来年参院選、民主単独過半数の条件 | 辻雅之のだいたい日刊オピニオン
久々に解説記事です。

民主党に4名の無所属参院議員が入党しました(鈴木陽悦議員(秋田選挙区)・友近聡朗議員(愛媛選挙区)・広田一議員(高知選挙区)・外山斎議員(宮崎選挙区))。これで、参院統一会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」所属議員のうち、民主党でない議員は下のようになります。

松浦大悟(無所属、秋田選挙区)19
森田高(無所属、富山選挙区)19
亀井亜紀子(国民、島根選挙区)19
亀井郁夫(国民新党、広島選挙区)16
自見庄三郎(国民新党、比例区)19
平山誠(新党日本、比例区)19(注:繰り上げで8月に議員当選) ※敬称略

「民主党・新緑風会・国民新・日本」の所属議員数は118名、うち民主党議員は112名となり、民主単独参院過半数まであと9議席ということになります。ただし、江田議長を除いているので、含めると113名、過半数まで8議席です。

しかし参院補欠選挙が25日の日曜日に実施されます(神奈川選挙区、静岡選挙区)。民主が両選挙区を制すると民主党議員は114名で、過半数まであと6議席ということになります。ただ、ここで選出される議員の任期は来年夏の参院選までなので(!)この結果を踏まえて計算することはしないことにします。

「民主党・新緑風会・国民新・日本」所属議員のうち来年7月の参院選で任期切れとなるのは52名、うち民主党51名、その他は亀井郁夫議員のみとなります。2013年の参院選まで任期が残っているのは66名で、うち民主61名、その他5名です。

参院補欠選挙の結果を考えないとすると、過半数121ですから、民主党は60議席を獲得すれば単独過半数ということになります。

参議院の一人区(一人のみ当選の選挙区)は29。これをほぼ五分の15勝14敗とするとします。2人区は12あるので、これは自民・民主で分け合って民主12議席。改選される選挙区議席は73ですから、残り20議席を民主・自民他が分け合うとして民主10。トータルで37議席です。

前回参院選の比例代表区は民主党20議席、自民党14議席獲得しています。民主党が今回は16議席獲得と落込んでも、トータルで民主は53議席獲得することになります。参院での議席数は合計で114。江田議長を民主党に入れても5議席減ですみます。

つまり、昨年衆院選とは一転して民主・自民が拮抗した選挙になったとしても、民主は単独過半数には届かなくても、これくらいの議席を民主党は獲得するだろうということになります。

民主党は前回参院選では一人区で23議席獲得しています。それを考えて、民主党が一人区で悪いところ18議席、3人以上当選区で民主12と修正、さらに民主党は前々回の比例で19議席獲得しているので、悪いとこ18として修正すると、民主獲得議席はちょうど過半数ラインの60議席です。

民主まあまあ優勢として、一人区19、二人区12、その他選挙区12、比例19としたら62議席です。鳩山政権が支持率を極端に落とさなければ民主党の参院単独過半数は難しい課題ではないことがわかります。

もちろん、選挙は直前まで何が起こるかわからないのですが、現在、民主党有利の情勢であるということはいえるわけです。

ちなみに、「民主党・新緑風会・国民新・日本」での無所属議員はこれで松浦・森田両氏のみ。二人とも40代前半と若く、社民党に大きく配慮しなければならない事情は抱えていないと思われます。この二人が民主党に入党した場合、二人とも来年参院選では非改選なので、民主党の単独過半数獲得ラインは58と、さらにボーダーが下がります。一人区16議席と苦しい展開になっても単独過半数になるわけです。