包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

目指すは包丁研ぎ世界一。みなさんに少しでも刃物に興味を持っていただければ幸いです。

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3月中にはブログを更新しなければとずっと思ってはいたのですが、なかなか時間がとれずにおり、4月になってしまいましたY(>_<、)Y

最近の忙しさは研ぎや講習ではなく、会社の設立をしていたからです。



今までいろんな活動をする中で考えてきた事業がありました。

ただ「こんなことができればいいな。」と考えてはいても私一人ではそれを実行することはできず、またそれらをするにあたり本業をおろそかにしていては意味がなかったのです。

しかし自分の仕事に対する思いや今後の展望は話していくものだと感じます。

その話を「面白いから一緒にやろう!!」と言っていただける方々に出会えたからです。

それから話は進み、先日18日に会社ができました。

毎日夜中まで打ち合わせをしては県庁や商工会議所などへのプレゼンに出かけたり、海外見本市の出展に向けて活動をしており、とても充実の毎日です。

新しいコンセプトの飲食店経営も今後展開していく予定で、そちらも多くの方々に喜んでいただければと考えています。

また良いご報告ができればと思います。



さてまたご厚意に甘えて多くの天然砥石を仁淀の小鮎氏にお借りしております。

 

これでどれくらいの砥石を触らせていただいたのでしょうか。

砥石にも特徴があり、硬さや研ぎ感がそれぞれ異なるのはもちろん、砥面の状態や粒子の状態も個体差があると感じます。

その特徴を知るには数多くの砥石を触らないと経験値は上がらないでしょう。

その経験値を上げさせていただけることに大変感謝です。



今回真っ先に気に庖丁用で入った砥石は白巣板です。

 

私が考える庖丁の仕上げに使用する天然砥石の評価基準は、楽ができる砥石かもしれません。

具体的には

①研磨力があり前の人造砥石の研ぎ傷が早く消える。

②鋼、地金に傷が付きにくく、鋼は炭化物が研ぎだせる。

③研ぎムラが出にくくきれいに仕上がる。

が楽な砥石でしょうか。

①はなくても人造砥石での下準備と技術でカバーはできますが、特に③は私の場合は特に部分的な面を作らず研ぐため、砥石に対してかなり要求が高いものとなります。

②は③をする前の通過点のようなものですから、③を満たす砥石が非常に庖丁に重宝すると言ってもいいでしょう。

この砥石では研ぎにくい切先付近も数分でムラなく研げました。



ちょっぴり欠けているのは気にしないでくださいね(笑)



人造砥石の仕上げで最終仕上げをしていたときは、いつ終わるのか、いつ良い状態になるのかがわかりにくく、またピカピカに仕上げるのも非常に時間がかかり困難だったと感じていました。

時間をかけて柳刃の切り刃を仕上げていざ使用してみると、刺身が引っ付いて刺身がキレイに切れない(笑)

結局時間をかけても成果は得られないことに行き詰ったことを思い出します。

天然は使うためのハードルはあるものの、慣れれば本当に楽ですね。



PEAK×300顕微鏡写真↓

 

炭化物の研ぎだしもきれいにできていますが、やはり巣板のため刃先ののこぎり状は少し強めですね。

約5~10ミクロンの波刃となっているため白身魚にはとても切れ味良く感じるでしょうが、やはり食材の味を生かす切れ味にしようと思うのであれば、もう少し刃線が揃っていた方がいいように思います。



私が所持している白巣板でもこの要求に応えてくれる砥石が3本ありましたが、内1本は先日巣を除去した際に硬さが変わってしまいました。

また1本は80型で厚みもあまりないため、何かあったときように保管しています。

早くメイン用の白巣板を見つけてこないといけませんY(>_<、)Y 

しかし笑えない話ですが、これはという天然を手にしたらもったいなくて使えなんですよね(^▽^;) 

  
 
切り出しですが、中山3兄弟で研ぎ試しをしました。

白浅葱は硬さの割に研磨力が強く、地金も引きにくく非常にいい砥石です。

 

PEAK×300顕微鏡写真↓

 

顕微鏡レベルでは刃線が若干揃わないですが、切り出しや鑿、鉋の実践には非常に良い刃先になると感じます。


中山緑浅葱は研磨力はおとなしいですが、非常に滑らかな研ぎ心地です。

 

硬さも白浅葱より硬いため刃線刃揃い、非常に滑らかな切れ味が得られます。

この砥石は剃刀に適しているように感じますが、研ぎ込み過ぎると切れが重いかもしれませんね。

PEAK×300顕微鏡写真↓

 



最後は中山カラスです。

 

砥面の精度を上げると少しツッパリ感が出ますが、やはり色が明るいため研げ具合が良くわかります。

ただ浅葱と同様研磨力は低く、地金は削れますが鋼の研磨は少ないため、刃線がよく揃います。

剃刀にはこちらも良いのではないでしょうか。



数年前まではなかなかこれらの硬い砥石を使いこなすことはできなかったでしょう。

砥石の平面精度、刃物の平面精度、研ぎの技術が揃うことも重要ですが、さらには良い共名倉や名倉を見つけることも研ぎをする上で非常に重要なポイントだと最近感じさせられます。



最後は鉋に良かった砥石です。

鉋はまだ残念ながら技術が他の刃物研ぎより劣るため、選別が難しいですが、今回の砥石の中では白巣板蓮華が良かったですね!!

おそらくまだ切り刃に完全に面ができていないこと、また力を抜いて研ぐ技術が身についていないことで、滑走感がいい砥石を選んでしまうのだと思います。

硬めの巣板はその点では良い砥石に感じます。



実際切り試しで鰹節を削ってみましたが特に問題ない薄削りで美味しい削り節を作れるのですが、それでも顕微鏡レベルでは手のブレのため刃先に圧がかかるためか数ミクロンの欠けが起き、完全なストレートの刃先を作ることが困難だと感じています。

 

もちろん実用的にはストレートの刃は引きが重くなることはわかっているのですが、完全ストレートで仕上げた後で形を理想の形に崩すのが良いように感じます。

雲の上の方々と鉋で話をしようと思うと、台調整も含めもう少し時間がかかりそうです(^▽^;)



このような研ぎ時間は必ず一月に一度は必要に感じます。

庖丁が専門でも庖丁だけ研いでいればいいのかというとそうでもなく、それぞれの刃物には切れる原理と形状があり、それらを研いで仕組みを知ることでまた庖丁の研ぎに還元されているのだと感じているからです。

そして何より楽むことが大切ですね。


研ぎをしているときに面白い写真が撮れました↓

 

剃刀砥で鏡面仕上げを研いでいたときに砥石に長時間引っ付いたので撮ったのですが、非常に大きな持ち手の切り出しのため、何とも変な写真に見えます。

たまには遊びも大切ですね。

ただ遊び過ぎて落ちて切先が少し欠けました(笑)


道具は大事にしないといけませんね(。-_-。)


ではまた。

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