AFTER FOREVER「DECIPHER」 | pseudology

AFTER FOREVER「DECIPHER」

こんにちは。yas-noです。

そろそろ国内でも買えるCDを紹介しないと怒られそうなので、今回は国内盤を。


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AFTER FOREVER「DECIPHER」(2001)

オランダのフィメール・ゴシックメタル01年2nd。基本的な路線は前作と同様、オペラティックな女声ソプラノとデスVoに、華麗かつスケールの大きなクワイア、ストリングスといったシンフォアレンジを施したゴシック調のダークでドラマティックな楽曲。前作はKeyの音色からか、若干アトモスフェリックな要素が強かった気もしますが、今作ではGtのエッジを強調したソリッドなサウンドになっており、また正統派HM的なアップテンポチューンも増えているので、「ゴシックメタル」という呼称が少し違和感を覚えるようなスタイルになってるのかも。

前作はクオリティは高かったものの、ややありがちな楽曲も多く、フォロワーっぽさも感じさせましたが、今作での微妙な変化は楽曲のメリハリを強調して、彼等独自のアイデンティティの確立に奏功している気がします。

ちなみに、僕が持っているのは07年に再発されたCOLLECTOR'S EDITIONで、03年リリースのEPがカップリングされた2枚組なので、そっちの感想も書いておきます。


AFTER FOREVER「EXORDIUM」(2003)


カヴァー2曲を含む6曲入りEP。2ndの変化を更に押し進めた内容で、勿論シンフォニックなアレンジは健在ですが、より普遍的なHMに近づいている印象です。

1曲目の"LINE OF THOUGHTS"は、いつも通りインストなんですが、雰囲気を煽るだけでなく、プログレッシヴと言っても良い程凝った展開と緊張感を持った、1曲のインストチューンとして成り立つ程の出来映えです。そのままの流れで移行する"BENEATH"も、変拍子とリズムチェンジを多用したプログレ・メタル的な構成に、シンフォアレンジをテンコ盛りしたゴージャスな楽曲。女声Voも、普通の女性メタルシンガー的な力強い歌唱を聴かせる場面が増えてきています。

"MY CHOICE"は、従来の彼等のスタイルに近いバラード。"GLORIFYING MEANS"は、デスメタル調のヴァース、ソプラノVoをフィーチュアしたNIGHTWISH的なブリッジ、正統派メロディックメタルなコーラスと目まぐるしく展開する意欲的な楽曲。

カヴァー曲はIRON MAIDENの"THE EVIL THAT MEN DO"と、R&Bシンガーの"ONE DAY I'LL FLY AWAY"。後者は原曲を知らないので何とも言えませんが、前者は単なる完コピで、あまり面白い出来じゃないような。Keyパートがストリングスに変わってるのが何か気持ち悪い・・・。