やさしいダンスの物理学 | 月灯りの舞

月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「やさしいダンスの物理学
 ―ダンサーの動きは、なぜ美しいのか」

 ケネス・ローズ:著/マーサ・スウォーブ:撮影
 蘆田 ひろみ:監訳/佐野 奈緒子, 小田 伸午:訳
 大修館書店/¥2,520/2005.2.25

実生活とは無縁で、難解なものと捉えられやすい物理。
このイメージを覆した、科学とダンスの世界を結ぶ書。
                 <帯より>


ダンサーでもあり、物理学者でもある著者が
ダンスの動きの中に潜む物理原理を、
専門用語や難解な数式を使わずにわかりやすく
解説している本。  


バレエダンサーの身体の動きを一流写真家の写真
でやさしく表現している。
美しい動きの写真をながめるだけでも楽しめる。

ダンスの定義として「ダンスとは観る人の美的感覚に
訴える心象を伝えようとする芸術形態」とのべている。
そんなダンスに物理学的分析をすることに意味がある
のだろうかと意見の中、あえて、科学的分析を
試みようとする経緯を序章でのべ、試行錯誤の様子が
伝わってくるため、読む方としても入りやすい。

「バランス」では身体のどこが重心になるとか
図解や写真でのべたりして、物理らしいものと結び
ついていく。
「ターン」のしくみとか、「リフト」とか各動きごとに説明が
あり、親しみやすくなっているのもいい。
ダンスといってもほとんどがクラシックバレエだし、
高度なテクニックを要するものなので、
ダンス初心者のハウツー本としての役割りは
少ないけど、やはり美しい体の動きは芸術的であり、
見惚れる。



やさしいダンス