でえらく元気の良かったフランク・ミラー。あの映画祭開催中にミラーはビジュアルイメージなどをひっさげて、撮影前の映画「スピリット」のPRをやりながらご機嫌だった。
グラフィックノベルの父ともいわれるウィル・アイズナー原作の「スピリット(The Spirit)」。
この映画化に際して、監督、脚本を手がけるのが「シン・シティ」でロバート・ロドリゲスと組んで成功を収めたフランク・ミラー。今回はTrailerをご覧の通り、ミラー流儀のハードボイルドの映画化、といっても良さそうだ。
1917年、ニューヨークのブルックリン生まれのユダヤ系移民の子だったウィル・アイズナーは「スピリット」シリーズ成功で彼に続く若手に大きな影響を与え、同時に短編「ア・コントラクト・ウィズ・ゴッド」によって軽んじられ気味だったアメリカのコミックをグラフィック・ノベルへと導き、スタジオ設営等といった企業家としてもこの業界の発展、拡大に多大な貢献をした重要な1人といわれている。
19歳の頃に投稿した漫画が採用になったのを皮切りに、彼の作品は次々に陽の目を見る事になる。当時の価格で1ページ辺り=1ドル50セントを稼ぎ出すアイズナー。無論、それまで誰もやらなかった積極的な売り込みの成果もあり、この業界の若手稼ぎ頭になったとでもいえばいいか。
19歳を振り出しに、22歳の頃には自らが大金持ちになっていたと語っている。
そのアイズナー、1940年6月2日。
アメリカ、サンディ・ニュースペーパーの紙面で「ザ・スピリット」連載開始。デニー・コルトという刑事を主人公にした物語だった。
しかし彼は埋葬された墓の中で再び息を吹き返す。
旧友でもあったセントラルシティ警察本部長の協力の下、デニー自身の発案によって彼が生き返ったことを秘密にしておくために小型のドミノマスクにブルーのスーツ、そしてソフト帽と手袋、というコスチュームで影の自警団として不可解な事件を追い、彼を毒殺に追い込んだ犯人を追い、日夜闘うクライム・ファイター刑事デニー・コルトが誕生した。
この物語のヒットにより、ファンから主人公はデニーはという名より「スピリット」と呼ばれるようになったのだと。
このシリーズは1952年で一旦途絶え、再開は1948年。なぜなら、作者アイズナーが第二次世界大戦での兵役中だったという。
コメディ、ラブロマンスを含みながら、フィルムノワールを意識させる当時の英雄物語の舞台はセントラルシティから世界へと広がりを見せながらファンを魅了したという「スピリット」。
さあて、ロドリゲスなし!ミラーの1人勝負はいかなるものか…楽しみであります。と!謎の宿敵オクトパスとは…!ニヤリですな。
ちなみにちょいと誘惑の女たちにスカーレット・ヨハンソン、エヴァ・メンデス等…ミラーのお気に入りがズラリか。さらに謎の宿敵オクトパス役には、サミュエル・L・ジャクソン。コワイ、かな…。にしてもTrailerカッコいいなぁー。(2009年/製作国アメリカ/アメリカ公開2008年12月25日!クリスマスだとッ/日本公開未定…GAGAさんか)
▲Trailer
▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。
●Directer&Screenwriter:Frank Miller フランク・ミラー
●Cast:Gabriel Macht ガブリエル・マクト Samuel L. Jackson サミュエルL.ジャクソン Eva Mendes エヴァ・メンデス Dan Lauria ダン・ローラン Sarah Paulson サラ・ポールソン Scarlett Johansson スカーレット・ヨハンソン Jaime King ジェイミー・キング Stana Katic スタナ・カティック Paz Vega パズ・ヴェガ