「風と共に去る20ドル!?」
  1992/アメリカ

風と共に去る20ドル

監督: キーヴァ・ローゼンフェルド 
脚本: レスリー・ボーエム、エンドレ・ボーム 
出演: エリザベス・シュー、 クリストファー・ロイド、
   ブレンダン・フレイザー、リンダ・ハント、

     スティーヴ・ブシェミ



金は天下のまわりもの。
一枚の20ドル札がたどる数奇な運命とは?
             <ビデオパッケージ コピーより>



何か一つのアイテムが人の手に渡って転々として
いく話というのはおもしろい。
この作品はそのアイテムが「20ドル」。
アイテムを通して、様々な人々が関わり、
それぞれのドラマが展開される。
時にはコミカルに、時にはシニカルに。

主要登場人物がどの話にも少しずつ関わっていく
ところが構成の巧みさ。
オムニバス風だが、全体を通してつながっている。



風に舞った20ドル紙幣がいろんな人の手に渡っていく
というシンプルなおどぎ話的設定なのに、引きこまれた。
一つ一つの話は短いのだけど、その中に深いドラマが
描かれていて、考えさせられたり、泣かされたり。

ブレンダン目当てでビデオを購入したが、
おもいのほか豪華キャストだった。
個性派、演技派俳優の演技に魅了された。


一話目は社長令嬢に見初められたサム(ブレンダン)。
独身最後の夜に悪友たちの企みでストリッパー
を部屋に呼び、彼女のTバックの中に20ドル
(婚約者の父からもらった大切な20ドル)を
つっこんでしまうことで、婚約者に誤解され
婚約解消されてしまう。
初々しいブレンがたまらなくかわいい。
トップレスのストリッパーに顔の前に胸をぐりぐり
押し付けられたり、大股開きでのっかられても
照れてシャイにかわすとこがなんともいえずにいい。
好青年ぶりを出している。



一話目はオチもないし、曖昧でストーリー的には
ちょっと肩透かしかな。
でも、二話目は、「バックトゥーザフューチャー」のドク役の
のクリストファー・ロイドとプレンとは「ハードロック
ハイジャック」でも共演したブシュミーの二人がメイン。
強盗ものなんだけど、二人の渋い演技にひきこまれて、
短いのにううんとうなるように考えさせられた。
でも、ブシュミーまたこんな役で、かわいそ。
ヘンな顔の奴と言われ続けた「ファーゴ」での強盗役と
キャラがかぶった。



三話目は、新人作家の女と父の話。
作家なんて道楽だと、認めてくれない父と
ケンカしている娘。
父が死んで、遺品の財布をみた娘。
娘の小説が載っている新聞の切り抜きと20ドルが入っていた。
父も小説を書いていたのだ。
これは今の自分の心情と重ねて、涙してしまった。



ラストはまたサム(ブレンダン)登場。
小説をまた書くわとはりきってスペインへ
旅立つ娘と空港で出会う。
バラバラに撒き散らす20ドル。
ちょっとありきたりではあるのだけど、
ブレンもかわいいし、この空港シーンは大好き。
上手くまとめたなあと納得。