包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

目指すは包丁研ぎ世界一。みなさんに少しでも刃物に興味を持っていただければ幸いです。

高級鍛造刃物販売、修理研ぎをする三代目です!

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新年明けましておめでとうございます。

もうすでに年が明けて10日も経ってますね(^▽^;)

新年早々熱を出してしまい、三が日は完全に布団の中で過ごしました。

4日から明日まで講習が続いており、有名三ツ星料亭の方々やフレンチ、イタリアンと多くの料理人さんにも足を運んでいただいております。

年始早々から多くの方々と交流ができとてもうれしく思っております。

本年も多くの方と繋がり、学びのある一年になればと考えております。



さて年末も少しバタバタしており振り返ることなく年を越してしましました。

久しぶりにブログやFacebookなどを読み返してみると、昨年は店から出て活動したり、多くのことを悩み、考え、決断した一年だったと感じます。

本を監修させていただいたことがもちろん大きな成果であり、夢が叶ったと喜んだのですが、実はもう一つ喜びを感じてたことがありました。

それは切れ味による味の違いを証明したことです。



切れ`味’研究会 月の会というものを主宰し、料理人達と1年半以上にわたり毎週切れ味の味の変化の研究を重ねてきました。

メンバーで庖丁に使われている鋼材による味の違い、砥石の番数による味の違い、天然砥石と人造砥石の味の違い、庖丁の形状による味の違いを突き詰めてきたのですが、この2014年は大きな成果が得られた年でありました。



社団法人研ぎ文化振興協会の元、奈良の産業センターにて切れ味の良い庖丁と切れ味が悪い庖丁で切ったトマトで作った抽出液を味覚センサー器という機器にかけ、味がどのように変化をするかを検査しました。

打ち合わせの段階で人間の味覚は非常に鋭く、どの機械よりもはるかに精密で精度が高いため良い結果は得られない可能性は高いと研究所の方に言われていたのですが、協会メンバーで話し合いの末、検査をすることになったのです。

結果は包丁と砥石大全にもデータとして載っておりますが、簡単に説明すると切れ味が悪いことで「苦味雑味」と「苦味」が出てしまうことが証明でき、切れ味による味の差が3月に数値で表されたのです。



苦味雑味とは先味と言い口に入れてすぐ感じる味のことで、食材が本来持つ苦味に由来するものであり、苦味は後味と言い咀嚼後に口に残る味で、えぐみなどの薬品などに感じられる独特な味だとの説明でした。

庖丁の切れ味が悪いと、野菜であれば青臭さなどが食べてすぐ感じ、咀嚼して飲み込んだ後に苦味が残ると考えられます。

色で見る切れ味の違い↓

 

右が切れ味の良い庖丁で切った野菜の抽出液です。

切れ味以外全ての条件が同じになるように時間、調理道具などを揃えて行っております。

真ん中はピーマンの抽出液ですが、色の変化は少ないのですが、味は切れない庖丁のものは青臭くて苦味も強いです。

これを飲むと昨今の料理の味付けが濃くなっている理由がわかるような気がします。

また切れ味の悪いステンレスの庖丁が最も味を悪くすることがわかっており、子供の野菜嫌いの原因に庖丁の切れ味は大きく影響しているのではないかと考えております。

最近受講いただいております料理人さんには時間が許すようであれば切れ味での味の違い、鋼材での味の違いを体験していただいておりますが、今後料理人さん専用の研ぎ講習を作り、今行っている講習に切れ味による味の違いと鋼材による味の違いをしっかり体験できるものにしたいと考えております。

※講習にて味の違いを体験されたい方はお申し付けください。



鋼材による味の違いに関しては数値的な証明は取れてはいませんが、明らかに白紙などの炭素鋼と、ステンレス系統の鋼材では味が違うのは明白です。

昨今は錆のお手入れの手間から鋼の庖丁が家庭はもちろん、料理人の間でも失われつつありますが、やはり切れ‘味’にこだわるのであればステンレスより炭素鋼、青紙より白紙がお勧めであると感じております。

天然砥石の使用に関しても、実は研究会で味に対するメリットもわかっており、やはりこれらを総合的により深く研究し、証明またはデータの蓄積を行っていきたいと考えております。

幸い現在までの研究データや実食を踏まえて研究に賛同いただける方が増えたため、近日中に合同で会社を起こし、実際に切れ味の良い庖丁で切って作られた料理を食していただける料理店と切れ味の研究ができる施設を今年のゴールデンウィークまでに作りたいと考えて動いております。

本年は刃物屋の域を超えて新しい挑戦をする年になるかと思いますが、多くの方に喜んでいただけるよう、また日本の食文化と刃物文化を見つめ直していただけるように努力していきたいと考えております。

どうか本年もよろしくお願いいたします。

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