TRIVIUM「SHOGUN」 | pseudology

TRIVIUM「SHOGUN」

こんにちは。yas-noです。lml

昨日は、サッポロ「麦とホップ」を飲んでみました。軽い感じではあるものの、これは確かにビールに近いコクがあって結構旨いですね。

mugitohop


TRIVIUM「SHOGUN」(2008)

trivium_shogun
アメリカのHM08年作。前作が最高に良かっただけに、非常に大きな期待を持って聴いたんですが、作風自体は前作に近い雰囲気であるものの、疾走感や攻撃性が薄れてしまったような気がして、最初はピンと来ませんでした。が、何度も聴くうちに、巧みに構築されたGtリフ&フレージングが産み出すドラマティックな展開と叙情味をタップリ帯びた歌メロを堪能できる傑作だという印象に変わってきました。但し、若々しい勢いが弱まっているのは事実で、これをヌルくなったと取るか、成長がもたらした貫禄と取るかで評価が変わってくるような気もします。

泣きを帯びたGtフレーズを絡ませながらアグレッシヴに突進し、唐突に叙情的なサビメロに移行するドラマティックなリーダートラック"KIRISUTE GOMEN"、威厳を感じさせるサビメロを持った重厚感溢れるメインパートに、スリリングなGtフレーズとスピーディーに疾走するインストパートをフックとして取り込んだ"TORN BETWEEN SCYLLA AND CHARYBDIS"、威風堂々としたGtソロから小気味良くドライヴし、泣きまくりのGtに乗せて叙情的な歌メロを乗せたサビに突入する展開が素晴らしい"DOWN FROM THE SKY"、メロディアスなサビから哀愁のツインリードが舞うブレイク、そしてアグレッシヴに疾走するソロパートへの展開が秀逸すぎる"INTO THE MOUTH OF HELL WE MARCH"、このアルバムの中でも一際メロウな歌メロとその裏で哀愁を奏でるGtフレーズで聴かせるメロディアスなミドル"THROES OF PERDITION"、テクニカルなGtリフを絡めながらグイグイと押し込んでくる攻撃性の高い"INSURRECTION"、ザクザクとしたGtリフのヴァースから叙情的な泣きのGtフレーズに乗せたメロディアスなサビメロに展開する、彼等お得意のスタイルの"THE CALAMITY"、沈み込むような重々しくヘヴィな雰囲気のスロー~ミドル"HE WHO SPAWNED THE FURIES"、瑞々しいGtフレーズと滑らかなメロディが絡み合いつつ小気味良くドライヴし、ドラマティックなGtソロでクライマックスを迎える"OF PROMETHEUS AND THE CRUCIFIX"、タイトに刻むGtリフが疾走し、ゆったりとしたメロディアスなサビメロへ移行する典型的な流れの"LIKE CALLISTO TO A STAR IN HEAVEN"、悲哀を感じさせる叙情的なサビメロが胸を打つ12分にも及ぶ大作"SHOGUN"と、全曲ほぼ隙の無い楽曲揃い。

キラーチューンという程のインパクトがある楽曲は無いような気がしますが、各曲の中に強力なフックとドラマティックな展開が必ず仕込まれており、非常にクオリティの高い楽曲を揃えたアルバムという印象です。逆に言えば全体としてレベルが高いので際立って突出した楽曲が無いというか。間違い無く彼等がこれからのHMを牽引していくだろうという確信を抱かせる、貫禄を見せつけた傑作です。

TRIVIUM - DOWN FROM THE SKY