■ドンファン DON JUAN DEMARCO | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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■DON JUAN DEMARCO ドンファン

●マーロン・ブランドが若手と組んだロマンチック・コメディ、もう1本。
スペインの伝説上の人物「ドンファン」を現代に蘇らせたのは、ジョニー・デップ。フランシス・F・コッポラ製作、ジェレミー・レヴェン監督作のこの物語を忘れて欲しくないデス。

21歳を迎えたドンファンは、彼流の思い立ちでビルの屋上から飛び降りようとしている。次第に人垣が出来、警察まで来てしまう。自殺願望の虚言癖の若者の自殺を食い止めるには、と説得役に精神科医のジャックが呼び出される。
NY下町のビルから飛び降りようとする「ドンファン」を止めるのは、マーロン・ブランド扮する精神科医ジャック。

ドンファンは、屋上から「ドン・フランシスコ・ダシルバと決闘して死にたい」と言い放つ。
自殺を思い留まらせるためにジャックは応える。
「私はドン・フランシスコの伯父ドン・オクタヴィオだ」。
物語は、そこから生まれる!。





行き掛り上、ドンファンの精神鑑定を依頼されたのは、ジャックのいるニューヨーク市クィーンズ区精神病院。ジャックは、彼の精神鑑定という名目で病院に連れてきたものの、なんだか周囲の様子がおかしい・・・いつの間にか、誰もがドンファンと名乗る若者に魅了されてしまっている。医者も看護婦も介護人も皆がドンファンの語る生い立ちを聞き、その立ち振る舞いに魅了されてしまう始末。これでは治療などできやしない。しかし、退職を10日後に控えながらも、ドンファンの身柄を全面的に引き受ける立場に立ったジャックも、彼のその不思議な話に心が揺れる。



ドンファンの話を聞き、日頃の自分を照らし合わせれば、なんと無味乾燥した味気ない暮らし振りなのか。長年連れ添った妻の仕草や、気持ちなどを気にもとめずに、過ごす日々が無性に腹立たしくなってくる。妻にバラを贈る医師。満面の笑みで心から喜ぶ妻の顔をまじまじと見入る・・・退職間際の男とその妻の様子はまるで新婚当初のようなムードに変化し始める。しかし、このドンファンとは・・・。







この物語、のっけからイカシてます。コロンをつけて、カフスを調え、ま、ドンファンに扮していくデップを洒落たタッチで追うキャメラが、も、こりゃエエな~とトロケさせるデスね。
で、早速ドンファン、女性を手玉に取るかと思いきや、相手となった女性は皆、至福・極上の笑み!なんですな。デップ演じる不可解で不思議なドンファンは、今と生い立ちと空想を三つどもえにミックスしてスペシャルな美味しさを召し上がれ状態。ま、未見の方はコレ見て損はないデス。

で、ここではジョニー・デップが、マーロン・ブランドを正面に捉え、ドンファン役にうまく乗っかり活かして演じきったデス。大したもんだと今更ながら褒めよう。
画面上に御大を前にして怯むどころか、小技効かせながら、一緒になって楽しげな演技と共に、センチメンタルな要素も一手に引き受けている。なるほど、ブランドも褒めたはずやね。

これは良質のコメディ。何か、大きなどんでん返しや奇想天外な飛び出すマジックなどは、ココにはない。監督は、最近は台本作家寄りのジェレミー・レヴェン。映画「君に読む物語の」のシナリオ手掛けていた。これは、もう役者が二人で作り上げた映画。デップとブランド、新旧のワイルドでディープな役者によって届けられた大人のお伽話、ファンタジー。で、ブランドがオーバー過ぎないから軽めのハート・ウォーミングな上質さでエンディングを迎える。これは、ま、デップを楽しむにお薦めの一作かもしれんデスね。
ところで日本公開時の邦題「ドンファン」だけじゃね・・・ガックシね。ロマンチックしてないやね~。と思いきやDVDのパッケージ、イメージ違い過ぎデス。(1995年:アメリカ製作:1995年日本公開)









Trailer

●Directer & Screenwriter:Jeremy Levenジェレミー・レヴェン
●Cast:Marlon Brando マーロン・ブランド Johnny Depp ジョニー・デップ Faye Dunaway フェイ・ダナウェイ Geraldine Pailhas ジェラルディン・ペラス Bob Dishyボブ・ディシー Rachel Ticotin レイチェル・ティコティン




タイトル: ドンファン