映画「悪夢のエレベーター」を観た。


月影の舞

マンションのエレベーターの中に
閉じ込められた4人の話。


ヤクザな男とオカマと、イケメン男と
全身黒の若い女。


密室劇で、閉鎖空間での極限状態の
人間ドラマか? 思ったら……。


ありがちなソレではなくて、
ソレ自体がトリックだったりする。


どんでん返しというか、結末が、あっと驚くから、
ストーリーにはふれない方がいいし、
これから観る人は、予備知識ナシで
観た方が、いいかも。


サスペンスコメディとしてはおもしろいし、楽しめたけど、
後味はあまりよくないし、やましいことをしている人には、
ちょっと恐怖かも。


CGなんだけど、すごくグロいシーンがあって、
うわっと目をそむけてしまった。


後で、エンドロールに
「特殊効果・特殊メイク」に続いて
「残酷効果」という項目があり、
確かに残酷だわーと納得。


シチュエーションものだから、
舞台向きの話しである。


この映画、原作は小説なんだけど、
著者は、「映画」にしたかったみたい。

でも、映画にするのはお金がかかるからと、
自分の劇団で「舞台」として上演。

それが好評で、小説にしたら、
売れて映画化になったという。


この話のカタチの変化がとっても興味深い。
最終的には著者の夢が叶ったというのもすてき。



辛い事があって、自殺しようとする女を
男がとめるシーン。


「生きてたら、いいことがあるかな?」

「たまにしかない。
  きっと、今夜よりも辛いことが君を待っている」


「今夜よりも辛いことを楽しみに、生きていけばいいの?」

「うん、辛ければ辛いほど、
  今夜のことなんてどうでも良くなるやろ」

「早く、来ないかな。辛いこと」


このシーンは、とってもジーンと来て、
ホロリとなってしまった。


とっても正直だ。
生きて行くことを美化していない。


この台詞は、原作本にもあった。
多分、これは著者が一番いいたかったことだろう。

パンフにも著者が、
「映画でも、この台詞を残してくれたのが嬉しい」とあった。





★原作「悪夢のエレベーター」の感想はこちら

 http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-10431509883.html