上海航路:日中交流の懸け橋へ 県とHTB、復活PT初会合 /長崎
毎日新聞 2010年12月28日(火)14時50分配信

 県は27日、ハウステンボス(佐世保市、HTB)が来年7月の就航を目指す中国・上海と長崎港(長崎市)を結ぶ定期航路を支援するため、庁内に「『上海航路復活』プロジェクトチーム」(会長・藤井健副知事)を設置、初会合を開いた。
 HTBは、経済成長で海外旅行客の増加が見込まれる中国からの集客を目指し、戦前に就航していた上海航路の復活を計画。2万~3万トン、定員1300~1700人の貨客船を隔日運航し、二十数時間で長崎-上海を結ぶ。年間10万~20万人の利用客を見込む。
 藤井副知事は「中国側にも新幹線網が整備されつつあり、上海はその中心。長崎は日中交流の懸け橋になれ、波及効果は非常に大きい」とあいさつ。
 出席者からは「年間120億円程度の買い物が見込まれる。長崎の品ぞろえでは対応できず、他県との連携が不可欠」「船は荷物の制限がないので大量に買い物ができる。ミニコンテナにこん包して港に運ぶなどのシステム整備が必要」などと意見が出た。【錦織祐一】
〔長崎版〕

12月28日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101228-00000173-mailo-l42



上海-長崎新航路 片道7000-8000円週3便 HTB計画
2011年1月7日 05:02 カテゴリー:社会 経済 九州 > 長崎

リニューアルオープンで活気を取り戻したハウステンボス。上海航路の就航で外国人旅行客の呼び込みを図る=昨年4月、長崎県佐世保市 経営再建中のリゾート施設ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)が今夏就航を計画している中国・上海と長崎を結ぶ新航路の概要が6日、判明した。HTBは先月、パナマに船を所有する会社を既に設立。欧州の複数の船会社と交渉に入っており、中古船で1500-1700人乗り、2万-3万トン級のクルーズ船を今月中にも購入し、HTB内に20億円程度を投じ運営会社を設立する。

 関係者によると、船の所有会社は「テンボスクルーズ」。公海上でカジノを営業するため、船籍をパナマに置く。同社の会長にはHTBの沢田秀雄社長が就き、社長には船舶関係の経営経験者が就いた。

 運営会社はHTBが100%出資して設立。親会社の旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS、東京)も機関決定後に追加出資し、資本金は合わせて20億-25億円を予定しているという。

 計画によると、船は上海を昼ごろに出港し20-25時間かけて長崎港(長崎市)に入港。乗客はバスでHTBに移動する。料金は航空運賃の3分の1以下の片道7、8千円、荷重制限も旅客機の3倍近い50キロ程度になる見通しだ。

 船内では、カジノや中国人向けのショーを実施し、九州の観光についても詳しく説明する。現地でのPRはHISが担当し、主に九州ツアーを販売。ツアーの最終日には長崎市内のホテルに宿泊する。

 7月の就航時には週に3便を運航し、将来的には毎日運航、年間50万人の利用を目指す。このうち約30万人をHTBに呼び込みたい考えだ。

 HTBの沢田秀雄社長は「かつて長崎が海外への窓口だったように、アジアの大航海時代の幕開けにしたい。地域経済への波及効果も期待できる」と話している。

=2011/01/07付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/219397