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フィードメーター - 日常&読んだ本logあわせて読みたい
2005-04-27 07:51:27

原風景/「はじまりの記憶」 

テーマ:講談社

大きな事故や人為的事件があると、思い出すのが柳田邦男さん。
多くの優れたノンフィクションを著されていることで著名な方。
基本的に人間はミスを犯すもので、そのための安全装置が必要であること、また事故が起こった時に犯人探しをするのではなく、それをもって再発防止の糧とすることの重要性を説かれている。
事故原因の追究とともに、再発防止策が採られることを祈っています。運転手とそのご家族が、必要以上に責められ、暴かれることがありませんように。

今日は次の一冊。

柳田邦男 伊勢英子「はじまりの記憶」

著者: 柳田 邦男, 伊勢 英子
タイトル: はじまりの記憶

私は伊勢英子さんを全く知らなかったのだけれど、絵本・児童書を中心に活躍されている絵描きさんとのこと。
絵本を見たら私にも見覚えがあるのだろうか。
息子さんを亡くされた柳田さんが、宮沢賢治の絵本「風の又三郎」を手に取ったことが切っ掛けで、新聞連載の「「死の医学」への日記」の挿絵を伊勢さんに依頼されたらしい。伊勢さんもノンフィクションに興味がなく、お互いに存在を知らない互角のスタートであったとのこと。人の出会いってほんとうに不思議だ。

プロローグの後は、お互いの原風景を探すということで、テーマに沿ったエッセイをお二人で書かれている(duoエッセイ)。一人で内面を探索するのもいいけど、表現方法の違う人と刺激し合いながらやってみるのも、意外な発見や展開があって面白だろうということらしい。

挿絵も各々がつけておられるので、ノンフィクション作家柳田邦男さんの絵まで見ることが出来てしまう。ちなみに、柳田さんはたいてい花を挿絵にしておられるのだけれど、文章そのままの端正で丁寧な絵です。

かなしみ、空、ころぶ、存在理由、忘れる、音楽、マイ ウェイ、眠る、身体感覚、笑う、夢、自立の各テーマにも、勿論いいなーと思った箇所が沢山あるのだけれど、キリがなさそうなのでプロローグから、少し引用します。

心にたくさんの引き出しを持っていて、そこには生まれたときからいままで見てきた風景とか感性とか涙とかがいっぱい入っている。それらはどういうことばと出会った時に、わっと出たがるのか、自分でも知りたいし、思いがけないものが出てきたとき、あ、絵描きでよかったと、思うわけです。(伊勢

表現しようとするから見えるといってもいいと思うんです。ふつうは、作家や絵描きは人よりよく見えているから表現していると思われがちですが、逆なんですね。表現しようという衝動に突き動かされて表現しようとすると、しっかりと対象を見ていない、ディテールを見てないことに気づく。そこで詳しく調べたり、観察し直したり、歩き回ったりして、はじめて対象の核心や全容をつかみ、ようやく表現に入るわけです。詩歌や文章を書こうとするから、人間の心が見えてくる。絵も同じだと思うんです。自分の原風景だって、何かの形で表現しようとする緊迫感がないと、見えてこない。(柳田

自分の人間形成の原点を探ると、人生も心も豊かになるのではないか。その場合に、大事な体験を絵画的な情景としてとらえることができれば、ヴィヴィッドに自己形成の原点に近づけるような気がするのです。そして、自分という存在への理解と納得を深めることができる。(柳田

この本によって興味が出てきたのは、「伊勢英子」さんというひと。
「フランダースの犬」ルーベンスをもっとちゃんと知ること。
伊勢さんの飼い犬だったグレイ(偶然にもハスキー!)。
ああ、いい本を読んだなー。
(読んだハードカバー版を載せておきますが、既に文庫化されているようです。あと、本日なぜかamazonから引っ張った画像が、変な所にしか入らないので、いつもと違う箇所に挿入してます。他意はありません)

