■白バラの祈り - ゾフィー・ショル、最期の日々 | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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■Sophie Scholl - Die letzten Tage
Sophie Scholl - The Final Days

●第55回ベルリン国際映画祭で三冠に輝いたドイツ映画「ゾフィー・ショルー最期の日々」。このような邦題が決まっていた。アメリカでは当初サブタイトルはドイツ語表記だったが最終的に全て英語表記で「Sophie Scholl - The Final Days ソフィー・ショール ファイナル・デイズ」となった。日本公開が正式に決定しただけでもいいか。
この映画は第2次世界大戦末期のミュンヘンで地下抵抗運動を開始した若者達に焦点を当て、その中の一人の女子学生ゾフィーに捧げられた物語ながら、今、呼び覚ますものが多くある作品に仕上がっているはず。




1943年、ナチス・ドイツの敗北も濃厚になり、劣勢の戦況を国民にひた隠しにし、虚勢でカバーしようと益々ヒステリックになっていく末期のヒトラー政権下で、非暴力的なレジスタンス運動を展開していた実在のドイツ人学生グループ「ホワイト・ローズ」(英語表記です、で、日本では白バラとなった)があった。そのほとんどが学生からなる「白バラ」組織。
その中にゾフィ一・ショルと兄ハンスがいた。しかし、彼等の行なっている事が発覚、逮捕され、5日間(6日という説も。未確認)で処刑。これは実話に基づく物語。ベルリン映画祭授賞式前後でも話題になった作品。映画の中では、主人公となるゾフィーに関する当時の取調べ調書や裁判議事録、そして処刑議事録までが今も残っていたというがそれらを元に、尋問の内容など忠実に再現しているという。








1943年2月18日。ゾフィーと兄のハンスは大学で反戦チラシを配っていたところを逮捕される。ゾフィーは6日間に渡り、ゲシュタポ将校モーアに厳しく尋問され続ける。どこまでも抵抗の姿勢を崩さないゾフィーに対して、ゲシュタポの尋問は心理をかく乱させる戦術に変貌していく。





家族は、兄は、仲間は…ゾフィーは全く初めての経験の中、仲間の情報をもらす事を強固に拒む。絶えず監視の下に置かれて、彼女は一人で自問自答しながら自らの精神を形成していくのだ、と思う。ゾフィーには、育った環境、周囲との関わりから培われた素となる思考の土台があった。脅され、萎え、奮い立ち、哀しみ、そうして導き出す己の答えを確信するゾフィー。





やがて逃れられない証拠がゲシュタポ側から提出される。兄と白バラの仲間。彼等をどうすれば救うことが出来るのか。ゾフィーはその時、何を思い、どう動いたか。そこに心揺るがされた者一人。しかし、それを見つめるゾフィーの選ぶべき道は決まっていた。







ベルリン映画祭で、このゾフィーを演じ主演女優賞に輝いたユリア・イェンチの目線の先に自国の歴史を担う責務もあったかと思える本作。映画「ヒトラー~最期の12日間~」も含め、ドイツの若手監督の仕事は注目に値すると思う。これはドイツにおいて最も有名な反ナチヒロインの実話だという事だった。この映画があるまで我は全く知らなかった。来年、アメリカでのアカデミー賞外国語賞への参加が待たれている作品でもある。第55回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作(2005年/製作国ドイツ/アメリカ公開2006年2月(limited)/日本公開2006年1月)


▲Trailer:USA


▲Official site:USA
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。


●Directer:Marc Rothemund マルク・ローテムント
●Screenwriter:Fred Breinersdorfer フレッド・ブライナースドーファー
●Cast:Julia Jentsch ユリア・イェンチ Fabian Hinrichs ファビアン・ヒンヌリフス Gerald Alexander Held アレクサンダー・ヘルト Johanna Gastdorf ヨハンナ・ガストドロフ André Hennicke アンドレ・ヘンニック Florian Stetter フロリアン・シュテッター Johannes Suhm ヨハネス・シューム Maximilian Brückner マキシミリアン・ブリュックナー Jörg Hube ユーグ・フーベ Petra Kelling ペトラ・ケリング Franz Staber フランツ・シュターバー Lilli Jung リリー・ユング 


▲2005年2月20日「ベルリン映画祭」へ