現代海賊事情に詳しい山田吉彦氏による、海賊とはなんだが詰め込まれている。
ワンピースの人気白熱によって、「海賊=夢を追い求める冒険者」のイメージが強い。
泥棒するのが悪いっちゅうんは、金持ちの理屈。
こまねずみ常次朗か、なにわ金融道にそんな言葉が出来てたが、つまりはそういうことなのだ。
喰うためには稼がねばならぬ。稼ぐ手段がそれしか残されていなかったから、海賊は海賊となったのだ、と。
藤原純友の元に集まっていた海賊らは、職を与えられることで海賊を辞めた。
荒くれた仕事よりも、安定した仕事を欲していたのだ。
だからといって、海賊を容認してはならない。悪は悪なのだ。
ならず者を認めてしまえば、苦しめられるのはこちらなのである。
海賊ってなんだろう。海賊ってなあに。
そんな方にとって本書はは一読の価値ありだ。