*臙脂色の文字の部分は、引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡下さい。

今、アメブロの「お知らせ」を見たら、「ネタステ」とやらで「JR福知山線の脱線事故原因」について、「ネタ」を募集しているらしい。その取り扱い方には、非常に強い違和感を覚えます。

コメント

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1 ■勉強不足かも

「伊勢英子さん」しまった名前も聞いたことない、
絵を見たら知ってたらいいけど、
うーん、勉強不足を痛感です。

絵本を買いに来てくれるお客さんの
中には学校の先生や保育士さんも
いらっしゃって、

そのたびに僕はその絵本の知識を
すごいなぁ・・・って感心してしまいます。質問されてもシドロモドロ
になってしまって(苦笑)

2 ■>ケイさん

おお、ケイさんに聞きに行こうかと思っていたのです。でも、意識せずにもう知っているのかもですね。ケイさんの勤務先にあるかしら?
私の絵本の知識は、自分の子供時代で止まったまんま。甥と姪がいるので、そろそろべんきょーしようかなー、と思いました。

3 ■うーん、読みたい。

とシミジミ。
それと、ネタステに同意見。
よそのブログでこの事故で創作作品を発表しているのを読んで、違和感と言うよりぞっとしました。昨日の今日でよく書けると。

4 ■>ぐるぐるさん・芸術家

最近思うに、私には「表現する人」に対する強い憧れがあるようです。大江さんの本にも、「芸術家」に対するいい文があって、これもその内載せたいなーと思っています。今更「芸術家」にはなれないけれど、「世界の観方」なんかは、参考になるなーと思います。ぐるぐるさんの感想をお聞きしたい本でもあります。笑 
>よそのブログ
・・・そうですか。なんつーか、想像力ってのは、そういう方面に使うもんじゃないぞ、と。うん、違和感って書きましたけど、かなりぞっとしました。どんな神経?、と。

5 ■柳田邦男の本は

何冊かあるんですよ^^;。
この本ではありませんが、息子さんが不幸な亡くなり方をしたんですよね。途中まで読んだ記憶があるのですが、あとの記憶がない。
いつか読もうと思ってはいるんですけど。なんとなく後回しになる本とか、持っていれば気が済む本のようなものもありますね。(笑)

6 ■>犠牲(サクリファイス)

>ぐたさん
そうですね、ぐたさんが仰っているのは、「犠牲(サクリファイス)」のことですよね。すごく円満な家庭なんだろうな、とずっと思っていたのに、実はそうではないことを知って、当時衝撃を受けた覚えがあります(確か、奥様もあまり調子が良くないのだったと記憶しています)。

私も柳田さんは一時期物凄く集中して読んで、その後あまり読んでいないので、なんとも言えないのですが、癌関係、事故関係で、名著が多いと思います。

コメントありがとうございました♪

7 ■無題

つなさん、こんにちは~。
ご紹介いただいた本、読みましたよ!
いやあ、お2人の絵ですっかり目の保養~。
伊勢英子さんの絵は好きなんですけど
柳田邦男さんも、絵がお上手なんですね。びっくり。
エッセイもとてもよかったです。
ほんと「いい本読んだ」って感じですね!

続けて「砂漠でみつけた一冊の本」を読みます。
こちらも楽しみです♪

8 ■>四季さん

こんばんは!
四季さんとこ、超怒涛の伊勢さん更新ですね。笑
私もぼちぼち追いつきたいですー。

柳田さんは、ほんと文章そのもののような端正な絵だなぁ、と思いました。
絵も人が出るのでしょうか。
エッセイも良かったですよね♪
どこもかしこも引きたくなるところばかりで、困った記憶があります。笑
(たくさん、引用しちゃったけど)

続いては、「砂漠で~」でですか!
これもね、読みたい絵本が増えちゃって大変かも。笑 記事楽しみにしてますねー♪

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