去年、受講した運劇どっとこむの戯曲講座の
講師は平田オリザの青年団の方だったので、
平田オリザの演劇に関する本を紹介してくれたり、
年末の最後の戯曲講座の時には、
井上ひさしの「父と暮らせば」の戯曲も紹介された。
そんな、演劇界を代表するようなお二人の
対談集の文庫化。
「話し言葉の日本語」
平田 オリザ・井上ひさし (著)
新潮社 (新潮文庫)/2013.12.24/590円
せりふの専門家である劇作家ふたりが、
話し言葉について徹底検証。
従来の日本語論とは違う角度からその本質に迫るとともに、
日本の演劇を真摯に見詰める――。
せりふにおける助詞・助動詞の重要性、
日常会話とせりふの相違、敬語や方言や流行語の
扱い方など日本語のマエストロによる話題は
汲めども尽きない。
<裏表紙 より>
「日本語論」というよりは、「話し言葉」に重点を
置いた演劇論の対話集。
演劇というのは観客が生で感じるものであり、
すぐそこで演じられているものであり、
現代を舞台にしていても流行語とかも通俗的な言葉は
あえて使わないという二人。
平田オリザは時代背景をぼやかすために「近未来」に
設定し、井上ひさしは現代は書かず、時間軸を過去に
置いて書いたという。
そんな対照的な面もある。
そして、お二人とも資料として読むのではなく、
その時代の手記を読んだり、
当時の「日本語のシャワーを浴びる」のだと。
お二人のたくさんの作品の実例を上げたり、
有名な戯曲を例にとって演劇の構造の説明をしたり、
台詞という「演劇」の中の言葉から、さまざまな
日本語を検証していく。
演劇だけにとどまらず、情報の整理術、アイデアを
形にする方法などものぞかせて、知識あふれる
中身の濃い対話集となっている。
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