そのお借りしていた砥石がこちら↓
(訂正:左から御廟山戸前赤いきむらさき・大突戸前浅黄・五千両・奥殿?愛宕?・丸尾山合さ蓮華です!!
仁淀の小鮎氏訂正ありがとうございました。)
仁淀の小鮎氏のお持ちになられている砥石は本当にすごいものばかりです。
今回は切り出し2本を研いで比べてみました。
共名倉は丸尾山大上です。
顕微鏡写真はPEAK×300です。
初めに研いだのは合さです。
使った切り出しは白紙二号です。
合さは少し他の砥石に比べ軟らかく、地金に少し傷が入りやすいのが気になりました。
音からも研いだ感触からも粒子は他の砥石よりは少し荒そうです。
しかし研磨力があり、また切れ味もまったりとした滑らかさが特徴で、いろんな刃物の仕上げによさそうです。
また今回の他の砥石を仕上げるに当たり、この合さがいい仕事をしてくれました。
というのは巣板から超仕上げに移行する間に使うととてもよかったのです。
おそらく他の砥石の前に研ぐために同送していただいたのだと思います。
合さを土台とし研いだのは奥戸と五千両です。
この二つの砥石は硬さも硬いですが、それでも当たりが優しく、切り出しのほんの少しある歪も上手く当ててくれます。
仕上がりも良好で、奥戸の方が少し曇りました。
地金の色が少し濃いです。
刃先もきれいです。
切れ味は滑らかですが、食いつきもあります。
研ぎやすさは一番だと思います。
五千両↓
仕上がりはかなりいいですね!!
刃先も細かく研げています。
切れ味も滑らかさと食い込みを両立しています。
研ぎ感もとてもよく、庖丁研ぎの最終仕上げにもかなり期待できます!!
そして今回綺麗な仕上がりを出したのが御廟山と大突です。
名倉を使い切り出しを乗せた時のピタッ!!とした感触がすごく強く、動き出しにとても気を使いました。
そのピタッとした感触が強いままですと、私の経験では傷を付けてしまうことがあるため、もう一度砥石から切り出しを離して再度置き、乗せた瞬間に表面張力で刃物が勝手に動き出すカ所を探してから研ぎ始めました。
動き出してからはとっても気持ちがいいです!!
しっとりとした感触が研いでいて気持ちよく、黒い砥泥が出始めてから5分くらいで大突は奥光りする艶やかな仕上がりとなり、御廟山は落ち着いた鏡面になりました。
御廟山↓
御廟山は研磨力があり、研ぎ始めてからの反応が良よいため黒い砥泥が出てきます。
ただそのためか地金が少し曇りがちです。
御廟山↓
仕上がりはかなりきれいです。
研ぎ感は名倉との相性もありますがかなりよく、よく言われる御廟山の癖を感じない非常に好みの砥石でした。
大突は研磨性は低いですが、一番刃物が光る砥石でした。
大突浅黄↓
写真撮りが難しかったです(^▽^;)
大突↓
今日一番の綺麗さではないかと思います。
研ぎ感は少し研ぎ始めの動かす時に何度か違和感を感じることがありました。
しかし動き出してからは滑らかで、研磨性は低いもののその分仕上がりはいいです。
これぞ磨ぎ用の砥石です!!
切れ味は御廟山の方が食いつく感じがあり、大突はかなり滑らかです。
青紙二号の切り出しは写真が多くなってきたので大突の仕上がりと、大突と合さの顕微鏡写真です↓
大突↓
青紙でも刃先はかなり傷が浅く、粒子が細かく見えます。
合さ↓
合さは合さでかなり切れます。
木を削るとなると、食い込みもこれくらいの刃先の状態の方がいいかもしれません。
やはり写真と実際顕微鏡を覗いた状態はずいぶん差があります。
肉眼ではずいぶん大突の方が傷が浅く、仕上がりもかなり違いが出たので二種類を掲載しましたが、違いがわかるかなぁと感じますね(^▽^;)
いいカメラ付きの顕微鏡が欲しいです(笑)
また切り出しも錬鉄などの積層があるものがいいように思います。
どうしてもただの軟鉄ですと景色がないため、仕上がりが写真では見えにくいですね。
写真もスタジオみたいに一定条件で撮影できるように考えないといけないです。
本当は仁淀の小鮎氏に剃刀を研いで剃った感想などを聞かせてくれと言われていたのですが、結果できませんでした。
というのはまだ私の剃刀の研ぎの技術が砥石の性能を測るレベルにないのではないかと思ったからです。
以前も剃刀は研いではいましたが、それが本当に研げているのか今回の切り出しの研ぎを学び疑問に感じたのです。
そのため今回剃刀研ぎは見送らせていただきました。
もっと早く砥石をお返しすればよかったのですが、どうしてもこの砥石達を使えないのが悔しくて無駄に時間が過ぎてしまいましたm(_ _ )m
またよく来店いただいているかずかずけん氏に剃刀研ぎを学び、もしまたチャンスをいただけるようであれば剃刀で切れ味の違いを報告させていただければと思っております。
仁淀の小鮎氏、この度はなかなかお目にかかれない砥石を本当に長い間お貸しいただきありがとうございましたm(_ _ )m